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NFL 2018 -- Week 17

これで終わり。年々早くなるな……。
最終週は例によって全戦同地区対決となっている。

Chicago Bears (12-4) @ Minnesota Vikings (8-7-1)

ミネソタヴァイキングズ、シーズン終了。勝てばプレイオフ進出だったが、勝負にもならず。
ひとことで言えば、オフェンスが機能しなかった。序盤はスリーアンドアウトに次ぐスリーアンドアウト。カズンズがプレッシャーを受け、パスは通らない、ランも出ない。なすすべなくパントを蹴り続けた。
ディフェンスは最初のドライブでタッチダウンを許したもののよく粘ったが、ほとんど出ずっぱりではやはり保たない。2Q にもタッチダウンを奪われ 13-0 とされてしまう。
前半最後のドライブで、ようやくオフェンスが形を作る。ルドルフ、シーレン、ディッグズと投げわけて敵陣へ。シーレンへのパスでは相手のフェイスマスクがあったが、あれはパスインターフィアランスが出てもよかったかもしれない。敵陣 27 ヤードの 3rd&6、ここでシーレンへのパスだったが合わずにインコンプリートで、このドライブは FG に終わった。
このあとサイドラインでシーレンがカズンズに喰ってかかり、カズンズがそれに対してかなり感情的に反論するシーンがテレビに抜かれていた。おたがいのフラストレイションを象徴する場面だった。今季前半は毎試合 100 ヤードレシーヴを記録していたシーレンだが、終わってみれば 1373 ヤードで、後半八試合のレシーヴィングヤードは前半の半分以下だった。
ともあれ 13-3 で折り返す。


後半、ベアーズの最初のドライブをパントに終わらせると、ヴァイキングズはようやく反撃する。まあ、サードダウンで相手が反則すること二回、というドライブだったので助けられた感は否めない(特に自陣でのラフィングザパサーは微妙な判定だった)が、それでも最後はカズンズからディッグズへのパスが通ってタッチダウンとなった。これで 10-13 と差を詰める。
しかし返しのドライブ、ベアーズがしぶとく攻撃を続ける。度重なる 3rd ダウンをトラビスキーが次々に更新し、せっかくのサックもホールディングでヌリファイされてドライブが継続してしまう。結局 3rd ダウンを四回更新されて最後はタリク・コーエンのタッチダウン。これは実に九分時間を使われて、しかもせっかく点を返した直後に同じだけ点を取られてしまうという、ヴァイキングズの心を折るには十分な得点だった。ツーポイントも決められて 10-21。
この後は三本のドライブですべてギャンブルに失敗し、一点も返すことなくヴァイキングズは敗れた。アルドリック・ロビンソンのドロップなどもあったけれど、あれが取れていても大勢に影響はなかっただろう。ディフェンスは粘ってその間の失点を三点にとどめたが、11 点であろうと 14 点であろうと挽回できる点差ではなかった。

レイオフに進めなかった。
詳しくはまたあらためて書く、かもしれないが、まあ端的に言えばオフェンスであろう。前半あれだけうまくいっていたものが後半総崩れになってしまうというのも解せないが、たとえば week 2 にビルズに負けているように危ういバランスの上にかろうじて成り立っていたのかもしれない。ランプレイにしてもパスプロテクションにしてもシーズンを通して苦労したのは事実で、オフェンスラインが整わなかったのは大きな敗因になった。負傷者が続いたり、OL コーチを開幕直前に失ったりという不運もあった。
がっかりしたシーズンだったのは否定しないが、この責をぜんぶカズンズに負わせるのも違うかなとは思う。ひとつ気になるのは、カズンズのキャリア成績で「勝ち越してる対戦相手に 4-24」というのがあって、勝ち越してる相手に対して勝率が落ちるのは当然にしても 4-24 はさすがにかなり悪い。弱いチームを叩いて勝ち星を稼いできた、などと言わせないためにも来季の奮起を期待したい。
ベアーズはすばらしかった。ぎりぎり 1st ラウンドバイには届かなかったが、普通の年なら充分届く数字だし、ディフェンスオリエンティッドなチームがこの成績を残すのは本物だ。いきなりスーパーボウルは難しいかもしれないが、プレイオフでも勝ち上がれる力があるものと思う。初戦の相手は昨季のチャンピオン、フィラデルフィア・イーグルズ。


最終スコア:CHI 24-10 MIN

Dallas Cowboys (10-6) @ New York Giants (5-11)

見ていない。NFC 東の同地区対決。
レイオフには関係ない一戦だったが、エリオットを休ませたカウボーイズに対してジャイアンツが意地を見せて終盤までリード。しかしカウボーイズが最後七点ビハインドからタッチダウン→ツーポイント成功で逆転勝ち。プレイオフに向けて勢いづいた。
ジャイアンツはシーズン最後の二戦をいずれも一点差で負け。イーライ・マニングの最後になるかもしれない試合を飾れなかった。


最終スコア:DAL 36-35 NYG

Los Angels Chargers (12-4) @ Denver Broncos (6-10)

チーフスが負ければ地区優勝の目もあったチャージャーズだが、早々とチーフスが大量リードしたためあきらめムード。とはいえブロンコズも点が取れずロースコアのゲームに。最後チャージャーズはリヴァーズを下げてジーノ・スミスを出したが最初のプレイでサックされてファンブルロストしててうわーってなった。それでもチャージャーズの勝ち。ブロンコズは、何度となく書いてきたが攻撃力が決定的に足りなかった。


最終スコア:LAC 23-9 DEN

Indianapolis Colts (9-7) @ Tennessee Titans (8-8)

この日の遅番唯一のゲーム。勝ったほうがプレイオフ行き、ただし引き分けだとスティーラーズが頭ハネするというちょっと面白いシチュエイション。キャットルーキーかっつうの(わかりづらい例え)。
しかしふたを開けてみるとコルツが序盤から先行、タイタンズもピック6で差は詰めたが追いつくには至らず、後半も得点を重ねたコルツが逃げ切り勝ち。1-5 と出遅れたシーズンだったが驚くほどの巻き返しを見せてプレイオフに滑り込んだ。1st ラウンドでは同地区のテキサンズと今季三度目の対戦となる。


最終スコア:IND 33-17 TEN

Cleveland Browns (7-8-1) @ Baltimore Ravens (10-6)

これは NHK-BS でやってた。
地区優勝とプレイオフがかかるレイヴンズに対し、意地以外の何もないブラウンズ。モティヴェイションには差がありそうだが、しかしこういう試合で足元をすくわれたりするのが NFL で、実際レイヴンズは昨季最後の最後に死に体のベンガルズに逆転負けを喰らって圧倒的に有利だった状況からプレイオフを逃している。
しかし今年はチャンスをものにした。RB 三人とラマー・ジャクソンの四人でシーズンハイの 297 ヤード走りブラウンズディフェンスを粉砕。ジャクソンは投げても 14/24-179yds を記録した。その割には 26 点はやや少ない感じもあるが、1ヤード地点でのファンブルロストがあったらしいのでこんなものか。
ブラウンズも前半のインターセプト二本にめげず反撃し、後半残り 7:20 で九点ビハインドからタッチダウンを奪って返しのドライブを止めて攻撃権を得るところまで持っていったが、最後は敵陣 39 ヤードまで行きながら 4th&10 でギャンブルし、三本目のインターセプトを喫して万事急須。まあしかし、よくやった。勝ち越しまであと一勝足りなかったが、胸を張っていいシーズンだった。メイフィールドは来年は自分たちがここでプレイオフに進む側のチームになりたいとはっきり言った。少なくともそれをいう資格があるチームには既になっていると思う。あとはそれを実現するだけだ。
レイヴンズは意外にも 2014 シーズン以来のプレイオフとなる。ここ二年はレギュラーシーズンで堅い守りを見せていかにもポストシーズンでうるさそうだなーという印象だったがプレイオフにはあと一歩届かず、ラマー・ジャクソンを得てようやくここまで来た。ひさびさのポストシーズン、どこまで行けるだろうか。


最終スコア:CLE 24-26 BAL

Other Games

MIA(7-9) 17-42 BUF(6-10):ビルズが大勝。最後七試合で 4-3 ということで、後半はまあまあよかったか。ドルフィンズペイトリオッツ相手の“マイアミの奇跡”で燃え尽きてしまったかのようにその後負け続けた。
DET(6-10) 31-0 GB(6-9-1):ライオンズがなんと完封勝ち。ロジャーズは 2Q に脳震盪で退場し、そのまま戻らなかったとのこと。パッカーズはとうとうマカーシーをクビにして、来季はどうなるか。
JAX(5-11) 3-20 HOU(11-5):はい、テキサンズの圧勝。なんの意外性もない。ボートルズは最後のチャンスを与えられたが 15/28-107yds-0TD-1INT と完全にボートルズ 1.0。ほんとうに昨シーズンはなんだったのだろうか。昨季の開幕前にジャグァーズがボートルズとの契約の五年目オプションを行使したと聞いたときは「まじかよ」とかしか思えなかったけど、昨季が終わった時には「なんて賢明な選択をしたんだ」と百八十度意見が変わっていた。そして一年経ってこれだ。week 2 にペイトリオッツに快勝したときはポストシーズンでの再戦を疑わなかった。あれが同じシーズンだなんて信じられない。
NYJ(4-12) 3-38 NE(11-5):これも順当。結局ペイトリオッツは今年も AFC 東で優勝し、1st ラウンドバイを手に入れた。万全とは言い難い状況に変わりはないが、どれぐらいやれるものか。ジェッツはよさそうな雰囲気のある試合もいくつかあったものの終わってみると悲惨な成績で、トッド・ボウルズ HC がクビになった。気がつけば4シーズン目で、ここ3シーズンで合計 14 勝とかだったらしいのでクビ自体はまあ。ダーノルドは来季に期待したい。
CAR(7-9) 33-14 NO(13-3):消化試合。セインツはブリーズとカマラを休ませて、ブリッジウォーターが先発。ブリッジウォーターとしてはチャンスだったが 14/22-118yds-1TD-1INT とアピールできるような数字は残せず。スターターとしての前途はもうあまりなさそうかな……。ACL の断裂が思ったよりはるかに深刻な影響を残してしまった。ACL でここまでひどくなることは珍しく、残念に思う。パンサーズはドラフト外ルーキーのカイル・アレンが先発。2タッチダウンをあげる活躍も 4Q にヒットを受けて退場、とうとう今季四人目の QB ギャレット・ギルバートを繰り出す羽目になった。
ATL(7-9) 34-32 TB(5-11):いかにも NFC 南らしいシュートアウトポストシーズンいっさい関係なかったけどこれ試合としては面白かったんじゃないかな。マット・ライアンがキャリア初のタッチダウンレセプションを記録したとのこと。パスしたのはサヌーで、サヌーはハイスクールまで QB やってたのでシーズンに一度以上は絶対パスやるんだけど、ライアンがレシーバーなのは面白い。両チームとも攻撃偏重すぎて勝ち星が伸ばせなかったが、ライアンがいるファルコンズと QB カルーセルやってたバッカニアーズの差がこの二勝差ということなのだろうか。バッカニアーズはウィンストンどうすんだろうねえ。
OAK(4-12) 3-35 KC(12-4):チーフスの完勝。ここでレイダーズが勝てば地区優勝が入れ替わるかも、とか、レイダーズとブロンコズが両方勝てばペイトリオッツが第1シードに、とかいろいろ展開があり得たのだがこの試合の開始二十分で全部消えて無くなったとか。無事チーフスは第1シードになった。レイダーズはもう少しきばってほしかったけど、まあ今のところはこんなものか。前々週に地元でも負けているがあれが精一杯ということなのだろう。来季にはまだ仕上がらないかもしれないが、楽しみなチームではある。
CIN(6-10) 13-16 PIT(9-6-1)スティーラーズ、なんとか勝ったもののプレイオフを逃す。
PHI(9-7) 24-0 WAS(7-9):イーグルズ、なんとプレイオフに生き残り。ウェンツが負傷してシーズンアウトとなり、フォールズがふたたびスターターに座ってからの三連勝で大逆転となった。モメンタムだけは最高の状況でプレイオフに挑むことになる。レッドスキンズはアレックス・スミスの負傷がすべて。カズンズに出て行かれても大丈夫だと示せたかもしれないシーズンだったのに、なにもかも失ったシーズンになってしまった。本当に残念。スミスも復帰が危ぶまれるような報道もあったけど、なんとかまたフィールドに立って欲しい。
SF(4-12) 32-48 LAR(13-3)ラムズが勝って 1st ラウンドバイをなんとか確保。最後ベアーズに詰められて危なかったが、さすがにフォーティナイナーズには負けなかった。
ARI(3-13) 24-27 SEA(10-6)カーディナルズはこれで来季のドラ1(権利)が確定。ラリー・フィッツジェラルドはもしかするとこれが最後の試合かという噂もあるが、このシーズンが最後ではあんまりじゃないかという気はする。とはいえ来年急に上向くとも思えないわけで悩ましい。