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選手会がFA取得期間短縮求め訴訟へ - 野球ニュース : nikkansports.com
ちぃといつさんのところで見たニュース。
個人的には短縮には賛成する。戦力均衡を建前に選手はドラフトにかけられて、最初に獲得した球団に拘束されるわけだけど、その期間として一軍でまるまる9年というのはいかにも長過ぎる。それでも確実に能力に見合った収入を得られるのならそう悪くもないのだろうが、現実にはそうはいかない。現状は選手に対して些か厳し過ぎる制度だろう。

この選手会の主張が通った場合、何年も二軍で頑張っている選手を応援し続けることが難しくなりそうです。彼らは活躍の場がありそうな球団に移籍するか、活躍の場がありそうだと踏んで移籍してきた選手に出番を奪われて引退の時期が早まるか、そのどちらかのケースが増えるでしょうから。

http://d.hatena.ne.jp/silence1998/20070722#1185110056

これは移籍が全体的に活発になったらという仮定の下の話と思うが、FA 権取得期間短縮とは直接リンクしないような気はする。とはいえ FA による移籍がより増えれば、その下のレベルの選手の移籍にも影響は及ぼすだろう。
長い目で選手を見守る楽しみはおれもある程度解る心算だが、それは人材の流動性が低いシステムにおける楽しみ方で、その流動性の低さに対するリスクは基本的に選手本人が負っていた。それが選手たちにとって望ましい形に近づくことで解消するのであれば、楽しみ方が変わることについては見る側が合わせて行く必要はある。
過去のやり方がある程度うまく行っていたのは、曲がりなりにも 12 球団が共同体的な性質を強く持ち、無理矢理にでもある程度足並みを揃えていたからだろう。そのために選手は球団に保有されると同時に「NPB」の一員として振る舞うことを余儀なくされた。でももうそうは行かない。選手がプレイするチームを選ぶことはある程度当然の権利と見なされるようになっている。それは常識的な感覚だろう。
そうであれば、選手を応援することと球団を応援することはある程度切り離して考えなくちゃいけない、のだと思う。選手が今よりも頻繁に出入りするようになっても球団を応援できるような心構えを持つことが必要になるだろう。
まあでも、そう悲観する必要もなくて、転入してきた選手の思わぬ活躍が嬉しかったり、転出した選手の新天地での活躍はやっぱり応援したくなったり、それはそれで新しい喜びを産んでくれるに違いない。そしてその流動性の中でも敢えてあるチームにこだわる選手ってのも必ず出て来ると思う。そうなればその選手の活躍は特別に嬉しいことだろう。少なくはなるかも知れないけど、旧来のそういうファンの楽しみは決して死に絶えることはないはずだ。
# まあちぃといつさんほどの人ならここに書いたような理屈は充分理解していると思うのだけど。