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全国高等専門学校ロボットコンテスト 2005 北海道地区大会@函館高専

今年も始まりました高専ロボコン。先日ちょろっとルールに触れたが、今年の課題は障害物競走。ごくかいつまんで言えば

  1. はしごをくぐり、
  2. 接地しないように平均台を渡って、
  3. ハードルを越え(触れてもよいが倒してはいけない)、
  4. 最後自動ロボットにバトンを渡し、
  5. 自動ロボットが壁を登って穴にバトンを入れればゴール。

これを3分でこなさなければならない。平均台とハードルはある程度高さがあるので脚が長い方が有利だが、スタート時の1メートル制限と、最初のはしご(45×45センチ)をくぐるためにはかなり小さく変形できなければならない。
ということで、他地区もいくつか見た上でのアーキタイプ分類は

  1. 折りたたみ型(Z型や三つ折りなど)
  2. 伸縮型(脚が(主に垂直に)伸縮する)
  3. レール持ち運び型(小型の本体と湾曲したレールの組み合わせ)

ぐらいになりそう。それぞれのタイプの中でも、動作が確実でスピードがあるマシンが強いのは毎年毎年同じ。今年は妨害がないからシンプルな勝負になるかと思いきや、駆け引きの生じる場面もあって面白かった。
結果から書くと、なんと(失礼ながら)まさかの札幌高専の優勝。しかも決勝では同校対決を実現させた。今年はこの地区は例年に増して低調で、平均台に乗ることができたマシンが一台もなかったのがひとえに勝因で、小型でスピードのある(が、平均台にはとても乗れそうにない)マシンを作り上げた、というかそれしか作れなかった札幌高専が両ブロックとも勝ち上がってしまったのだ。とはいうものの、決勝でAチームの「Zero-G」が動けなくなった以外には大きなトラブルもなく、スペックは多少低くともスピードと確実性という鉄の掟を守り抜いたことがこの勝利につながったことは確かで、これはこれで非常にロボコン的な結末だったとは言えると思う。優勝したBチームの「スレイプニル」とて全国では苦戦必至だが、おそらく相当久々の全国行きの筈で、見せ場を作ってくれればというところ。釣り竿の脚が垂直に伸縮する伸縮型。
もう一校選ばれたのは釧路高専A「C's」。こちらはC型のレールを持ち運び、はしごのところではCの切れ目部分をぐるりと回して通り抜けるユニークなマシンで、こりゃ素敵だと思っていたら意外に他地区でも見られる形だった。同時発生的におなじソリューションに辿り着くのを発見できるのも地区大会の醍醐味。動作が遅い割に確実性が低く苦戦したが、設計思想自体はいいのでチューンできれば全国でもあるいは勝ち星ぐらいは見込めるかも知れない。
他には特に印象に残ったマシンはなし。
追記にわかりづらいトーナメント表。
札幌B ○○○「スレイプニル」 伸縮型 優勝+全国大会
旭川B ●  「concord」 伸縮(レール)型
函館A●   「Burned Bill」 伸縮型
釧路A○○● 「C’s」 レール型 デザイン賞+全国大会
苫小B ●  「一発行こうぜ!!」 伸縮型 
釧路B ●  「駆竜」 伸縮(垂直)型
札幌A○○○●「Zero-G」 アーム型
旭川A●   「パッション!!」 折りたたみ型 技術賞
函館B ●  「HAKODAKE」 折りたたみ型
苫小A ○● 「anchor」 伸縮(垂直)型 アイデア