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ファンシミン 対 エンドスウィープ――阪神ジュベナイルフィリーズ・プレヴュー:ラインクラフト

(12月2日改訂版)
まずは本命、一番人気になるだろうラインクラフト新馬戦はかなり速い時計で勝ち((18)参照)、ファンタジーステークスも完勝だった((21)参照)。展開にも左右されにくい脚質で、今のところは死角らしい死角はないと言ってもいい。阪神は初コース、1600m も初だが、そういう馬も珍しくないし、言ったらキリがないところだろう。
この馬の初勝利の時に、どういうわけかこんなことを書いた。

出世しそうだけどなんせファンシミン系なのでGIまでは届かないか。エンドスウィープの意地が勝れるか。

ファンシミン系は古くはダイナフェアリーローゼンカバリーイブキタモンヤグラ(微妙)、最近ではアドマイヤマックスなどを出していて、かなり質は高いがGI馬が出ない一族。結構既出ではあり、今週の競馬ブックでもきっちりねたに使われていた。競馬ブログ界隈ではここが詳しいかな。
サラブレメモ――ラインクラフトの牝系
一方エンドスウィープは日本での供用わずか2年で早逝したが、御存知の通りサウスヴィグラススイープトウショウを輩出した素晴らしい種牡馬だった。個人的には、サウスヴィグラススイープトウショウも、もちろん強い馬なんだけど、勝ってるレースの数以上に強い印象を抱かせる馬のように思う。そういう意味で華のある種牡馬で、死亡は残念でならない。
余談だが、北米での後継種牡馬 Swept OverboardPrecise End の二頭が日本に輸入されることが決まっている。成功した血統の後追いはセオリーだが、供用年数が少ない種牡馬の場合は根こそぎ→根絶やしにしてしまう可能性があるので、成功しない可能性があったらすぐに外に出せるようにして欲しいかなあ、なんてことは思う。
ともあれ、「GI馬を出せない牝系」という呪縛と、「早死にした種牡馬の子供は走る」という俗説。どちらを信じても信じなくてもいいだろうけど、頭に入れておくとちょっとは面白くなるかも知れない。
まあどうせ人気になるんだろうから、ファンシミン系の勝負弱さを信じるのもいいだろう。もし勝たれてしまったら、「今年はダイワメジャースカーレットインク系の呪縛を抜け出したし、きっとそういう年なんだ」とかわけのわからないことをのたまう方向で。2着に来られた場合はどうしようもないけど。