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全国高等専門学校ロボットコンテスト 2005 東海・北陸地区大会@金沢高専第2体育館

ここはロボコンの雄・豊田高専を中心に毎年レベルの高い地区……と書いてきたのだけど、今年は残念ながら非常にレベルが低かった。ここまで見た中では北海道の次に低い。ハードルを越えるチームがふたつしかないというのは何とも寂しい。まあこういう年もあるのだろう。
その豊田高専は2チームとも初戦敗退だったのだが、見ている限りではおそらくいずれも赤外線トラブルで、勝負以前のところだけに勿体無かった。とはいえ限りなく基礎的な部分で、これができないようでは敗戦もやむを得ないだろう。
豊田高専を破って勢いに乗った岐阜高専の「Hz」が準優勝で全国大会選出。ここはZ字型の折りたたみマシンで、エレガントな設計なのだがいかんせんスピードに乏しく、非常に操縦が難しいらしいところもマイナス。安定して平均台後半までは進んでいたが、それで勝てる相手は限られるとは言える。
ハードルを越えた2チームのうち1チームはなんとジャンプで越えるというあり得ないソリューションを提示、観客を大いに沸かせた。太いゴムの弾力だけで跳ぶという動力も豪快そのもので、非常に楽しいマシンは福井高専Aチーム「下司MAX」(げしまっくす)。操作は恐ろしく難しいらしいのだが、操縦者は相当練習を積んだらしくかなり手の内に入れていた。全国でも会場を沸かせてくれるだろう。
もう1チームが優勝校、富山商船高専Aチームの「NEO-Gravity」。Y字にちかいフォルムのマシンを巧みに折りたたみ、変形させながら次の障害への体勢を作る、地味ながら素晴らしい設計のマシンで、危なげなく連勝した。自動ロボットは一度不発だったが準決勝、決勝と壁を登りバトンホールまで到達した。というかホールにバトンを差し込むところまで行ったのだが、ローラーの力がわずかに足りずあと数センチを押し込めない、という残念極まりないオチだった。ここの完成度は全国でもトップクラスで、低調だったこの地区で唯一気を吐いたと言ってもいいかも知れない。全国大会の優勝候補だ。
全国大会に進んだ最後の1校は開催校の金沢高専Bチーム「走れ百万石」。最初X字に折りたたまれている脚を平行にして本体を持ち上げる動きが面白いが、いかんせん遅い。流石に全国では厳しそうだ。
追記にわかりづらいトーナメント表。
富商B ○●  「Wisdom」C型レール運び デザイン賞
石川A ●   「LOOPER」板状の折りたたみ
鳥羽Bー○○● 「外増」折りたたみ 三つ折り 遅い
沼津A●    「Saule」折りたたみ
富山B○●   「コブラ」折りたたみ(三つ折り)
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岐阜B○○○○●「Hz」折りたたみZ型 全国
豊田B●    「輪廻転匠」レール運び型 凹型レール 最後は転倒
金沢Aー●   「あっぱれ百万ごっ君」折りたたみ 三つ折り系
鈴鹿B ●   「Meridian」
福井B ○●  「ガンボ」折りたたみ 6本脚 非常に技術高い
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沼津B ●   「Positive Box」伸縮?
富山A ○●  「K・M・K」伸縮+折りたたみ 技術賞
石川B ●   「Speedy Work」伸縮型
豊田A●    「Climbers Pro」折りたたみ型? 赤外線トラブルで死亡
福井A○○○● 「下司MAX」折りたたみV字型 アイデア賞+全国
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鈴鹿A●    「はやて」伸縮型 はしご越えられず
金沢B○●   「走れ百万石」折りたたみと伸縮の中間 全国
富商Aー○○○○「NEO-Gravity」折りたたみ 正確には6本脚系 全国
鳥羽A ●   「インセクト」折りたたみ?
岐阜A ○●  「G→Unit」折りたたみ
なんか知らんがこの地区は折りたたみが多かった。こういうのがあるのも面白い。