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高専ロボットコンテスト2004地区大会(4):東海・北陸地区大会

この地区はやっぱりレベル高いっぽい。
今年はロボコンの雄豊田高専Bチームの「vELo-city」がまさに白眉。ばねの入ったフレームが入れ子のように折りたたまれていて、それを伸ばしながらスロープに到達、ボールを確保。そのボールを確保するユニットは直角方向に巻きたたまれていて、今度はそれをほどいてスポットへ向かう。スポットにボールを運ぶまでわずか6秒。これほど速くボールをスポットに運べるマシンは(まだ未見の地区もあるが)他にあるまい。全国大会の優勝候補と呼んでも、まずは差し支えないだろう。
ただ、実はこのマシンは3回戦を戦い、スポットにボールを置いたのは1回だけだった。内側のロールをほどくために、「固定しているビニール紐をニクロム線で焼き切る」という機構を用いているのだが、この機構の信頼性が非常に低く、1回戦と準決勝ではボールを確保したところで止まってしまい敗れている。全国大会までにこの点さえ改良されていれば、無様な試合はまずしないだろう。
この「vELo-city」が唯一6秒ダンクを決めた2回戦、あわやと思わせる戦いぶりを見せたのが鈴鹿高専Aチームの「Albatross」。アイデアを出した3年生は「今回のルールはスピード勝負だと思った」と鋭いメタゲームの分析をしていて、中々侮れない。メインのマシンは大型の翼を持ったアホウドリ型ロボットで、広げた翼を両方からたたんで自分のボールごとスポットを抱え込んでしまうという大雑把な戦法だがスピードは抜群。もう一台のマシンは小型ながらスロープを登って、スポットをスイープしながらボールを運べる。二段作戦に安定感があり、この2回戦では豊田高専に先にスポットを奪われながらも、小型マシンで相手のボールをめくりあげるようにしてスポットを確保し、大いに会場を沸かせた。操縦者以外がフィールドに入ってしまうというボーンヘッドで勝負が決してしまったが、全国の予選でも屈指の好勝負だった。
優勝した鳥羽商船高専Aチーム「Technical Sabotage」は、なんと4回戦全てにおいて自分のローバーボールを1cmも動かせないままだった。おそらくまともに動いても全国では凡庸なマシンだが、優勝までしてしまうと少々気味が悪い。違う意味で目が離せない。