黄昏通信社跡地処分推進室

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ダルバート・ダルバートⅡ

在宅勤務。妻も出勤の日ではなくて家にいたので一緒にお昼を食べに行こうということになり、先日行ったダルバート屋に行った。少し並んでる人はいたが今回もすっと入れた。今回は水牛のカレーにしてみた。国産の水牛で、今日はモツも手に入ったから肉とモツが入っているのだという。なんだかわからないが頼んでみた。水牛の肉は牛より少し硬く少し臭みがあって旨味も強い。牛を荒っぽくしたような感じだ。牛を荒っぽくしたのが水牛だと思うから、合っているんだろう。モツはたぶんレバーで、これは牛レバーとのはっきりした違いはわからない。おいしかったが、それなりに高く、これだったら山羊でいいかなと思う(山羊の方がだいぶ安い)。まだチキンを頼んでいないので次はチキンを頼もうかな。全体としては先日の感想と同じくめちゃくちゃおいしかったのでまたそのうち行きたい。こんなお店が近所にあるのは幸せなことだと思う。

限界

去年作ったクエリを使う季節が来た。うーん、これ年度が変わるとちょこちょこ更新しなきゃならなくてしんどいな。単純に抽出条件ならパラメータクエリにすればいいんだろうけど、出力結果の列を in 句で直書きしちゃってるところがけっこうあって(これがハードコーディングか)、これは手で直すしかないのかな……。
みたいなレベルで苦労しております。まあ仕方ない。なんとか引き継ぐ方法だけは作らなければなあ。

カメラロールは空の写真ばかり

携帯の写真を見返すとなんといっても空の写真が多い。出かけたときに誰かの写真を撮ったりあんまりしない一方で、どうということない日に空が綺麗だと思ってシャッターを切ることはけっこうあるからだ。たぶんこういうことはおれ自身の世界に対する向き合い方を反映しているのだと思う。人の写真が多い人、物の写真が多い人、食べ物の写真が多い人、景色の写真が多い人。……と思ってたらツイッターで「スマホの写真フォルダにカメラで撮った写真がある奴は陽キャ。真の陰キャはスクショしかない」みたいなこと言ってるやつ見かけて笑ってしまった。上には上がいるもんだ。

またしても

レイオフ見る。ディヴィジョナルまでは土日でやってくれるので日曜日に見られるのは予定さえなければちょっといい。カンファレンスチャンピオンシップ以降は日曜日しかやらないのでオンタイムで見ることはかなわぬ。という感じ。まあ週二試合だったら全然どうってことないんだけどね。

『「第二の不可能」を追え!――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ』 ポール・J・スタインハート著/斉藤隆央訳 みすず書房,2020-09-03

この日本語題どうなんでしょうねえ。著者は「不可能」には二種類の意味があるという。第一の不可能は理論上ありえないことで、理論が正しい限りはそれは単純にあり得ない。もうひとつ、第二の不可能と呼ぶべきものがあって、それは「これまでの経験知から演繹すると起きるはずがないこと」ぐらいのニュアンスで使われる「不可能」のことを指す。ふたつは似ているけど実際には大きな隔たりがあって、著者は第二の不可能はむしろチャレンジすべき対象になると考えている。こう書くとなるほどと思うけど、タイトルだけじゃこんなことわからんよね。「ありえない物質」というのもちょっとあいまいで、それも含めてどうなんだろうと思う。(しかし今更ながらおれ日本語題にこだわる傾向があるな)

結晶というものがある。物質がある程度以上の大きさにいたるまで規則正しく並んでいる形態、を指す言葉なのだけど、実は結晶がとりうる並び方はかなり限られていることが知られている。そして、結晶の持つ対称性もまた、非常に限定されたものしかない。結晶の電子線回折像は 1, 2, 3, 4, 6 回いずれかの対称性しかない。たとえば「4 回対称性」なら 90°回転させても同じ並び方になり、それを4回繰り返すと元の位置に戻るものを指す。ところが、5回対称性を持つ結晶は自然界には存在しないのだ。同様に 10 回対称性を持つ結晶も存在しない。
そしてここで冒頭の不可能が登場する。この不可能は第一の不可能か第二の不可能か? 著者は第二の不可能だと考えた。なれば、まだたまたま見つかっていないだけで、本当に存在そのものがあり得ないわけではない。

ペンローズ・タイルという平面を充填する不思議な図形があって、著者はこれを足がかりに立体への拡張を理論的に考えはじめる。幾人かのアイデアが積み重なってそれを立体にも拡張できるようだという理論的裏付けが形作られていくのだけど、ここがかなりわくわくした。ペンローズタイルを平面に隙間なく敷き詰める時に、タイルの決められた位置にあらかじめ(辺から辺までの)線分を引いておくと、その線分が連続したタイルの上で直線をなすように並べるだけで平面を埋められる、という方法があって、それを発見した人がフランスのアマチュアの数学者だったらしいんだよね。アマンというその数学者は、才能にあふれていたんだけど極端にコミュニケイションが苦手で大学には籍をおきながら卒業できず、郵便局員をやりながらペンローズタイルの研究を続けてたらしい。そしてその直線(本書ではアマン・バーと呼ばれている)を発見した。そして、立体でもそれに相当する「アマン平面」みたいな概念があると判明する。ただ、著者が連絡をとりはじめて、一度だけかろうじて会ってからほどなく、アマンは亡くなってしまったのだそうだ。栄光なき天才たちみたいなエピソードである。

んでまあいろいろあって人工では「準結晶」という5回対称性を持つ物質を合成することに成功して、そこから各国の研究機関や博物館に保管されている様々な鉱物の電子線回折像を調べて、見落とされているだけで天然にもそのような物質があるのではないかと著者たちは探しはじめる。そして数少ない事例から細い糸をたぐるようにひとつの物質にたどり着き、それがカムチャツカ半島のある川で採取されたものであるらしいことを突きとめる。ならば、あらためてそこにおもむいて、今度は確実にそこで採れたものであると言い切れるサンプルをとってこようじゃないか。
ここから先はまあ、読んでのお楽しみだけど、今度はフィールドワークを全くしたことがない著者(タイトルにある通り本業は理論物理なので、フィールドワークはない)がカムチャツカのとんでもない僻地に乗り込んでいく冒険譚になってそれはそれでけっこう面白いんだよね。そこは本当にすごいと思う。数学、物理、地学、鉱物、さまざまな分野にまたがった研究と発見の物語で、これほど面白い対象に出会えて結果を残せるということは研究者冥利に尽きるだろう。楽しい本でした。

イベント×2(←岡村靖幸風)

この日はどういうわけかイベントがふたつ。滅多にないのにある時は重なるという……。というわけで朝は日本橋の某ビルに直行。弊社の偉い人が登壇するイベントの手伝い。といっても実際には無観客になってしまったこともあって、場転の時に机や椅子やアクリル板を運ぶくらいしかすることはなかったのだが。無事に終了して、社用車に同乗させてもらい会社に戻って、午後一からある賞の表彰状授与式+弊社社長へのインタビュー。これもまあ、机とか椅子とか動かすだけだったんだけど。ともあれこちらもつつがなく終わり、席に戻ってようやくお昼ごはん食べられたのが 14:30 ぐらい。ひさびさにちょっと大変でした。終わってほっとした。

自分の暗黒面と向き合う

オンライン研修。現在の職階で五年経験した人向けの研修だったのだが、今のところの前の部署では該当者が多すぎてあぶれてしまい、今のところに異動してきてからは奇跡的に二年連続家族旅行と日程が重なって参加できず、なんと四年遅れの受講になってしまった。ぐぬぬ。で事前準備としてマネジメント人材適性診断みたいなのをオンラインで受けたのだが、これが驚くほど評価が低くて参った。なんかこう、平均すれば平均値ぐらいになったりするもんかと思ってたけど全然で、むしろ平均値に届いている能力が数えるほどという感じ。これに対してどう改善するかをワークシートに書かなきゃいけないんだけど、そんなの「おれ以外の誰かを連れてきてここに座らせる」一択だよね。たすけてくれ。

研修は Zoom で大部屋に集められてから四人ずつのブレイクアウトセッションに放り込まれてディスカッションみたいな流れだったけど、自分のいたセッションではちょっと時間配分とかミスってしまった。とはいえ働き方が劇的に変わった今年、他部署の状況を聞くだけでも中々興味深く、面白かった。もう少し時間ほしかったな。