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需要があるのかどうかわからないけど:イルミネーションジャンプステークス予想

今年もやってきたイルミネーションジャンプステークス。実績馬に有利な斤量設定と、本番と同じ競馬場を使えるということとで、中山大障害のステップレースとしての地位を年々向上させているこのレース。普段障害レースを見ない人でもここを見ておくだけで本番の面白さも段違い。どうせ見るなら馬券も買おう。
ということで、早速1頭ずつ見ていきたい。出馬表は主催者発表のものを参照してください。

1 メジロオーモンド 牡7 60 林
一流の能力がありながら、足元が弱く途切れ途切れのキャリアを紡いでいる悲運のヴェテラン。なにしろたった5走前が2年4ヶ月も前になってしまうのだ。そこからぶっつけでの中山グランドジャンプ3着、昨年の大障害2着などの実績を積み上げてきた、計り知れない潜在能力の持ち主。今回も大障害以来の11ヶ月ぶりで、陣営のトーンは上がらない。でもそんな時でもなんとか結果を残してきたのがこの馬だ。中山はなんと [2.3.1.0] と一度の着外もない、得意中の得意のコース。見限れない古豪。
2 テレジェニック せん5 60 金子
比較的早くから頭角を現しながら、長く伸び悩んで来た若き天才。前々走の東京オータムジャンプで漸く収得賞金を加算すると、続く秋陽ジャンプステークスで久々の勝利。ここへ来て一皮むけた感がある。地力では実績上位の馬たちにやや及ばないかも知れないが、順調さと上昇気配は侮れない。昨年のこのレースでも3着に入っていて、中山通算は [0.2.3.3] 。勝っていないのがこの馬らしいが、どこへ行っても大崩れしないのが持ち味でもある。馬券に絡む可能性は充分だろう。
3 メジロベイシンガー 牝4 58 山本
障害のメジロ……なんて言われたのは昔の話だけど、ここ何年かはまた活躍馬を出している。この馬は母の父に名障害種牡馬モガミを持ち、父もメジロライアンとスタミナ抜群。未勝利→オープンを続けて制した抜群のセンス、5歳という若さ、そしてオープン4戦目で重賞を勝った新鮮さ。今回その新潟ジャンプステークス以来の実戦となるのは若干割引だが、こと上がり目という面ではこの馬の右に出るものは居ないだろう。鞍上の山本康志もこのところ腕を上げている。中山コースは連勝していて通算 [2.0.0.1] 、速い時計に滅法強い。若さに賭けるならこの馬。
4 バルトフォンテン 牡4 60 横山義
平地3勝、障害は2戦1勝で前走未勝利を勝ち上がったばかり。時計も速いというほどではなく、強調材料は殆どない。ここでは流石に相手が強い。ただし鞍上だけは最強。横山義行は今年障害リーディングをぶっちぎりでひた走っていて、勝利数ならあと1勝も出来なくてもトップは確実。めぐりあわせとはいえ、これほどの凄腕が全くの人気薄に乗るのは面白い。中山コースは初挑戦。
5 ナイスアルカング 牡6 60 浜野谷
京都ハイジャンプしんがり負けからここへ。8.9 秒はいかに障害でも小さな差ではなく、ここも苦しい戦いになるだろう。中山は [0.0.1.2] 。
6 マイネルユニバース 牡7 60 平沢健
ゴーカイ、ユウフヨウホウという2頭の名ジャンパー(※片方微妙)を兄に持ち、若い頃から注目されたが、期待されたほどの成績はあげて来られなかった。落馬も多く苦しい戦績だったが、ようやく今年に入って形をつかんだというのか、レースぶりに多少の安定味が出てきて、ここ3走連続重賞で2、3、3着と馬券に絡んでいる。素質が開花する日が来た。中山コースの経験は出走馬中一番多く [0.1.3.9] 。
7 リキアイガイセン 牡4 60 五十嵐雄
障害未勝利を5戦で勝ち上がり、オープンでは5戦して4着が最高。後方から差を詰めてなお離された負けがほとんどで、通用しそうな気配はない。ここも入着狙いか。中山では [1.1.0.2] と唯一の勝ち星を挙げているが、この成績はすべて未勝利戦のもの。
8 アインオーセン 牡4 60 蓑島
前走は京都ハイジャンプ、リデル効果で4番人気になりそのリデルがなんとか4着まで持ってきた。悪くなかったのだが、そこが一杯一杯でもあり、おまけにリデルは帰国してしまった*1。初乗りの蓑島がどこまでやれるか。中山は未勝利戦のみで [0.0.1.1] 。
9 タイキリオン 牡6 60 穂苅
今年初めはチアズシャイニングの2着に来たり、バローネフォンテンを負かしたりと活躍を予感させる成績だったが、4月の2走はいずれも5着止まりでそれ以後休養に入っていた。実績では見劣るのは否めない。それでも例えばバローネフォンテンがここに出ていれば人気になっていただろうことを考えれば、この馬とて決して勝負にならない面子でもないというところだろう。休養がプラスに働けば馬券に絡む可能性も充分。中山コースは [2.2.0.2] と大得意。
10 スマートフェアリー 牝4 58 田中剛
ヴェテラン田中剛は未勝利を勝ち上がったばかりのこの馬で参戦。障害での4戦全てに騎乗している。2走前にはバルトフォンテンに1秒4離されて負けており、正直なところ苦戦必至。中山は [0.1.1.0] と未勝利戦ながらいずれも勝ち馬から0秒2差で入線していて、苦手にはしていない。とはいえ通用するとも考えづらい。
11 マチカネビシャモン せん6 60 三浦
この馬には罪はないが、このレースで優先出走権が使えるのは中々奇妙な感じがする。もちろんただのオープン特別なんだけど、重量の決め方はG2並みだし、中山大障害のステップとしてはもっとも重要と見なされているレースだけに、なんとかならんもんだろうか。さておき、9戦して夏の福島でようやく未勝利を勝ち上がり、一息入れた東京オータムジャンプでは追い込んでそれほど差の無い5着に来ている。それなりに上がり目はあると考えるべきだろうが、流石にここは相手が揃ったか。中山は1戦して着外。
12 アズマビヨンド 牡5 60 白浜
この秋の主役。関西の重賞両方に出走し、1、2着の成績を残した。内容も悪くなくここでも面白い……のだが、どうも臨戦過程が引っかかる。京都ハイジャンプから中2週でここなのだが、だとすれば10月に平地を使ったのは余計だった気がしてならない。おそらくここは当初の予定にはなかった出走なのだろう。果たして吉と出るか凶と出るか。中山は1戦して着外、今年のグランドジャンプに出て12着があるだけ。
13 ギルデッドエージ 牡8 63 熊沢
ロシェル・ロケットを背にここと大障害を連勝したのははや3年前。ロケットは来日する機会もなく、この馬は厳しい斤量を背負って苦しんでいる。今年の春は久々に順調に使われたが9、8、5、5着と馬券に絡めず。後半の2走は大敗こそしなかったが、本来の力にはほど遠い。今回も間に合わないかと言われていながらの参戦で、鞍上の熊沢が眠っている力を引き出せるか。中山はその大障害を含めて [3.1.1.4] と得意なコースだが、皮肉にもその大障害勝ちのために今回も 63kg を背負う。実績は間違いなく最右翼。
14 チアズシャイニング 牡6 60 西谷
今年前半の主役……だったのだろうか? 1、1、5、2、2着の成績は立派だが、意外な大敗の阪神スプリングジャンプや格下相手に取りこぼした5月のオープンの印象も強い。じっくり休んで秋は秋陽ジャンプステークスから復帰し、4着だったが久々としては悪くない内容だった。西谷もこの秋には期するところがある筈。グランドジャンプ2着を持ち出すまでもなく中山は [2.1.0.2] と得意にしているコース。60kg もはっきり恵まれたというべきで、実力ならこの馬が一番だろう。

ということで1頭ずつ見てきたが、実績と臨戦過程が両方文句なし、という馬は居なくて中々悩ましい。それでもぶっつけは基本的に難しいと考える。多少実績が見劣っても臨戦過程のいい馬を選びたい。中では1回叩いたチアズシャイニングがここでも大崩れはなさそうだ。もちろん目標は次だろうが、普通に走ってくれれば連対する可能性はそこそこ以上に高いと思う。
テレジェニックが対抗。こちらは逆に使い詰めなのが若干気にかかるが、ここまでならどうにかしそうに思える。もともと力はあるし崩れないのが持ち味なので、それほど人気にならないようなら尚更買いたい。
には実績馬メジロオーモンド。11ヶ月ぶりはいくらなんでも苦しいが、休み明けは滅法走る馬でもあり、買わないわけにはいかないだろうというところ。もっとも変に人気になるようならそこまで買いたい馬でもない。
アズマビヨンド。秋のパフォーマンスは文句ないが、どうしても臨戦過程が気になるのでここまで。中山実績は1回しか走っていないのだしそれほど気にしなくてもいいとは思う。
×にはメジロベイシンガーマイネルユニバースを拾いたい。前者は休み明けがどうかだが、今後の活躍に期待を込めて。後者はかつてのさんざんな成績の所為か侮られがちで中々人気にならないので、ここでも人気がなければ買ってやろうかぐらいの。同じこと考えてる人多そうで、多少でも人気になってたら全く味がないんだけど。
チアズシャイニング
テレジェニック
メジロオーモンド
アズマビヨンド
×メジロベイシンガー
×マイネルユニバース
馬連で 14 から 2,1,12,3,6 と縦目の 1-2 までで6点。三連複や三連単は難し過ぎる気がするので止めておく。

*1:リデルは帰国してしまった:先週からデザーモデムーロが来日する関係か、リデルの短期免許は当初から2ヶ月のみだった。外国人騎手5人枠に引っかかるためと思われるが、障害騎手は別枠でもいいんじゃないかと思う。