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讃えるべきは山本康志:中山グランドジャンプ(JGI)

どうもあれだ、毎年のこととは言えこの時期忙しいってのはなんとも厳しいな。まあ、QMA2 やってるぐらいだから凄く忙しいってほどでもないんだが、腰を据えてじっくり予想エントリ書くのは難しかった。このレースも予想通り売上が凄い勢いで落ちていて、招待費用とか考えるとレース単独でも赤字じゃねーのぐらいやばいわけで、その割に主催者には全く立て直す努力が感じられないし、早くも曲がり角に来てるのかなという印象はあったりする。できることがあったらやっときたい、と言いつつもおれもできる努力を全部してるとも言いがたい。この週だけは QMA やってる場合じゃなかったのかも知れぬ。
さておき、カラジは素晴らしいレースだった。無駄のないコース取り、有利な位置、確実な飛越、しまい差し返す根性とスタミナ。オーストラリアの馬ではセントスティーブンに次ぐ2頭目の勝ち馬となった。これで来年以降もオーストラリア/ニュージーランドの馬は来やすくなっただろうという意味でも、大きな勝利だった。
そのカラジに差し返された上にチアズシャイニングにも差されたローレルロイスだが、大健闘と言う他ないだろう。前走(3月20日参照)は悪くない内容だったが、なにしろ大障害どころか中山コースが初めて、しかも山本への乗り替わり……と厳しい材料は多かった。しかし昨秋にはかなり高い評価を受けていた馬で、今回も飛越と立ち回りの上手さを存分に活かしたレースだった。「動く馬が居ないから自分から勝ちに行った」という山本の意気も好し。惜しくも金星は逃したが、この馬がここに挑戦したこと、そして積極的なレースをしたことがレースの面白みを大きく増してくれたと思う。今後も、秋も非常に楽しみだ。できれば山本を乗せて欲しい。
チアズシャイニングは最後2着をさらった恰好だが、空馬(フォンテラ)に苦しめられる厳しい展開で、よくここまで差してきたというところか。前走阪神JSでは掛かって?伸びずばてずだったが、西谷から横山義に替わったのも結果的にはよかったか、今回は折り合って終いに脚を伸ばすことができた。オープンでは昨年まで長く苦戦が続いていたが、もう重賞にも手が届くだろう。
メジロアービンは着狙いだが頑張った。きっかけになるか。フサイチジハードも後方から無理しないレースだったがまあまあ。どうもつかみどころがない。スファンクスデュベルレは三四角で内からちょっとおっと思うような追い込みを見せていて、実は結構惜しかった。陣営は「PJSを使っておけば」とコメントしててこれには苦笑。ロードプリヴェイルはまた積極的なレースだったが見せ場無し。やはり距離もコースも厳しいか。挑戦は褒むべきだが、残念ながら厳しそう。ギルデッドエージは前走ちょっと負け過ぎかなあと感じたのだがやはり変わり身がなかった。まだ8歳なのでもう一花は咲かせられると思うが、ひと叩きではきつくなってるのかも知れない。フォンテラは大竹柵で落馬。そこまではいい感じで運べていただけに残念だった。まだ若いので、また機会があれば挑戦して欲しい。トーヨーシーザーは右トモを粉砕骨折、(ほぼ間違いなく)安楽殺となった。タフに長く走ってきた馬だったが……冥福を祈る。
レースは現地に観に行ったが、見応えがあって面白いレースだった。この面白さが売上につながらないのはなんとも歯がゆいところで、折角11レースに置いてもらっているのにこれでは早晩縮小につながっていくことは避けられまい。「障害ではでかい勝負ができない」とギャンブラーが考えるのは仕方がない。それを埋め合わせて余るほどライトファンに馬券を買ってもらう、なんてことは至難に思えるが、それでもきっとそういう方向しかないんだろう。そのためにはプロモーションは不可欠で、でもJRAにはそんな体力はなくなりつつある……とか考えると、未来は決して楽観できたものじゃないんだけど。