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『グッバイ・レーニン!』 ヴォルフガング・ベッカー監督

ギャガ・コミュニケーションズ,2003
参照→グッバイレーニン @nifty:Theater@nifty
遅ればせながら、観に行ってみる。
ベルリンの壁とそれによって引き離される家族、そして崩壊による価値観の変化を、今になって物語の背景に据えている。監督は「この映画のテーマは親子愛だ」と語っていたが、10年以上(作り始めた時点で)が経過することで「壁」とその崩壊が俯瞰的に捉えられるようになったこととは無関係ではないだろう。ともすれば重くなりがちな題材が、喜劇の基本とも言えるシチュエイションと、上手くバランスがとれている。
さらに上手いのは終盤に向けての話運びで、少し想像を裏切る形でありながら、なおかつ了解の存在を示唆するような進み方で、それが余計に切ない印象を残していた。素敵な映画だった。
そうそう、主人公の映画マニアの友達がすげえ好かった。