黄昏通信社跡地処分推進室

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『My Magic Vol.2』 吉川祐輔(id:yossy54) yossy's laboratory,2005

年刊『My Magic』第2号。第1号の感想を以前書いた縁で頂戴する。感謝。
今回は志村一郎氏へのインタヴュー1本で、よく言えばソリッドな構成になったし悪く言えば読み応えが減った。前号と価格が同じだけにお金を出して買うならちょっと辛くはあるところか。
しかしインタヴューは素晴らしい。実績の割には露出の少なかった志村一郎氏という人選もいいし、自分をきちんと語ることのできる志村氏から、最大限の言葉を引き出している。
マジック・ザ・ギャザリングというゲームは趣味で遊ぶにはかなりの負荷を要求するし(競技レベルが高くなれば尚更)、かといってプロとしてやって行くには色々な意味で不安定過ぎる。このゲームを深く愛してしまった人は、どこまで踏み込むか、どこで引き返すか、諦めるのか、距離を保つのか、様々な節目で思い悩むことになる。
Vol.1 の黒田正城氏もそうだったけれど、このインタヴューは全体でその問いに対するひとつの回答になっている。全ての人が持っている選択肢ではないだろうが、岐路に立たされている人にとってなんらかの標にはきっとなるだろう。その上で、最後に志村氏から提示されるメッセージは、多くのプレイヤーを勇気づけるに違いない。
先日思い入れのあるゲームについてちょっと書いた時に、非電源系でマジック・ザ・ギャザリングを挙げようかと思ったのだが、悩んだ末に外した。もう全くと言っていいほどやっていないし、自分よりこのゲームを好きな人が凄くたくさん居ると知っているから、なんとなく気が引けてしまったのだ。そんなおれでも、こういう人がトッププレイヤーの一角を担っているのだと知って喜ばしく感じた。
マナバーン」はわずか8号で休刊の憂き目に遭い、「ゲームぎゃざ」にもマジックの記事はあまり載らなくなってしまったと聞く。タカラの公式ページはまあまあ頑張っているが、このような長文のインタヴューが載ることは稀だ。歓迎すべき事態ではないけれど、たぶん、vol.1 が出た時よりも、この本の存在価値は相対的に上がっている。
次号を楽しみに待ちたいと思う。

  • 前回も書いたけどもう1、2本記事があると嬉しいかなとは思う。カジュアルなものでいいので。ていうかむしろカジュアルな方がいいです。
  • 「カード引くのあんまり好きじゃないんですよ」は面白い。しっかり語れる人ってコントロール好き、みたいな印象(偏見)があるので尚更です。
  • ページの下から三分の一ぐらいのところに潰れてる行があるのが残念。印刷機の不調なのだろうけど、全ページにわたってると流石にちょっとしんどいです。
  • ケルベロスはあえてKですか。
  • 感想遅れてすみませんでした。