黄昏通信社跡地処分推進室

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『バックマン・ブックス (4) 死のロングウォーク』 リチャード・バックマン(スティーヴン・キング) 扶桑社,1989 ISBN:4594004539

スティーブン・キングが学生の頃書いたという最初期の作品。後年ほとんど手直しもせずに世に送り出したというから、げに恐るべし、この完成度。
異常なシチュエイションの中で展開される少年たちの刹那の群像劇。もの凄くたくさん人が死ぬのだが、どこか一歩向こうへ突き抜けてしまっていて、怖いというよりは緊迫感や焦燥感に満ちている。それでも苦手な人は苦手だろうが、これは「面白い」でいいのだろうと思う。
「『バトル・ロワイヤル』の元ネタ」と言われることが多いが(キーワードにもご丁寧に書いてある)、シチュエイションも違うし方向性はわりと違うように思う。似ているには似ている。