黄昏通信社跡地処分推進室

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「まるで世界」 作詞:別役実/作曲:池辺晋一郎,1984

みんなのうたリクエスト」というコーナーでたまたまやっていたので慌ててビデオに撮った。小学生の頃ちょうど初めて放送されて、軽やかなメロディと奇妙な歌詞とシュールな映像がやけに心に残った歌だった。多分その後何度か再放送されていたのだろうけど、歌詞を大体憶えていたぐらいだから相当気に入っていたには違いない。作詞が別役実なのは今回初めて知った。

朝 目が覚めたら 世界が変わっていた
空は青くて まるで空みたいだったし
雲は白くて まるで雲みたいだったし
さわやかな風まで まるで 風みたいに吹いてるんだ

こんな歌詞を、なんと山田康雄が歌っているのだ(これも今回初めて知った)。どこまでもとらえどころのないあの声で、転がるように、漂うように。おそらくわざと、ところどころで楽譜から少しずれたタイミングや高さで声を伴奏に乗せていく。実に洒落ていて、明るくて、どこか不安とつながっている2分半。あらためて聴いてみて、ノスタルジア抜きでも素晴らしい。名曲と言っていいんじゃないだろうか。