黄昏通信社跡地処分推進室

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三日坊主新馬チェック 2005-2006 (22)

14鞍……。

オープン

東京11-12-11R(T14) 京王杯2歳ステークス(G2):デンシャミチ(牡・父サクラバクシンオー/母バーンダンス)
未勝利勝ち。初登場が重賞勝ちとなったが、まあ京王杯だからなあ、というところはあり。これまで2,1,3,2,1着と一度も馬券から外れていない堅実な馬。
好スタートだったが行かせず5番手の外をじっくり追走。明らかなスローペースだったが、直線まで向いてからやっと外に出す。そこからは長く脚を使って抜け出すが、外から2、3着馬に一気に来られて一杯一杯になんとかしのぐ。着差はハナ、ハナだった。
サクラバクシンオー×マルゼンスキー×リアルシャダイ。実に良質な血が集まっている、魅力的な配合。スピードと底力が担保されていて、なおかつある程度のスタミナも望める。牝系は4代母がホースメンテスコで、少し遠いが今年の2歳世代ではコスモミールと同じ。あまり活力のない牝系で、4親等以内に活躍馬は出ていない。テスコボーイが3×5、Northern Dancer が4×4。芝向きのマイラーとして活躍を期待したい。
2着はイースター(18) 参照)。出遅れたのが最後まで響いたが、よく伸びて2着を確保していて、2戦目としては申し分ない内容。
3着のコイウタはカンナステークスの勝ち馬で、その週は三日坊主はお休みで何も書いてない。今回も中団から渋太く伸びていて中々好かったのだが、ほんの少しじっくり構え過ぎたか。

500万下

東京11-12-6R(D13):タガノエクリプス(牡・父フジキセキ/母サマープロテクター)
未勝利勝ちで初登場。
好スタートから3番手のインへ。ハイペースだったが楽な手応えで追走する。直線では逃げ馬に一旦突き放されたところで前が空き、そこを割って抜け出すとよく伸びて差し切る。センスのいい内容だったし時計も中々速い。歴史の浅いコースではあるためレコードの価値は大してないが、それにしても悪い時計ではない。
フジキセキ×ヘクタープロテクター×ノーザンテースト。わかりやすく軽い、そして底力がない。四代母がファンシミンというのもその印象に拍車をかける。まあ今年GI馬2頭も出してる牝系なんで、こんなこと言ったら怒られるかも知れないが……。母の半兄にはブロードマインド(父ノーリュート、中央平地4勝障害9勝/中山大障害2回他)が居る。平坦芝や足抜きのいいダートの短距離向き。オープンでは苦しいだろう。
東京11-13-9R(T16/filly) 赤松賞:アイスドール(牝・父キャプテンスティーヴ/母ビスクドール
初登場。未勝利に続いて連勝で、これで3戦2勝となった。
控えて中団の内を追走。ペースは遅く、そのままインコースを走り続ける。直線へ向いてから外へ出すと凄い伸びで、あっという間に先行馬を交わし切って圧勝。時計もまあまあだがなにより上がりがとても速い。
キャプテンスティーヴ×サンデーサイレンス× Nureyev 。Northern Dancer が4×4。母の全姉にトゥザヴィクトリー(中央6勝/エリザベス女王杯(G1)他)、母の全弟にサイレントディール(中央5勝・現役)が居る。その素晴らしい牝系にキャプテンスティーヴを配してきた。キャプテンスティーヴドバイワールドカップトゥザヴィクトリー(2着)を負かした馬、っていう微妙な因縁もあるみたい。母の全きょうだいたちはサンデーサイレンス産駒としてはスピード寄りで、キャプテンスティーヴも中距離でスピードを活かすタイプだった。この馬もそういうイメージでとらえるのがいいだろうか。芝のマイルから 2000m ぐらいで、スピードと決め手が武器になりそう。非常に楽しみ。
京都11-12-5R(T12):フィールドカイザー(牡・父クロコルージュ/母シンモーション)
激しく出遅れる。序盤は少し離れた最後方を追走するが、三角過ぎから無理矢理差を詰める。ペースは速く、直線では先行馬が横に広がる中、間を割って抜けてくる。最後は二分の一馬身抜け出した。時計はそこそこ速く、レースとしてはひどいが結果的には中々強い内容だった。
クロコルージュ×ロドリゴデトリアーノ× Seattle Slew 。瞬発力が乏しい印象の配合。芝向きなのは多分確かながら、距離に関しては正直つかみづらいのは否めない。母の半弟にヒダカサイレンス(父サンデーサイレンス、中央2勝)、サスガ(父サンデーサイレンス、中央3勝)などそこそこ走る馬は出ている。芝のマイル以下向きとする。
京都11-13-9R(T18) 黄菊賞グロリアスウィーク(牡・父スペシャルウィーク/母グロリオーサ)
7月末の (7) 以来。そこから休養して、休み明けの萩ステークスを7着してここに臨んでいた。前回も書いた通り中長距離で本領を発揮するだろうだけに、夏場を休んだのは正解だろう。
スタートはそこそこだったが、他に行く馬が全く居らず向こう正面半ばで押し出されてハナへ。しかしなんとか折り合ってどスローに落とすことができて、綺麗に3ハロンのレースに持ち込む。周りも楽をしているペースだっただけにスパートしてからもすぐにちぎれはしなかったが、危なげなく少しずつ差を広げて楽勝。ここは叩いて変わったと見るべきか。上がりは速いがこのペースならまあ当然で、2歳オープンではまだ厳しい。それでも先々は楽しませてもらえそう。

新馬

東京11-12-4R(D16):モンサラーシュ(牡・父チーフベアハート/母アンテリージェ)
スタート悪くしんがりから。ペースが速く、動かずにためてためて四角手前から追い上げる。直線は内から外へ持ち出しながら伸び、最後は前が止まったこともあって凄い脚で差し切る。豪快だが不器用な勝ち方で、時計も平凡。
チーフベアハート×カコイーシーズ× Vaguely Noble 。大作りで重苦しい血統だ。長く脚を使えるが、器用さがなく決め手がなく、日本の競馬では基本的に苦労しそう。今回の競馬にこの馬の資質は端的に現れていると言っていい。もっと長い距離でロングスパートに持ち込めれば芝でもやれそうに思うが、残念ながらそういうレースはそれほど多くない。牝系は母の半弟にドゥーチェ(父クリミナルタイプ、中央3勝)が居る程度で、あまり走る馬が出ていない。上では苦しい。応援したいタイプだが。
東京11-12-5R(T18):ルビーレジェンド(牝・父アグネスタキオン/母ルビア)
東京競馬場で観戦。つってもモニタでだけど。好スタートから3番手の内につけてうまく折り合う。どスローで完全な3ハロンのレースになったが、直線半ばからの伸びが素晴らしく大楽勝。時計は平凡だがセンスが良くて上がりも速い。強いレースだった。
アグネスタキオン× Rubiano × Dixieland Band 。ルビアノといいディクシーランドバンドといい中々つかみ辛い種牡馬ではあって、正直決め切れない。芝の中距離向き、あるいはダートも上手いかも知れない。上でもそこそこやれそう。
東京11-13-5R(T16):マッチレスバロー(牡・父フレンチデピュティ/母マッチザピース)
スタート悪く中団から。ペースはかなり遅かったが慌てるところなく、しっかり折り合って直線に向く。直線では外に出すと素晴らしい伸びを見せ、内にささりながらも全馬差し切ってしまう。時計は水準程度だが上がりは速く圧勝だった。
フレンチデピュティ×ジェイドロバリー×リアルシャダイ。仕上がりが早くスピード豊か、決め手もそこそこありそうで、スタミナと底力には難があるか。母マッチザピースは中央2勝地方2勝。半姉にパーフェクトマッチ(父サンデーサイレンス、中央2勝・現役)、母の半弟にはトウカイポイント(父トウカイテイオー、中央6勝/マイルチャンピオンシップ(GI))が居る、なかなか錚々たる牝系。芝のマイル前後向きだが、ダートも上手そう。乗っていた後藤によると気性がぎりぎりらしく、悪く転べば「短距離馬になってしまいそう」らしい。ともあれ上でもやれそうだ。
東京11-13-6R(D13):ロードクライマー(牡・父スキャン/母ニアネスオブユー)
おー、今年スキャンは初めてだなー。昨年は新馬戦の勝ち馬を2頭出している。
スタートは速くなく中団から。速いペースの中、道中少し押し上げて好位の内へ。直線では外に出すとじりじり伸び、2着馬との叩き合いに持ち込んで競り落とす。時計もそこそこで、なかなかいい内容だった。
スキャン×ハギノカムイオー×ヴィミー。短距離向きと見せかけて中距離で走ったりするのがスキャンなので、この馬も中距離に対応できる可能性は充分ある。そしてダート向きと見せかけて芝で走ったりもするのがスキャン。芝に対応できる可能性もあると思う。つまりまあ、よくわからない、ともいう。母の半兄にヤシマソブリン(父ミルジョージ、中央6勝/ラジオたんぱ賞(G3))、母の全兄にタマモベイジュ(中央4勝)が居る。一応ダートの短距離向きとする。上ではきついか。
京都11-12-4R(D12/filly):ヤマニンエマイユ(牝・父ホワイトマズル/母ヤマニンザナドゥ
比較的スタートよく好位につける。序盤ごちゃつくがひるむところなく2番手の外を追走。速いペースだったがばてずに直線半ばで先頭に立ち、2着馬に詰められるが最後は脚色が全く同じになる。時計は平凡だがセンスはいい勝ち方。
ホワイトマズル×トニービン× Danzig 。いかにも重い配合で、この時点で勝ち上がっているのは意外だが、向いていて欲しい条件とかけ離れすぎていて素直に喜べない感はある。もちろん向いて欲しいのは芝の中長距離。母のヤマニンザナドゥも中央3勝ながら優駿牝馬まで駒を進めた素質馬で、距離はホワイトマズルなんであてにならないとしても芝適性はありそうなのだが……。このレースを使われた事自体にひっかかってしまう。願望も込めて芝の中長距離向きとする。上では芝で期待したい。
京都11-12-6R(T18):フサイチパンドラ(牝・父サンデーサイレンス/母ロッタレース)
出負け気味。しかし向正面で気合いをつけて上がって行くと、三角の手前では好位につけ、そのまま外を回って四角では2番手、直線入口では早くも先頭に立つ。この馬はほぼ平均ペースだったが他馬は直線のスパートについて来られず、全くの楽勝。時計も速く内容としては器用さこそないもののかなり強い。
サンデーサイレンス× Nureyev × Buckpasser 。母の母が Sex Appeal なので母の半兄にトライマイベスト(父 Northern dancer)、El Gran Senor(父 Northern dancer)が居る、所謂セニョール・ファミリー(※あんまり言いません)。この牝系の馬は結構入って来ているのだけど、日本ではそれほど活躍馬が出ておらず、あまり相性がよくないのかもしれない。とはいえこの馬の配合は抜群にいい。スピードと決め手と底力がある。この馬の全兄サムソンハッピーは現時点では3勝全てをダートであげているように、ダートに向いても不思議はないが、とりあえずは芝の中距離で。上でも当然通用する。期待したい1頭。
京都11-13-4R(D14):セイウンワキタツ(牡・父 Forest Camp/母 Loveswept)
そこそこのスタートだったがじわりと内から一旦3番手へ。ところが外から来られるとややひるみ、気合いをつけるが6番手まで下がってしまう。なんとかその位置で四角を回ると直線は内目へ。ちょうど通りたい位置がぽっかりと空き、そこをするっと抜け出す。最後1ハロンの脚だけ他馬より1秒以上速かった印象。時計は水準に達しており、悪くない内容。
Forest Camp × Clever Trick × Tobin Bronze 。父はセイウンハンクス(一応 (5) 参照)と同じ。Deputy Minister 直仔で、今回ちょろっと調べた限りではデルマーフューチュリティ(G2/7F)でキャプテンスティーヴなんかを負かしたのが唯一のパターンレース勝ち、らしい。ふうむ。てことはこの馬は早熟、ダート向き、スピード血統……って感じでいいかな。牝系は、すんません、全然わからんです。上では辛いか。先々も多くは望めそうにない。
京都11-13-5R(T14):プレザントウインド(牡・父クロフネ/母レディウィンダーメア)
好スタートから3番手の外目を追走。ペースは遅く、四角手前から前を交わしにかかる。直線入口では先頭に立つとそこからは他馬を寄せ付けず、そのまま後続がちぎれちぎれになる圧勝。時計も速く、かなり強い内容だったと言ってよさそう。
クロフネ× Pleasant Colony × Kings Lake 。うーん、ランサム好きとしては Windermere は「ウィンダーミア」にして欲しかったなあ、などと変な絡み方から入りつつ、牝系は祖母の半姉にツリーオブノレッジ(父 Sassafras、シアトリカル・タイキブリザード兄弟の母)が居る。結構底力のありそうな血統にクロフネを持ってきた、面白い配合。距離に融通も利きそうだ。芝のマイルから中距離向き。上でもやれる。
福島11-13-2R(T12/filly):フサイチプルミエ(牝・父フサイチソニック/母パーソナルファイル)
そこそこのスタートから、2番手を楽に追走。馬場を考えればそこそこペースは速かったが、直線入口では外へ持ち出しながら早くも先頭に立つ勢い。直線に向いてもしっかり伸びそのまま押し切った。悪くないレース運びだが、時計は全く平凡。
フサイチソニック× Private Account × Cool Moon 。なんというか、これはかなり難しい。中距離向きのスピードがありそうだなあ、というイメージは湧くのだが……。瞬発力が要求されるより、多少時計のかかる馬場の方がいい。芝向きではあろうが、ダートをこなしてもおかしくはない。頑張って欲しいけど、ちょっとつらいかな。