黄昏通信社跡地処分推進室

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三日坊主新馬チェック 2005-2006 (16)

北海道シリーズが終了。中央場所も阪神・中山共に今週まで。

オープン

札幌10-01-11R(T18) 札幌2歳ステークス(G3):アドマイヤムーン(牡・父エンドスウィープ/母マイケイティーズ
(4) (11) に続いて3戦3勝。
スタートはよく、一度軽く躓きながらも5番手へ。2歳戦のこの距離には珍しく平均ペースになる。三角過ぎに外からマツリダゴッホが上がって来て、仕方なくそれに合わせて出る形。だが手応えには余裕があって、直線を向いてから先頭に立つとそのまま後続を寄せ付けなかった。時計もまあまあ速く、かなり強い内容と言えるだろう。今回は流れも厳しく、当初はマイル向きと評価したが中距離までは充分対応できそうだ。現時点では2歳チャンピオンの大本命。当たり前だけど。
2着にはディープエアー(13) 参照)が入った。内で巧く立ち回った分という感じで、センスはいいが内容はやや乏しい。いや、前回札幌2歳ステークスではちょっと厳しいだろう。って書いたからじゃないですよ決して。ただそれにしても思っていたより強いことは確かなので、評価は上方修正したい。
3着のモエレジーニアス(6) (8) 参照)は函館2歳ステークスを勝って以来のぶっつけで馬体重 10kg 減、という厳しいコンディションの上に早目に動く極めてきついレースながらよく粘っていて、素晴らしいパフォーマンスだった。前回大幅な成長が望める血統とも思えず、ここら辺までとは思う。とか書いちゃってすまんかった。反動は避けがたいだろうから、可能であればゆっくり休んで欲しいと思う。
札幌10-02-10R(T12) すずらん賞:フェイクフェイス(牡・父スターオブコジーン/母マヤノクリオネ
(13) に続いての登場。
好発を決めて、好位の最内を追走。ペースはそこそこ速くなり、無理せず5番手程度の位置を守る形。四角手前では「なるべく馬場のいいところを走らせようと」(宮崎光騎手・談)早目に外へ持ち出す。内から4頭目を通って直線に向くと、やはり早目に先頭に立ってそのまま押し切ってしまった。時計と上がりは平凡で、強調はできない。
失礼ながら、正直この勝利には心底驚いた。前走では流石に低レベルと言わざるを得ない一戦。と書いたほどで、オープンで通用するとはとても思えなかった。
中山10-01-9R(T16) 芙蓉ステークス:トーヨーエーピー(牡・父 Old Trieste/母 Putthepowdertoit)
(12) 以来だが、血統はお手上げなので評価はしていない。悪しからず。ついでに言うと上では厳しい。と書いてあって、百害あって一利無し。
ともあれ、スタートがあまりよくなくて無理せず中団から、田中勝によると「ずっと内にもたれていた」そうで、序盤は頭を上げたりあまりスムーズでない追走。それでもペースがスローだったため三四角でさほど無理せず前に取りつけて、直線では大外に出して内に刺さりながらも最後まで伸びてぎりぎり差し切り勝ち。スローとはいえ同日の未勝利に2秒劣る時計は流石にほめられず、凡戦の印象は否めない。恵まれての勝利ではあるだろう。田中勝いわく「東京の方がいいかも知れない」とのことなので、そこでどこまでやれるかというところか。
阪神10-01-9R(T14) ききょうステークスアルーリングボイス(牝・父フレンチデピュティ/母アルーリングアクト
これも (12) 以来。未勝利、小倉2歳ステークスに続いて3連勝となった。
互角のスタートからちょっと気合いをつけて3番手、平均ペースを外目で楽に追走すると、四角から外を回ってじわりと上がり、直線も外に出して半ばでは先頭に立つ。そのまま最後まで伸びて着差以上の楽勝。相手は多少弱くなったとはいえただ1頭の 56kg ながら完勝で、距離が伸びてむしろよかったのかも知れない。どこまで伸びしろがあるかわからないが、前回ちょっと書いた通り3歳までは一線級に居るんじゃないだろうか。

新馬

中山10-01-5R(D12):フィールドオアシス(牡・父タヤスツヨシ/母フィールディ)
スタートはそこそこだがダッシュがつかず中団から。前はそれなりに速いペースになり馬群が縦長になる。四角手前から徐々に追い上げると、直線では先行馬が総崩れになり、最後まで止まらなかったこの馬が差し切る。時計は平凡だが、競走意欲は高そう。
タヤスツヨシ× Northfields × Tapioca 。母の母方に異系が濃く、つかみづらい血統だが、母は G3 を勝ちまくった馬らしく、祖母も G3 を2勝しているかなりの牝系。半兄フィールドチャンプ(父 Halo、中央4勝)を筆頭に産駒もそこそこ走っている。この馬はなにせタヤスツヨシなのでダートに向くだろうが、Northfields が入るのである程度の軽さは保証されるだろう。軽いダートのマイル前後で。上ではすぐには通用しないだろうが、いずれそこそこは。
中山10-02-5R(T16):セトウチアポロン(牡・父フジキセキ/母シャープウィッテッド)
好スタートから内の馬と雁行する形でハナへ。内外少し離れていたし、上手くスローに落として逃げる。四角手前からペースを上げて、最後3ハロンは殆ど同じラップを並べて逃げ切った。好騎乗の印象だが、時計も中々速い。強い勝ち方と言えるだろう。
フジキセキ× Sadler's Wells × Kris 。バランスは悪くないしある種の一貫性がある。芝のマイルはぴったりで、素軽さを活かすタイプだろう。母の父および母の母(Oh So Sharp)から底力をどれぐらい受けられるかだが、基本的にはオープンの前に壁に当たるイメージ。500 万下ならなんとかしそう。どこまで行けるか。
阪神10-01-5R(T12):ゲットアウト(牡・父フレンチデピュティ/母ラバーズミス)
凄くいいスタートを決めて、すぐにスローに落として単騎の楽な逃げ。完全に自分のペースに持ち込むと、後半はためていた脚を使って突き放す。楽勝だった。スローなので時計は参考にならないが、上がりもそれほど速くないので恵まれた面が大きそう。
フレンチデピュティ× Seattle Slew × Temperence Hill 。牝系は詳細不明。母は輸入競走馬として中央1勝、全兄のクリスクリングルも中央1勝(ダートの 1400m )。この馬は芝で勝ち上がっていて、血統としてはむしろ芝向きと思う。距離はマイルぐらいがよくて、平坦がよさそう。上では厳しい。
阪神10-02-5R(T16):ウイドーハンター(牡・父グラスワンダー/母ペンタルビー)
この若さにして「未亡人狩り」ってすっげえ名前だな。種牡馬になれるといいね。
スタートよく外から3番手へ。ペースが遅く、三角過ぎから我慢できない感じで外から逃げ馬に並びかけていく。直線で一旦先頭になるが、ぴったり外から2着馬に来られて激しい追い比べになる。途中接触したりもしながらひるまず、わずかにしのいで1着。時計も上がりも平凡だが根性は見せた。
グラスワンダー×サンデーサイレンス×スイフトスワロースイフトスワローがちょっと弱いが、祖母のホーセンルビー(中央5勝)自身はスピードにあふれた強い馬だった。母の半弟にヨシサイバーダイン(中央2勝・現役/2着:新潟2歳ステークス(G3))が居る。芝の中長距離向き、底力もある。先々楽しみ。