黄昏通信社跡地処分推進室

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ザリ子死す

過ぎてしまった今になって思えば、少しおかしいなと思うところはあったけれど。先週水を替えた直後ぐらいから、それまでにも増して水面に上がってくることが多くなって、よくすみかの屋根の上に乗っていたこととか。えさをあげても全く反応しなくて、食べている様子がなかったりとか。でもまあ、よくあることの延長だと思っていてあまり気にも留めなかった。たまたまちょっと息苦しかったのかなとか、きっと見てないときに食べてるんだろうとか思っていた。おれは居なかったのだけど、家族が気がついたときにはもう屋根の上で動かなくなっていたらしい。ほんとうにあっけなく死んでしまった。家に帰ったときちょうどお別れをするところだった。子供たちはおいおい泣いていた。穴を掘って、四人で少しずつ土をかけた。山麓から連れてこられて一年と少し、はたしてザリ子はしあわせだっただろうか。もっといいものを食べさせてあげればよかった、水草も入れてあげればよかった、また今度、まあそのうち、そう思ってるうちに今度は二度と来なくなってしまった。刺身とか鶏肉とかあげればよかった。掴もうとするといつもはさみをいっぱいに差し上げて威嚇してきた、挟まれると想像よりけっこう痛かった、小さいけどいさましいザリガニよ。さようなら、天国のどこかの水路で、どうかのんびり過ごしてほしい。

かなしい。かなしい。思っていたより、ずっとこたえる。

『アメリカン・プリズン-潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス-』 シェーン・バウアー著/満園真木訳 東京創元社,2020-04-30

どんな国にもいいところと悪いところはあるもので、いいところばかり見てうらやんでも悪いところばかり見てさげすんでもあまり意味がないわけだが、それはそれとしてこういうところは見習いたいねとかこれは他山の石としたいとかは明確にある。この本は後者だ。こうなってはいけない。少なくともこの方向へ突き進むことは避けなくてはいけない。
米国のいくつかの州では、刑務所の業務が民間に委託されている。これは単純にコストダウンを図る目的で行われていて、ほぼ専業の受託会社が複数の州の複数の刑務所にまたがって業務を受託している。そしてそこで働く刑務官は州によってはその州の最低賃金で雇われている。著者はかつてイラクでちょっとした行き違い――本人によれば国境に近づきすぎた――から 26ヶ月にわたって収監された経歴を持つこともあって、自分の国の刑務所で何が起きているのかにも興味を持った、ということらしい。正面から取材に行っても周到に準備された表の顔しか見せてもらえないことはわかっている。というわけで潜入取材しよう、ということになる。
著者は偽名すら使わずに正面からウェブページ経由で刑務官の求人に応募する。拍子抜けするほどあっさり複数の刑務所から面接のオファーが来て、そのうちのひとつを選んで面接に挑むとこれまたあっさり採用される。ペン型のカメラと IC レコーダーをポケットに潜ませて、著者は時給 9 ドルで刑務官として働き始める。その環境は劣悪そのものだ。大部屋に 44 人囚人がいて、それがふたつつながっている棟を、刑務官ふたりで監視しなければならない。どだい無理である。無理であるゆえに、筆者(に限らず刑務官全員)は常に葛藤を抱くことになる。規律を完全に守らせることは絶対にできない。ろくな武器も持たされていないのだ。だからといって好き放題にさせるわけにもいかない。囚人同士の暴力沙汰はさほど珍しいとは言えないなか、その暴力が自らに及ぶかもしれないという脅威にずっとさらされ続けられつつ、圧倒的に人数で勝る囚人をコントロールし続けなければならない。これは相当なプレッシャーとストレスであろうと思う。実際著者はどう振る舞うのが正しいか迷い続け、行動にもそれがあらわれる。ここら辺はほんとうに迫真の書きっぷりで、潜入ルポの醍醐味というか、実にスリリングな展開だった。そして段々妻との仲が険悪になっていったことを著者は告白している。さもあろうと思う。
本書では潜入レポートと平行して、章を交互に並べる形で米国の刑務所労働の歴史が語られる。そもそもは南北戦争の後、奴隷制が廃止されるのと同時期に、奴隷労働を置き換えるような形で一般化していった。なにせ奴隷と同じぐらい働くし、奴隷だと曲がりなりにも死ぬまで面倒みなきゃいけないけど囚人だったら年喰って働きが落ちたら釈放しちゃえばいいからね、みたいなことがほんとうに言われていたらしい。どひーー。まあ本朝にもタコ部屋とかあったわけなので全然他国のことは言えないしそれは本エントリの趣旨ではないけど、それはそれとして「囚人なら釈放しちゃえる」はかなりのパワーワードだとは思う。
ともあれ、囚人労働は時代に応じて形を変えながらかなり長いこと続いたらしく、それは経済的側面から肯定された。時代が下るにつれて強制労働こそなくなったけれど、囚人の管理を民間に任せてしまおうという部分だけは外注という形で引き継がれていくことになった(それもおなじく経済的側面から肯定された)。しかし囚人を労働力として収益を上げることが認められていないのに、民間に委託すれば経費が節減できるなんてことが論理的にありうるだろうか?
本書ではその答えが潜入レポートにある、という構造になっている。少なくとも書かれている限りでは、囚人も刑務官も等しく劣悪な環境に置かれ、毎日強いストレスを受け続けながら暮らしている。一方的なレポートだから真実かどうかはわからない。受託会社は本書が出版される前に受けた照会に対して多くの否定的回答を返したようだ。あるいはそれが正しいのかもしれない。だけど、そんなことはあまりありそうにない、というのが正直な感想だ。著者が刑務官を辞任して、少々の後日談が語られたところでレポートは終わっている。他人事ながら無事に辞められたことにはほっとしてしまった。
どんな国にもいいところと悪いところはあるもので、いいところばかり見てうらやんでも悪いところばかり見てさげすんでもあまり意味がない。だけどおれは本書を読んでひとつの思いを堅くした――米国で収監だけはされるまい。それだけは絶対に避けたいと、心の底から思っている。(いや、まあ一部の州だけだってわかってるんだけどさ)

メグリム・ジャー・ウィズアウト・ジャー

今日もあれの続き。しかも朝イチのコマは自分が一応参加者になってるやつだっ。というわけで iPad の前に座ってなきゃいけないのだが、その前にうんこしといたろと思ってトイレの個室に入ってスマホ見てたら、なんとスマホの画面の特定の一部がかすんで見えるではないか。なーーんてこった。まさかの閃輝暗点である。いやいいから、ほんとそういうドラマチックな展開要らないから。気のせいでは?とちょっと遠くを見てみたりするがもちろん意味は無く、ほどなくはっきりとぎざぎざが見えはじめた。仕方ないので(うんこ済ませてから)(あたりまえだけど)職場備付けの薬箱を漁ると、ありがたいことにバファリンが入っている。おれの偏頭痛は大抵の場合そんなに大したことないのでこれでもなんとかなりそうな気がする。行け! アセチル・サリチルさん! あとは祈るしかない。閃輝暗点が消えたタイミング(≒頭痛が始まるとすればここ)ぐらいで iPad の前に座りもっともらしい顔をする。結果としては予防投与が功を奏したか、薬はちゃんと効いてくれて頭痛はほとんど感じないほどで済んだのだけど、中々にどきどきする展開であった。ほんとうにやめて欲しい。調べてみたら記録にある限り閃輝暗点今年初だな。発症は 2005 年らしいので、もう 15 年のつきあいということになるようだ。姉にもあるようなので、遺伝なのかもしれない。

そして午後は唯一の対面のあれなので出向いていく。まあ鞄持ちなんすけどね。相手の応答としてはまったくきっぱりとネガティヴだったんだけど、しかし対面で話すと盛り上がるしまたよろしくという気持ちになる……。疫病の下、直接顔を合わせることの価値はますます高まっているよな、というのは正直なところ。感染拡大を防ぎつつこういうことをどこまで取り戻していけるかというのは考え続けなければなるまい。そして行きはえらい人と行けたので車に乗せてもらえたのだが帰りはえらい人が別行動だったので別のえらい人と電車で帰ってきた。ちょっとしゃべったりできたのでこれもよかったな。おのれ疫病めという気持ちである。

IR

今日からあれ。陪席なので気楽なもん……ではあるが、一日四本もあると中々大変である。しかも説明者が Webex に上手く入れないというリモートならではのトラブルが二連発したりなどしてわちゃわちゃした。まあしかしこれ全部対面だったらそれはそれで大変ですよ。移動するだけでも相当な時間食われちゃうよな。営業ってそういうものなんだろうけどねえ。反応はポジティヴなところもネガティヴなところもあり。それもまあ、そういうものなんだろうけど、わりとあからさまなところとポーカーフェイスのところとあって、それも面白い。

家焼肉

8 月 29 日は焼肉の日!というわけで焼肉にした。今日は 30 日だけどまあ気にすんなよな。外国産カルビ、国内産モモ、ハラミ、タンという感じ。モモ肉がちょっと硬かったのが残念だったけど、でもおいしかったですね。人間やはり時々肉(とごはん)をばくばく食べるべきだと思っています。

カルボナーラもどき

カルボナーラもどきを作る。ベーコンの代わりにソーセージを使うのだけど、それ自体はまあまあ。ソーセージ自体はめちゃくちゃ旨みがあるからね。だけどスパゲッティを茹でる量が中途半端で、粉チーズと牛乳を(結果的に)ちょっと少なめにしてしまったら微妙に物足りない感じの味になってしまった。ソーセージだとベーコンほどは脂が出ないから、その分が足りなかったのかもしれない。あとカルボナーラを作る上で困るのは卵白の使い途なのだけど、今回は中華だしの素と小松菜でスープにしてみたらけっこうおいしかった。めちゃくちゃ適当やったけど火の通り加減がベストに近かったんだよな。まあ、その時ある野菜使う心算でやればいいんだろう。
ちなみに娘はカルボナーラもどき、まったく食べず!

ツール始まったけどみんながあっちこっちでめちゃくちゃ落車してるの見てるうちに寝落ちしてたわ。クリストフ(UAE チームエミレーツ)が勝ったらしい。クリストフもすごいベテランみたいな気でいたけどまだ 33 らしいのでグライペルより若い。

何を言っているかわからない日記

来週からいよいよあれなのですが、それに備えて隣の課にちょっとわからないところ聞いておこうみたいなイベントを開いてもらったらそこに部長が入ってきて違う趣旨のイベントに変化し、最終的に資料の直しが発生した、みたいなことがありました。来週からって実質翌日なんですけどどうしましょう。いやまあどうしましょうもくそもないんですけど。