黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

名前を残した馬たちへ2006 (2)

第1回→名前を残した馬たちへ2006 (1)
今年は多いけど、それにしても昨年と一昨年のペースは異常だ。気付くの遅過ぎるか。

オジジアンUSA(父 Damascus/母 Gonfalon,1983) 輸出:アメリカ合州国
この馬がファピアノの従弟だって初めて知ったんですけどどうすればいいですかねおれ(どうもしなくていい)。競走馬としても 10 戦7勝、GIを3つ勝っている強い馬だが、日本では輸入前の産駒エイシンワシントンバトルラインで記憶される種牡馬だろう。力任せの先行力で粘り込む、あまり日本には居ないタイプの種牡馬で産駒を見ていて中々楽しかった。輸入されてからはジョーディシラオキなどを出したがトータルではいまいち。尻すぼみに産駒数を減らし、このたび種牡馬引退が判明すると米国の功労馬を引き取る団体「オールドフレンズ」から声がかかり、余生を米国で過ごせることになった。これは昨年クリエイターやサンシャインフォーエバーを引き取ったのと同じ団体らしい。こういう流れができたのは素晴らしいことで、このまま続いて欲しいと思う。
オースミジェット(父ジェイドロバリー/母テンザンオトメ,1994) 輸出:韓国
実働4年弱、故障もなくコンスタントに走り続け、重賞勝ちと入着を重ねまくった馬主孝行な馬。GIにはついに手が届かない、どころか殆ど好走すらできなかった。限界のはっきりしていたところは非常にジェイドロバリー産駒らしい。産駒は意外と多いがさっぱり走っていない。見限られるにはもちろん早いのだけど、このタイミングで新天地へ渡るのはむしろチャンスだ。ダートしかないのもマイナスにはなるまい。日本にまで活躍が聞こえるような産駒を出して欲しい。(注:今年は韓国に輸出された馬が6頭も居るため、段々この手のコメントがおざなりになって行くと思われます。御了承ください。)
キョウワダイキチUSA(父 Mr.Prospector/母 Miss Brio,1995) 死亡
中央5勝、オープンまでは行けなかったがミスプロ直仔ということでか種牡馬入り。オーナーには大事にされていたらしく、自家生産のたった2頭の初年度産駒のうち1頭はキングヘイローの甥という良血だ。死んでしまったのは気の毒と言うほかない。九州から旋風を起こせるか。
クエストフォベスト(父トウショウボーイ/母ダイアナソロン,1990) 用途変更
デビューから鮮やかに2連勝を飾り、トウショウボーイ最後の大物と言われた馬。オンタイムで見ていたのだが、当時こういう評判先行の馬は絶対好きになれなかったのであまりよく憶えていない。今思うと勿体ない話だ。故障で戦線離脱、長期休養後はいいところがなかった。種牡馬としては中央で勝ち星をあげた産駒も出したが、ここまで。この実績で9年繋養されたのならよしとすべきか。
クラカゲオー(父コトノアサブキ/母クラエイブル,1986) 用途変更
地方で 35 戦9勝、道営3歳三冠では王冠賞北海優駿でそれぞれ2着に入った馬、らしい。血統も実績も渋過ぎる。倉見牧場の自家生産馬で、長らく倉見牧場で繋養されていたようだ。この歳までチャンスを与えられたのは素晴らしいことで、それに応えて中央で勝ち星をあげたクラローレルや旭岳賞のクラダイギンガなどを出している。おそらく引退後も繋養されるのではないだろうか。ゆっくり余生を送って欲しい。ファーストファミリー系はこれで途絶えることになりそうだ。
グランドオペラUSA(父 Nijinsky/母 Glorious Song1984) 死亡
自身は1戦0勝だが、血統を買われて種牡馬入り。日本に輸入されてメイセイオペラアマゾンオペラを出した。徹頭徹尾ダート向きで、産駒が芝で勝っているのを見た憶えがない。コンスタントではなかったが大物を出すロングヒッター。種牡馬としては悪くないポジションを確保できていただけに、心臓麻痺での急死は気の毒。残された産駒から、最後の大物が出せるだろうか。
クリスザブレイヴ(父ノーザンテースト/母クリスザレディー,1994) 用途変更
この馬の近況がさっぱりわからない。2003 年に中国へ輸出されたところまでは多分間違いないのだけど、その後がわからぬ。はっきりしたことご存知の方教えてください。ともあれ、デビューから2連勝してノーザンテースト最後の大物と騒がれた馬。しかし3戦目に1番人気の朝日杯3歳ステークスを惨敗すると、その後長期休養に入る。復帰後は人気を裏切ったりしながらも順調にクラスを上げ、最後には富士ステークスを勝った。流石にGIにこそ届かなかったが、19 戦9勝ならかなりの成績と言うべきだろう。初年度は 22 頭に種付けしたが、誕生したのは 6 頭だったそうで、このクラスの種牡馬でこの受胎率の悪さは致命的だ。常に期待が大き過ぎたのは不幸だったが、それはそれとして持てる力は出してきた。せめてのんびり余生を送れるといいと思うが、果たして。
クリミナルタイプUSA
忘れていた。(6) 参照。
クロコルージュIRE(父 Rainbow Quest/母 Alligatrix,1995) 輸出:アイルランド
イスパアン賞でエルコンドルパサーに競り勝った馬……なんだけど、どうも印象が薄い。輸入されてからも産駒があんまり走っておらず、フィールドルージュ一頭が気を吐いている。このたびあえなく輸出。最後まで影が薄いままだが、まだまだ若いのだし需要があるのなら動いた方がいい。正直日本よりは欧州の方が向いていると思うし。