黄昏通信社跡地処分推進室

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SF漫画二題

蒼のサンクトゥス』(2) やまむらはじめ 集英社ウルトラジャンプコミックス,2005 ISBN:4088768027

1巻は3月3日に書いた。この巻では少しは話が進むだろうと思っていたのだが、行ったり来たりというかぐるぐる回っているというかそんな印象で、なかなか物語が転がり始めなくてちょっとがっかり。それでもこの巻の最後はべたながらおおっと思わせる引きで、一応次には期待しておこうかという感じ。
しかし設定のケレンがなんとなく足を引っ張っている感じがする。具体的に言うとレリクト。今回はそちらからも物語を回そうとしていたりするが、どうも本質に関わって来そうにないし、もっとストイックな設定の方が話は動かしやすかったんじゃないだろうか。漫画雑誌だと難しいんだろうが……。

ふたつのスピカ』(8) 柳沼行 メディアファクトリー/フラッパーコミックス,2005 ISBN:4840113076

1巻から7巻までをまとめて3月10日に書いた。
その時も書いた通り、相変わらず大変面白い。主要登場人物を少しずつ深く描きながら、物語も少しずつ動き始めている。その「横」と「縦」の進み方のバランスがとてもいい。いつまでも続きはしない学園生活、降りしきる雪、その向こうにかすかにまたたく星。
ところでこの学校って3年制なんだっけ? 最初の方に「コースによって年数も違う」みたいな言及もあったと思うんだけど具体的な年数が出て来たかどうか忘れてしまった。
あと大ちゃん(g:endaimagic:id:tanakadaishi)がいよいよ宇宙は関係なくなってきてますね。と書いててちょっと笑った。確かにそうかも。入学試験が一番宇宙っぽかったまである。でも、一応ゲロ彗星とかもやってるし、前回書いたことともだぶるけどこの宇宙っぽくなさもこの作品の魅力だと思う。