黄昏通信社跡地処分推進室

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同名カード選手権 (1) 「Armageddon」

先日 Wrecking Ball の話を書いた時に Blackmail について言及したのだが、そう言えばマジックと Netrunner に同名のカードって他にもいくつか入ってるな、と思い立つ。折角なので、それぞれのカードについて対決させてみたいと思う。アルファベット順なのかなと一瞬思わせるために、第1回は Armageddon にしてみた。

Armageddon (v2.1/Rare)
1
Program - Virus - Random - 1 MU
After each successful run on R&D, you may choose to give the Corp a Doom 
counter instead of accessing cards from R&D. Each Doom counter forces the Corp 
to roll a die whenever it installs a card. On a 6, the card is trashed after it is 
installed, and the Corp removes a Doom counter.
  • -
R&D へのランに成功するたびに、あなたは R&D のカードにアクセスする代わ りにコーポに破滅(Doom)カウンターを1個与えることを選んでもよい。コ ーポはカードをインストールするたびに、持っている破滅カウンターひとつに つき、サイコロをひとつ振る。6が出た場合、そのカードをインストールした 後にトラッシュし、コーポは破滅カウンターをひとつ取り除く。

Netrunner の Armageddon はウイルス。渋い。ウイルスはランナーで使っててもあんまり強くない印象である一方、コーポで使われてみると案外うざったかったりする。カウンターを取り除くコストは3アクションの放棄と安くはないが、一方で全て取り除かれてしまうのでランナーとしてはあまり重ねる甲斐はない。この辺りの駆け引きは如何にも Netrunner らしいなあと思える。
効果はランダムなので、重要なカードに効けば激烈だが、1コなら放置されても中々効かないかも知れない。軽いアイスや BBS Whispering Campeign 辺りに引っかかってしまうこともある、という意味でも不安定。構築・限定共にそれほど出番はありそうにない。
ちなみに「6が出た場合、」以下の文章は「そうしたなら」節ではないので、6が2つ以上同時に出た場合は1枚のトラッシュに対してカウンターが2個以上取り除かれることになる、という裁定が出ている。(もう裁定自体あまり意味がないが。)

Armageddon (6th/Rare)
3W
Sorcery
Destroy all lands.
  • -
すべての土地を破壊する。

MTG の Armageddon はアルファの古から存在するかつての大定番カード。だが第6版を最後に再録されていないため、今やエクステンディッドからもローテイトアウトしてしまった。「テキストの短いカードは強い」という格言どおりのパワーカードで、序盤に素早く場の優位を確保できるデッキが、その優位を維持するためのスペルとして用いられた。伝説の「アーニーゲドン」から「マローゲドン」「アーマーゲドン」「ブラストゲドン」要するに全部おなじである。
だが、このカードが第7版で再録されなかった時に、ウィザーズは「このカード1枚で、打ち消し呪文を用いないコントロール・デッキが事実上活躍の場を失っている」(大意)というコメントを出している。これを考えると、今後も再録される可能性はかなり低い。また、現在このカードが使えるフォーマットでは間に合わないスペルになってしまっていると思われる。名実共に過去のカードになりつつあると言えるだろう。
さて、この2枚の対決では流石に MTG の Armageddon を上位として異論がある人はそう居るまい。ある種のデッキを根絶やしにするほどの力のあるカードはそうはない。Netrunner の Armageddon はよりによって PROTEUS のレアなので希少度だけは圧勝だが、今となってはそれも空しい。第1回はマジックの勝ち。