黄昏通信社跡地処分推進室

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三日坊主新馬チェック 2005-2006 (24)

今週まで2場開催。東京と京都の開催はこれでおしまい。

オープン

京都11-26-8R(T20) 京都2歳ステークス:マルカシェンク(牡・父サンデーサイレンス/母シェンク)
(13) (18) に続いて3戦3勝。
セレーノカントのスローの大逃げに対して人気2頭が最後方で構える形。四角手前でその2頭が追い上げにかかるが、この馬はそのまま外を回り、2着馬(ドリームパスポート)は捌いて内目を回る。結局外のこの馬の伸びがまさった。時計は平凡だが強い内容。
しかし残念ながら翌日剥離骨折が判明、しばらく戦列を離れることになった。強引なレースばかりで楽勝を続けてきただけに、強い相手が揃った時にどんなレースをしてどれだけ通用するのかは見ておきたかったが、少し先の話になりそうだ。同世代でもまだ抜けて強いというほどでもないだろうし、それでもそこそこの相手に勝ってしまっても不思議はないし。

500万下

東京11-26-9R(T16) ベゴニア賞:ブラックバースピン(牡・父 Put It Back/母 Pleasant Dixie)
初登場。未勝利に次いで連勝で3戦2勝。初戦はアポロノサトリに負けている。
スタートよく4番手へ。スムーズに折り合う。道中はスローで出入りも少なく、直線を向いてヨーイドンの展開。真中から早目に抜け出すと、内を突いてするすると伸びてくる2着馬をぎりぎり抑え切る。時計は水準程度だが悪くない内容。
Put It Back × Dixieland Band × Pleasant Colony 。駄目だ全然わからん。父はリヴァリッジステークス(G2)の勝ち馬で今の2歳が初年度産駒。父系は父父が Honour and Glory、3代父が Relaunch 、牝系は半兄に Southern Image (父 Halo's Image、サンタアニタH他)が居るらしい。米血にしてはかなりイカす配合っぽいんだけどな。字面では底力充分なんで、上でもやれるバックボーンはありそう。ダートも上手いかも知れん。
東京11-27-5R(D16):ピサノバンキッシュ(牡・父ブライアンズタイム/母ジャウンティング)
初登場。同じく未勝利に次いで連勝で3戦2勝。初戦は芝だったので、ダートではまだ負けていない。
横一線のスタートから下げる。何故か行きたい馬が多く、隊列が定まるまではかなり速いペースに。しんがりから4番目をぽつんと追走し、直線では外に持ち出す。そこで接触して外に軽く飛ばされるが、ひるむところなく伸びてきて、ペースの割に渋太い先行馬たちを交わし去る。時計は水準程度。
ブライアンズタイム× Seattle Slew × DanzigHail to reason が3×5。兄弟や近い近親には中央1勝馬がちらほら程度。芝の中距離に向きそうで、今回乗ったデザーモも「フットワークは軽いので芝向き」と言っていたようだ。実際使って凡走しているのでしばらく使うこともなさそうだが。ダートにしても当然中距離向きで、力任せに押し切ったりまくったりという競馬が合いそう。2歳でダートのオープンまで来ると中々使うレースがないが、そこそこにはやれるかも知れない。
京都11-27-9R(T16) あけび賞:ファイングレイン(牡・父フジキセキ/母ミルグレイン)
(14) 以来2戦2勝。書いてない週だったので追記しておいた。
互角のスタート。最内枠でも中舘はハナには行きたくなかったらしく、じっくり抑えるが誰も行かず結局押し出されて先頭に。うまく折り合ってスローに落とし、実質ほぼ2ハロンのレースに持ち込む。直線を向いてからは危なげなく突き放した。時計は平凡。
展開に恵まれたのは否めないところで、久々でこれだけ走れたこと自体は決して悪くないものの、将来を占うには材料の乏しいレースだった。先行できてしっかり折り合いがつくのはフジキセキ産駒らしいところで、そのセンスの好さでどこまで行けるかというところ。オープンでは苦しいと見る。

新馬

東京11-26-4R(D16):ロックアウト(牡・父クロフネ/母クローズ)
未見。
クロフネ」と「クローズ」でロックアウトとはちょっと面白いネーミング、と思ったのだけど母の母が Far なのだから母はクロースじゃないかとも思わなくはなし。まあ面白いからいいかな。ちなみに伯母には Near という馬も居るそうな。安直というか何というか……。
クロフネ× Danzig × Forli 。かかってる種牡馬の名前まで短いのが面白い。Northern Dancer が5×3になる。半兄ワキノエクセル(父エルコンドルパサー)は現役中央1勝。ダートで勝っているが、芝のマイル以下に向くように思う。フォルリが上手くスタミナを供給する方向に機能すると面白いんじゃないだろうか。
東京11-26-5R(T18):エフセイコー(牡・父サンデーサイレンス/母スコールイ)
未見。
サンデーサイレンス× Seeking the Gold × Pass Catcher 。半姉にクイックセイコー(父エルコンドルパサー2004-(51) 参照)、全兄にセイコーアカデミー(中央4勝、現役)が居る。パスキャッチャーは Turn-to 系でベルモントステークスの勝ち馬ってことしかわからない。
東京11-27-4R(T14):ダノンブリエ(牡・父 Mister Baileys/母 Silver Purse)
未見。
Mister Baileys × Interrex × Brigadier Gerard 。父は Roberto 系で 2000 ギニーの勝ち馬、母父は Vice Regent 直仔の無名種牡馬(推定)、母母父は Fairway 系のすげえ強かった馬。欧州の血が強いが距離適性は短め、という下手するとどうにもならなさそうな配合だが、まずは1勝したのは大したものと言えるか。申し訳ないが牝系もさっぱりわからず、ろくなことが書けない。
京都11-26-5R(D14):フローレンスガール(牝・父 El Corredor/母 Launch Site)、ブイトール(牡・父 Langfuhr/母 Casino Babe)
未見。
1着同着。このシリーズ始めてからは初めてだ。書くことが1レース分増える計算になって単純に大変なんですけどどうしてくれましょうか。
フローレンスガールは、El Corredor × Relaunch × Copelan 。エルコレドールは今年の新種牡馬だが、早くも米国ではGI馬を出しているらしい。Mr. Greeley ← Gone West を通したミスプロ系。リローンチは日本でもおなじみ。コウプランは Tom Fool 系。ダートの短距離向きで 1400m はいかにも合っていそう。
ブイトールは Langfuhr × Golden Act × Raise a Native 。ラングフールは Danzig の直仔なのだがゴールデンアクトはわからん。短距離には向きそう。
京都11-26-6R(T12):タッチザピーク(牝・父スペシャルウィーク/母タッチフォーゴールド)
未見。
スペシャルウィーク× Mr. Prospector × Deputy Minister 。祖母の半兄に With Approval(父 Caro、種牡馬)、祖母の半弟に Touch Gold(父 Deputy Ministerベルモントステークス)がいる凄い牝系。
京都11-27-5R(T18):チェリーストーム(牡・父ピルサドスキー/母ケイワンビーナス)
未見。
今世代ピルサドスキーの仔が登場するのは初めて。昨年も一度も登場していない。強い馬だったが、今のところ産駒があまり走っていないのは否めないところ。
ピルサドスキー×アイシーグルーム× Northern Dancer 。この馬の祖母サマーサウンズをたぶん東北牧場(「ケイワン」の冠号で知られる)が輸入しているのだが、そこから広がっている一族は正直ほとんど走っていないと言ってよく、ここへ来て(おそらく東北牧場を出てから)新馬勝ちが出るというのも皮肉な話ではある。父と母父は底力はあるが打率が低い種牡馬同士、それを底で支えるノーザンダンサー……この血統で芝の 1800m の新馬を勝ってしまうのはかなり面白い。上でも通用する力はあっていい。期待したい。