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距離はあまり気にしすぎない方がいい:優駿牝馬・予想

優駿牝馬で連対した馬の前走は圧倒的に桜花賞が多い(過去10年の20頭中15頭)。距離が 1.5 倍にも伸びていることを考えると、これはかなり高い占有率だと言える。
いくつか理由は考えられるが、単純に強い馬は律儀にこの道を踏むということと、優駿牝馬は比較的スローになりやすいということが大きな理由であるように思われる。ハイペースになればステイヤーが台頭するレースだが、スローである限りはスタミナがそれほど高く要求されるレースではなく、特に差せる馬であれば桜花賞で活躍するマイラーであっても通用する、というようなことだろう。
今年もハイペースになる可能性は低い。桜花賞で前に行って好走した2頭はNHKマイルカップに回り、逃げにこだわってきた馬も居ない。例年通り、桜花賞の延長というべきレースになるだろう。

エリモファイナル内田博幸
紅梅ステークスをそんなに速くないタイムで勝って以来、可もなく不可もない成績。血統的にはステイヤーで、2400m は歓迎材料だろうが、上に書いた理由によりあまりプラスとも考えない方がいい。ここ2走も大きくは負けていないし、内田博幸を確保したのも好材料。もしペースが速くなりでもすれば(さらに可能性は低いが、重馬場にでもなれば)台頭するだろう。無視できない、程度の評価。
ブリトン田中勝春
この馬はついていなかった。収得賞金が 800 万円ありながらトライアルを使ってしまったのだから。とはいえ例年なら 800 万円はボーダー前後であり、よくて抽選、悪ければ抽選にすらならず、というところだろう。陣営の判断は責められない。ただ、結果的にはトライアルで5着に終わっているわけで、それであればどのみち通用する力もなさそうだ。ハイペースで掲示板辺りが現実的な目標か。
コスモマーベラス柴山雄一
スイートピーステークスの2着馬。流れに乗った好レースだったが、ライラプスを負かせないようではこのレースで光明は見えない。柴山の姿がクラシックで見られるのはちょっと嬉しい。
シーザリオ福永祐一
今年はひと皮剥けた印象のある福永が、確実に一番人気になるだろうここで勝てるかどうか、というのはとりあえずは見もの。もちろんGIを勝つのはそれだけで凄いことだが、本命となればまた違ってくるところだろう。桜花賞の内容は着順と着差の通り、勝ち馬とはまさに紙一重だった。気にしなくていいとは言え距離が伸びても問題ない血統。明らかな本命。
エアメサイア武豊
決め手がある。大敗しない。血統もいい。武豊が乗る。ひとつひとつ切り出せば好い要素ばかりなのだけど、個人的にはぴんと来るところがあんまりない。それはフィリーズレビュー桜花賞でここには居ない全く同じ2頭(つまりラインクラフトデアリングハート)に続けて負けたことが大きいのだろうと思う。白梅賞ではディアデラノビアに子供扱いされ、桜花賞ではシーザリオにも先着を許した。この「他の殆どの馬には先着するのにトップクラスの馬たちにはことごとく先着される」感じがおそらくぴんと来ない理由。さて、ここで逆転するだろうか?
アドマイヤメガミ池添謙一
実績的には格下。ためてためて見た目派手な末脚を使うが、走破時計はだいたい平凡でやっぱり本質的には決め手にやや欠く部分はあるのかも知れない。かといって先行した桜花賞では末を失っているし、さてここでどうか。トライアルを使わなくても出走できたのはついていると言ってもいいのだが。
レースパイロット蛯名正義
桜花賞には間に合わずトライアルのフローラステークス2着を経てここへ。前走はディアデラノビアの規格外の末脚に屈したが、自身も決して悪いレースではない、というかかなり好いレースをした。折り合いに不安はなく決め手もある。兄は東京優駿馬、父はサンデーサイレンス。買い被り過ぎかも知れないが、この人気なら買って損はない、筈。
アスピリンスノー/小野次郎
フローラステークスの3着馬。その前走が明らかにベストパフォーマンスで、キャリアが浅い分上積みもあろうが、レースパイロットを逆転するのは難しいだろうと感じる。折り合いに不安もあるようで、距離が伸びることもプラスとは言えない。
ディアデラノビアケント・デザーモ
フローラステークスの勝ち馬。かたまって入ったのね。素晴らしい末脚で、鮮やかな勝ち方だった。あれがまた見せられれば今回も勝負になるのだろう、と思う。来るか来ないかで言えば来る確率はそれなりに高い馬だろう。ただ、買うか買わないかはオッズとの兼ね合いで、この印は予想されるオッズにしたがって打っている。要するに多分人気になり過ぎるから買いません。フローラステークスの時書いた通り、桜花賞トライアルの連闘はやり過ぎだった、そしてその反動が来るとすればここだと考えている。
ライラプス後藤浩輝
スイートピーステークスの勝ち馬。なるほど悪くないレースだったが、使い詰めの馬を出なくてもいいトライアルに使ってきた辺りはいわゆる名より実という奴なのだろう。使い方としてはありだと思うが、馬券は買いたくない。まるで足りない馬でもないと思うのだが。
エイシン“叔母さんの方”テンダー/武幸四郎
しつこく書いてるけど誰の叔母さんなのか多分読んでる人にはもうわからないな。こうするとキーワードにも引っかからないという罠もあったり。三連勝の内容は素晴らしかったし、完全に裏目を引いた桜花賞もよく追い上げている。人気になりにくいタイプで、ここでも買うに値するだけのオッズはつけてくれると思う。あとは武弟がどこまで力を出せるか。
ピューマカフェ/須貝尚介
収得賞金 400 万円で、抽選に勝って出走。スイートピーステークスで2番手から下がって13着だった馬。タイガーカフェの全妹に当たる。抽選で滑り込んだ馬に気をつけろ、という格言があるが、さすがに足りないだろうと思う。ところでどうして須貝なのだろうか。須貝もそろそろ最後のクラシック、というぐらいの歳ではあるけど……。
ランタナ江田照男
出走馬の中では地味な方だが、500万下を勝っているので当然取り上げたことがある(三日坊主 (45) 参照)。その時は芝向きで底力がありそうと評価したのだが、時間がかかりそうとも書いていて、今見てもまあ変わらない。どうしても大穴を狙わなければならないとしたら、鞍上も込みでこの馬を買うかな、とは思うけど、幸か不幸かそんな状況ではない。
ジョウノビクトリア横山典弘
桜花賞7着馬。陣営はここの方が向くと考えていたらしい。差せるし決め手があるのでそれなりにやれそう。サンデーサイレンス×ノーザンテーストなので距離もプラスにはならないが、まああまり気にしない方がいいということで。鞍上もここは狙っているだろう。
ヤマニンアリエル柴田善臣
勝馬で抽選に勝ったもう一頭。こちらはフローラステークスで差して勝ち馬から 0.7 秒差の7着だった。ピューマカフェよりは上だろう。前走ではビッグフラワーに負けている。つまり力はそんなところだ。
…ビッグフラワー/北村宏司
ビッグサンデー、初年度産駒からクラシック出走馬を輩出。前走の勝利の内容は結構よく(三日坊主 (47) 参照)、上でもそこそこやれそうとも書いたのだが、流石に次走が優駿牝馬とは思わなかった。勢いだけはあるが、何頭交わせるかというところだろう。
ショウナンパントル吉田豊
ここ二走は文字通りの惨敗。前走は発情もあったようで、引き続き状態はいいようなのだが……。阪神JFもまぐれではなく、決して弱い馬ではない。これだけ人気を落としているのならちょろっと買っても面白いんじゃないだろうか。
×ジェダイト藤田伸二
さんざんモビーディックモビーディックと莫迦にしていたら、とうとうクラシックにまで駒を進めてしまった。ここまで来たら買ってもいい気がする。忘れな草賞は展開の割には勝ちっぷりがぎりぎりで、あまりほめられた内容でもないのだが。使い詰めで来ているのでそろそろ余力がない可能性もある。前に行ってちょい差しができるのはいい。いずれにしても目は離せない。

まとめると
シーザリオ
レースパイロット
エイシン“叔母さんの方”テンダー
ジョウノビクトリア
ショウナンパントル
エリモファイナル
×ジェダイト
買い目は馬番連勝で◎からそれ以外の6頭へ。流石にこれなら取りガミはないと思うのだが、もし6倍もつかないようならその目は買わない方がいいだろう。
ものすごく久しぶりに、とらっくばっく競馬に参加しています。しかし当日昼のおれで4人目って……。よろしければどうぞ。→とらっくばっく競馬:優駿牝馬(オークス)(2005/5/22 15:40)