黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

三日坊主新馬チェック 2004-2005 (38)

今週から始まる中京開催では新馬戦はもう行われない。実は中央開催も新馬戦は今回までなので、この観察も本来は今週入れてもあと3回ということになる(素で今気づきました)。一番おいしいところを放り出すのもなんなので引き続き500万下以上はこの形で観て行くつもりだが、タイトルはどうしたもんだろうか。

オープン

中山03-06-11R(T20) 弥生賞(G2):ディープインパクト(牡・父サンデーサイレンス/母ウインドインハーヘア
後方から三番手。弥生賞らしいスローペースになったが、少頭数でさばきやすい展開ではあった。これで3戦3勝(参照→(27) (32))三四角で外を回って押し切る、気前のいいレースだったし上がりも速く明らかに一番強かったのだけど、新しいものを見せてくれたかと言うとそうでもない。皐月賞は例年弥生賞とはまるで違うレースになり、特にここ2年ほどの芝状態では先行できる馬が断然有利で、この馬のこれまでのレースでは届かない場面も充分想像できる。もちろん前が多少でも競ったりすれば届いて当然でもある。今のところ最有力だが、圧倒的でもない、というところ。
阪神03-05-11R(T16/filly) チューリップ賞(G3):エイシンテンダー(牝・父エイシンサンディ/母エイシンララミー
こちらも3戦3勝なんだけど(参照→(14) (32))、あんまり話題になってなくてちょっと気の毒。土曜日の分でも書いたと思うけど、なかなか好い内容だったと思う。若馬の今後を予測する時に、血統を見てしまうのはどうしても仕方がない。だってやっぱり相当あてになるんだから。だけど、ひとつひとつのレースにおけるパフォーマンスを評価する時には、血統から来る予断は極力排そうとは思っている。うまく行ってるかどうかはまた別問題で、前回の評価は「正直厳しいだろう」でした。まあそんなもんです。「もう少し長い方がよさそう」てのは合ってた。本番でも内枠引いたら面白い。色々な意味でちょっと馬券を買っておきたい馬。

500万下

中山03-05-7R(D18):デイフラッシュ(牡・父 Stormin Fever/母 Roses n Silks)
水の浮くドロドロのひどい馬場。内からすうっと好位につけると、スローペースなのに気合いをつけながら追走する。直線、この馬場で雁行だった所為か先行馬がばてると、外から楽に先頭に立つ。後続に一瞬迫られるが最後はまた突き放した。楽勝。時計は遅いし恵まれた面もあるので、ちょっと上では最初は厳しいかも知れない。センスはありそうだからなんとかしてしまうかも知れないが。血統は殆どわからぬ。Stormin Fever 産駒はこれで登場するのは3頭目。あと、Northern Dancer の4×5・5があるみたいだけど、まあそう言われてもなあ。
中山03-05-9R(T16) 黄梅賞:サトノケンシロウ(牡・父 Singspiel/母 Aim for the Top)
(19) 以来。1枠から、計ったような平均ペースを好位でロスなく追走し、直線でも狭くなりかかるがそのまま内を突いて抜け出す。楽勝だったしセンスはいいが時計は平凡で、ちょっと評価は難しい。でもまあ長い目で見たい。血統については前回ちょろっと書いた以上のことはわからない。これまでは軽い母が Singspiel の重さをある程度消しているようには思える。
中山03-06-7R(T12):マルターズビクター(牡・父 Yankee Victor/母 Fortuesque)
スタートはあまりよくなかったが、後藤浩が「無理して行かせて」外から被せてハナに立つ。これが結果的に大正解。競り合ってかなり速いペースになったのだが、逆に後続も残らず行ったきりのレースになって、早目先頭から押し切ってしまった。父のヤンキーヴィクターってちょっとイカす名前だな。Saint Ballado × Caro だそうな。平坦向きっぽい。母の父もミスプロ系だし、この馬も軽い血が集まっているようだ。非凡なスピードはあるが、それだけでは上では辛いか。
阪神03-05-6R(D18):オースミヘネシー(牡・父ヘネシー/母ショウワグローリー)
スローペースの好位につけるが、口を割ったり終始折り合いが悪め。それでも武弟がためにためると、直線一旦はちぎられたような恰好になりながらもそこから伸び、終いには差し切ってしまった。短距離ばかり使われていたようだが、ヘネシー×ホリスキー×ハビトニーだし今日のレースを観ても中距離の方がよさそうだ。半兄パープルタローは(父フジキセキ、現役3勝)ダートのみで勝っていて、この馬も多分ダート向き。時計はとりたてて凄くはないが、決め手は素晴らしかった。それでも上では厳しいか。
阪神03-05-7R(T20):エイシンニーザン(牡・父フォーティナイナー/母エイシンサンサン
武兄がスタートを決めると、そのままどスローに落とす。道中誰も競りかけず、三角過ぎから引きつけると直線では追い出されて渋太くもうひと伸び。ごっつぁんそのものの展開だった。時計はもちろん平凡で、上がりは合格点。お母さんのエイシンサンサンはタフで強い馬で、結果的に4勝しかしていないが引退時にもなお重賞を勝てそうな能力があった。だが半姉2頭は未勝利に終わっている。詰めが甘いところはありそうで、逃げるのはベストの戦法だろう。ダートでもやれそうだが無理に目指すことはないか。上じゃきついと思うが一応武兄は「これならオープンでも楽しみ」とのこと。
阪神03-06-7R(D12):シルクアルボーレ(牡・父ブライアンズタイム/母シルキーグランス)
好位の外目から、それほど速いペースではないがやや追走には苦労していた。ちぎられずについて行って直線外に出すとじりじり伸びる。最後まで脚は止まらず、一杯一杯に粘り込もうとする先行馬をぎりぎりゴール前差し切った。ダートの短距離に転戦して2連勝だが、ブライアンズタイム× Kingmambo × Nijinsky ならもう少し長い方が向きそう。姉のシルクピュアハート(父マヤノトップガン、現役2勝)は芝の 1200m だけで2勝しているが、上では中距離で見てみたい。適性次第では通用するかも知れない。
阪神03-06-9R(T16) さわらび賞:ピカレスクコート(牡・父ジェイドロバリー/母フジノタカコマチ)
すんなりハナへ。綺麗な平均ペースだったが、途中で外から掛かったレジェンダロッサ((33) 参照)に来られて厄介になる。結局引かず、一度は二頭で後続を引き離す形になったが、それでもペースはさほど速くなかったようで、直線では余裕充分だった。時計は平凡。ジェイドロバリー×コリムスキーだからだいたいダート向きと決めつけてもよさそうなのに、この馬は唯一のダート戦だけ大敗しているから不思議なものだ。どちらの種牡馬も芝の一流馬(コリムスキーなんてダービーサイヤーだもんなあ)を出しては居るのだけど……と思ったらその一流馬(ヤマカツスズラン)の全弟なのか。納得。じゃあ芝のマイル前後向きってことで、と安直に決めつけてみる。蛇足になるが Northern Dancer の4×3を持っていることは調べた以上書いておく。案外上でもやれたりするかも。
中京03-05-10R(T18) あざみ賞:ビッグファントム(牡・父スペシャルウィーク/母キタノオゴジョ
11戦目にして待望の2勝目をあげて初登場。最初こそ先行争いが激しかったが、隊列が決まると即座にスローになる。向正面半ばからロングスパートで逃げ込みを計るニシノカエデマルに喰らいつくと、直線ではマッチレースになって最後の最後に差し切った。時計はスローを考えればこんなものだろう。母はキタノオゴジョだから、この馬はビッグサンデーの半弟(3/4 同血)ということになる。芝の中距離か、あるいはもう少し長い距離に向くだろう。上ではすぐにはきついか。

新馬

中山03-05-6R(D12):ロードフレイム(牡・父エアジハード/母ロングエレナ)
よれ過ぎ。水の浮く馬場で先行有利、横山典が多少強引にハナを奪ってスローに落としそのまま逃げ切る、のはいいんだけど、四角過ぎからゴール直前まで外に逃げっぱなし。それでも勝ててしまったのだからレベルが低い一戦だったのかも知れない。エアジハード×シンボリルドルフ× Northern Dancer だから芝の方がよさそうには思う。距離もマイルから中距離ぐらいまでかな。祖母の半兄にアーテイアス。上ではきびしかろう。
中山03-06-6R(T16):ミスターケビン(牡・父 Storm Cat/母 Eliza)
前半先行争いが激しくなった時はそれを見るように五番手、中盤ペースが急に落ち着いてからは外を通って先団へ進出、直線では早目に先頭に立って押し切る。北村宏の的確なペース判断だった。ただ、時計も上がりも平凡で強調できない。センスはいい。母のイライザはBCジュヴナイルフィリーズサンタアニタオークスなどの勝ち馬。つまりかなり早熟っぽい配合と言える。1800m とか平坦の 2000m とか、もうちょっとだらっとした距離の方が向くかも知れない。Bold Ruler と Crimson Satan をそれぞれ4×4で持っている。後者は日本ではかなり珍しいと思う。上ではきつそう。
阪神03-05-5R(D12):クンダリーニ(牡・父デヒア/母カーロッサ)
チャクラ(父マヤノトップガン、現役3勝=ステイヤーズステークス(G2)、目黒記念(G2))の半弟。馬名がヨガつながりだから馬主も一緒だろうと思って調べたら果たして同じであった。「カーロッサ」も関係あるのかなと思ってぐぐってみたけどこれは違うみたい。ふうむ。レースの方は好位の内を気合いを入れながら追走、四角手前からは外に出して伸びる。最後はぶっちぎってしまった。とはいえ時計は水準よりやや下で、あまり期待はできないかも。デヒア× Caerleon だから 1800m ぐらいまでは大丈夫そうだ。あと、Northern Dancer が4×4・5のインブリード。当たり前のように入ってるな、ノーザンダンサー
阪神03-06-5R(D14/filly):シンシアー(牝・父サンデーサイレンス/母ソウスマッグ)
序盤はかなり競って先行。途中一旦控えて三番手になるが、四角手前から再び前に迫って行く。直線でも脚を伸ばして抜け出した。時計は平凡。半姉のサヨウナラ(父ブライアンズタイム、現役2勝)はダートでしか勝っていないが、サンデーサイレンス× Nureyev だから芝の中距離向きだろう。ということで、芝なら上でも通用するかも知れない。祖母の半弟にダンツシアトルが居る。
阪神03-06-6R(T20):アルキオーネ(牡・父スペシャルウィーク/母ブルーハワイ)
中団のインコースを追走。どスローで、四角手前辺りからどっと先行馬が逃げ馬に襲いかかったがそこをじっと内目で我慢。直線に入って早目にまくった馬たちが殆ど止まる中、間を割って力強く抜け出す。センスはいいが時計はやや平凡。先日ゲートでの事故で死んだゲヴァルト(父サンデーサイレンス、4勝)の半弟(3/4 同血)にあたる。つまり半姉にシネマスコープ(父トニービン、4勝)、半兄にはパルスビート(父トニービン、3勝)などが居るわけだ。芝の中距離かあるいは長距離に向きそう。上でもちょっと期待。