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『傀儡后』 牧野修 ハヤカワ文庫JA,2005 ISBN:4150307881

だいたいなんでも褒めるおれさまだがこいつはほめられない。これが日本SF大賞受賞作品とは本当に信じられぬ。脇へ脇へ流れて行くストーリー、生かされない序盤の展開、中盤のたるさ、終盤のぐだぐださ、数だけは多いが本編に絡んで来ないガジェットたち。『MOUSE』でいかがわしくも魅力的な世界をまるまるいっこ作り上げた牧野修は何処へ行ってしまったんだ。雑誌連載小説を成功させるのは難しいというのはわかるんだけど、それにしてもこれはあんまりだ。とても人には薦められない。
つうか、他のSF作家は 2002 年に何をしていたのか。