黄昏通信社跡地処分推進室

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虫((C)荒井君輝)

なんというか、自分の中に虫がいて、その虫がおれに文章を書かせる、みたいな感じはずうっと持っている。昨日のみたいに長い文章を頼まれもしないのに(長い期間にわたってまで)書いているのは、勿論書くのが好きと言うのはあるけど、それだけでは微妙に説明がつかない気はする。
専業作家が時々「書かずにおれないから書いているのだ」というようなことを言っていて、書いているもののレヴェルも虫の大きさも比較にならないことは百も承知の上で、その上ひどくおこがましい表現になってしまうけど、おれはその「書かずにおれない」感覚は凄くよくわかるのだ。そして多分おれの虫は平均的な人のよりはちょっとでかいんだってことも。
よくわからないのは、おれの虫は何を書いててもそれなりに満足してるらしく思えることだ。一時期はあほみたいに小説らしきものばかり書いていたし、今はあほみたいにこの日記を書き散らしている。別にそれはどっちでもいいらしい。いいのかよ。
なんにしても、30 年以上生きてきてどうやらわかったことは、この虫は死なないだろうということだ。弱ることはある。ちょっと休むこともある。でも死なない。つまりまあ、なにかしらおれは書き続けるだろうと思う。それであればもう少し努力した方がいいのかなあとも思うのだけど。