黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

三日坊主新馬チェック 2005-2006 (9)

開催代わりで札幌が開幕。大物がデビューする場所なんて言われてますが、さて。

オープン

新潟08-13-9R(T14) ダリア賞:コスモミール(牝・父ヘクタープロテクター/母トリプルタイム)
(4) (6) に次ぐ3度目の登場。もちろん3戦3勝、無傷の3連勝。
しかしレースの内容は前走をなぞるようで、内で少し行きたがってから好位で折り合い、最後抜け出して勝つ、というのも同じだし、時計は0秒3詰めただけ、上がりも殆ど同じ。進境は見られず、要するにまた相手が弱かっただけと言っていいだろう。先々に期待を抱くにはまだまだ早い。もちろん毎回きっちり勝つのは非凡なことなんだけど。重賞では厳しい、という見解は変わらず。

新馬

札幌08-13-4R(T12):アドマイヤカンナ(牝・父ブライアンズタイム/母アドマイヤラピス
そこそこのスタートで好位につける。平均ペースで、四角手前から上がって行き直線で早々と先頭へ。抜け出すとそのまま伸びてちぎってしまった。6馬身差で楽勝。時計もそこそこ速い。かなり強い勝ち方だったと言える。
ブライアンズタイム× Be My Guest × Ela-Mana-Mouアドマイヤホープ(父フォーティナイナー、中央2勝地方2勝・現役/全日本2歳優駿(G1)他)アドマイヤフジ(父アドマイヤベガ、中央2勝・現役/若葉ステークス)の半妹になる。芝の中距離向きで底力はあるがやや瞬発力を欠く印象。上でも面白い。
札幌08-14-3R(D10):アドマイヤダッシュ(牝・父フサイチコンコルド/母シンコウエンジェル)
押して2番手へ。平均よりやや遅いぐらいのペースで軽快に逃げる逃げ馬に四角手前から並んで行くと、直線では早々と抜け出し、あとはちぎってしまう。後続はどうにもならず9馬身差の圧勝となった。ただ、時計はやや速い程度で大したことはなく、相手に恵まれた面があるのは否めない。
フサイチコンコルド×オジジアン× Reflected Glory 。母が中央2勝、全兄のロードミカエルが中央2勝(現役、荒尾に移籍するらしい)、半兄のワイルドソルジャー(父ブロッコ)は中央4勝地方1勝、名古屋グランプリ(G2)の勝ち馬(現役)、と中々走る血統。配合はやや一本調子で硬いところがありそう。ためてもあんまりどうにもならなさそうなので、スピードでどこまでというレースになるか。一応ダート向きとするが芝も行けそう。時計はかかった方がいい。書かずもがなだが、Northern Dancer の4・4(父方)。上ではきつい。
札幌08-14-4R(T18):ベストストーリー(牝・父フサイチソニック/母ベストダンシング)
どスローだったが中団馬群の中で折り合って追走。勝負どころまでじっとしていて、三角過ぎから内を突いて徐々に上がって行く。直線向いてから逃げ馬の外に出すところでもたつくが、立て直してからはよく伸びて2着馬の追い込みもぎりぎりしのぐ。時計は遅いがどスローで上がりの時計は悪くない。味のあるレース内容だった。
フサイチソニック×トニービン× Nijinsky 。母は阪神牝馬特別2着などのあるそこそこ強い馬だったが、人気であてにならない馬でもあった。半姉にベストアルバム(父メジロライアン、中央5勝・現役)、いとこにトーホウシデン(父ブライアンズタイム、中央4勝、菊花賞2着)。芝の中距離向きでスピードに優れる。Northern Dancer が4×4。上でも中距離ならやれそう。
新潟08-13-5R(T10):アンバージャック(牡・父パラダイスクリーク/母フィールソーナイス)
内へ逃げるようなスタートながらダッシュはよく、斜めに外に持ち出して二番手へ。それほど速くないペースを楽に追走し、半ばから追い出して押し切る。ペースが遅い分時計は平凡。4ハロン目が10秒4と速いが、最後は12秒3とややばてていて、それほど強い内容とは言えないか。
パラダイスクリーク×アーミジャー× True Colors 。なんか底力がなさそうだしたるそうだ。1000m で勝ってしまうのは少し不思議な感じ。母の兄姉には中央で2勝以上した馬が4頭居るのだが、その父がストームオンザルース、ヤエノムテキ、アーミジャー、ティッカネン、と見事な微妙ぶりで、この馬に関してもこの牝系の面目躍如というところかも知れない。芝の 1400m か 1800m あたり、平坦向き。時計かかる方がよさそう。上では辛い。
新潟08-13-6R(D12):グレイスティアラ(牝・父フジキセキ/母ロイヤルティアラ
そこそこのスタートからハナへ行こうかという構え。結局外の馬が来ると雁行の形でしばらく併走。三角過ぎで外から二頭で上がって行くと、直線では早目に先頭に立ってそのまま押し切る。悪くない内容だが時計は平凡。
フジキセキ×ノーザンテースト×ロイヤルスキー。母は中央5勝、きょうだいも半兄シアトルユー(父ブライアンズタイム、中央6勝・現役)を筆頭に勝ち馬多数。いかにも芝のマイル以下向きで軽くてそこそこ決め手がありそう。ダートも勿論よさそうだが、上では一度芝で見てみたい。とはいえ厳しいか。
新潟08-14-5R(T16):ヤマタケゴールデン(牡・父キングヘイロー/母シゲノマインド)
ダッシュよく2番手へ。スローペースだが逃げ馬にぴったり被せて折り合ったまま追走、直線に向いてから追い出されるとよく伸びて楽勝。時計は平凡だが、センスのいい勝ち方。
キングヘイロー× Miswaki × Stiff Sentence 。キングヘイローはそこそこ初年度産駒が走っていて、わりと中長距離で力を発揮する馬も出ている。この馬もその流れに続けるかというところ。ミスワキミスプロ系だが気合の入った産駒も多く、可能性は充分あると見る。芝の中距離向きで決め手もそれなり。上でもそこそこやれそう。
小倉08-13-5R(T10/filly):トーホウアモーレ(牝・父アグネスタキオン/母ステージバンダム)
スタートはそこそこだが内からするっとハナへ。3着馬に外から絡まれるがマイペースで、上がりも速い時計でまとめて逃げ切り、レコード勝ち。スピード任せに逃げただけではあるが悪くない内容。
アグネスタキオン×マルゼンスキー×ロングリート。あからさまにロングリートだけ微妙だ。母はマイル以下で中央3勝、叔母にシーズプリンセス(中央2勝、ファンタジーステークス(G3))が居る。芝の中距離向きで底力がある、と言いたいところだが、このスピードがある分中距離に向く走りは難しいかも知れない。抑えが利けば上でもやれそう。
小倉08-14-5R(T12):サンアントニオ(牡・父サニーブライアン/母マイテイローマン)
いいスタートから押してハナへ。2着馬がついて来た以外は離れて縦長の展開になる。速いペースだが2着馬が付きばてして最後は突き放す形。時計は平凡だが楽勝だった。頭数も少なかったしやや相手に恵まれたところはあるかも。
サニーブライアン×ブレイヴェストローマン× Misty Day 。サニーブライアンは素晴らしく強い馬だったが、産駒は中距離向きのハンディキャップホースに留まっている馬が多い。マヤノトップガンにも似たような傾向が見られて、ここら辺繁殖牝馬に恵まれないからかブライアンズタイムの限界なのか難しいところだ。芝の平坦中距離向きで、決め手がそこそこありそう。Nasrullah が4×4。上では厳しい。

九州産未勝利

小倉08-14-1R(T12):カシノハーバー(牡・父ボストンハーバー/母カシノリファール
内からじわりと最内を通ってハナへ。外から5着馬にぴったり来られたが競ってしまうこともなく、速めのペースで逃げる形。直線も内を回ると外の馬は伸びず、そのままあっさり逃げ切った。内容は悪くないが、時計はいかにも平凡。
ボストンハーバー× Septiem Ciel × Lyphard 。近交番長で、Seattle Slew が3×3、Bold Reasoning が4×4・4、Northern Dancer が4×4。単調そう、というのが第一印象。母は九州産ながらダリア賞を勝っているスピード馬で、ただ一本調子なのは否めなかった。この馬もそれを受け継いでいると考えてよさそう。平坦芝の短距離向き。
これで九州産未勝利は最後。27日に総決算のひまわり賞が行われて、今年の九州産シリーズは終了となる。