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2勝馬に挑む4勝馬――阪神ジュベナイルフィリーズ・プレヴュー:カシマフラワー

昨日・一昨日はファンタジーステークスの上位組を紹介したが、今日はメンバー中もっとも勝ち星を多く挙げているこの馬。7戦というキャリアも最多で、このレースに挑む馬の経歴としては異彩を放っている。連闘で函館の未勝利を勝ち上がると、その次の週の函館2歳ステークスに三連闘で挑んで、不利がありながらも3着(函館2歳ステークス結果参照)。続いて500万下を勝ち上がると((10)参照)、オープンのすずらん賞((16)参照)、そこから中9日で交流G3エーデルワイス賞エーデルワイス賞結果参照)と三連勝した。典型的な早熟馬の使われ方だったが、流石に陣営も予想以上の能力を意識したらしく、じっくり間隔をとってこのレースに狙いを定めてきた。
だが、流石にラインクラフトと比すると挑戦者の立場になるのは否めない。函館2歳ステークスやすずらん賞など、レベルが高いと考えられるレースには出走しているが、ファンタジーステークスとの比較となれば見劣りはする。
また、1200m しか経験がないことや(過去10年の連対馬20頭中17頭が 1400m 以上の出走経験あり)、3戦目で勝ち上がった馬であること(同じく20頭中19頭が2頭目までに勝ち上がり)など、データ的には不利な要素を複数持っている。3勝以上している馬は過去10年で7頭出走しているが、連対したのは2頭だけで、実績の割にはいい成績とは言えない。4勝馬となるとそのうちの1頭だけ(キタサンヒボタン)で、4着に終わっている。
父のヘクタープロテクターも、これまで国内でGI馬を出せていない。牝馬に活躍馬を多く出してはいるのだが、半端距離やトライアルには強い一方で、根幹距離や流れの厳しいGIには弱く、底力に欠ける血統だ。母の父フェアジャッジメントは底力のあるリボー系だが、日本では全く成功しなかったと言っていい種牡馬だった。
データや成績は味方になってくれないようだ。頼れるのは自身の力だけ。調整は順調に進んでいる。これだけ使われていながら、デビュー時から10キロ以上も馬体重を増やした充実ぶりは好材料に違いない。7戦4勝の挑戦者が、無敗の本命馬相手に、どこまで食い下がれるだろうか。