黄昏通信社跡地処分推進室

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名前を残した馬たちへ2007 (3)

(1) → 名前を残した馬たちへ2007 (1)
(2) → 名前を残した馬たちへ2007 (2)
訂正:「シンコウウィンディ」と書いてました。もちろん「シンコウウインディ」ですね。

ダミスターUSA(父 Mr.Prospector/母Batucada,1982) 死亡
典型的な一発屋で、英国供用時にセルティックスウィング、日本に来てからはトロットスターを出したが、他に目立つ産駒を殆ど出していない。自身も G2 のダンテステークスを勝った程度で、牝系も多分それほど目立たない、EI は0点台も珍しくない、と前記の2頭を出した以外は全く凡庸だった種牡馬。それでいて英国で8年、日本で 11 年(12 年?)の長きにわたって供用されたのだから恵まれていたと言っていいだろう。死亡時は 24 歳で、ほぼ天寿を全うしたというところ。頼みのトロットスターは昨年韓国へ渡って苦戦しているようだが、さて。
ダンシングサーパスIRE(父ダンシングブレーヴ/母 Exclusive Order) 輸出(韓国)
ダンシングブレーヴが輸入される前に外国産馬として日本で走り、主に熊沢を鞍上に無類のズブさを発揮しながらも活躍した。セントウルステークスで2着に入った次の週に連闘で京都大賞典に挑戦したりする愉快な使われ方が印象深い。距離やコースよりもそのエンジンのかかりで間に合うレースになるのかどうかだけが問題だった。宝塚記念3着があるが、最後まで重賞が勝てなかった辺りある程度限界もあったのだろう。種牡馬としては大苦戦。韓国へ輸出されるのはむしろチャンスと思うが、トロットスターですら種付け 10 頭なんて話を聞くと、楽観はできないと言わざるを得ない。頑張って欲しい。
ダンディーハート(父マルゼンスキー/母ハートブレイク,1992) 用途変更
ううむ、憶えていない。見てはいる筈なんだがなあ。橋本牧場の生産馬で、大井で 36 戦 6 勝(一応重賞で2着がある)、中央入りしてからは平地で1戦のみして大敗、障害入りして6戦0勝(2着1回3着1回)という成績。マルゼンスキーの晩年の産駒で、兄姉に活躍馬がいることで種牡馬入りしたが流石にここまで。
デザートキングIRE(父デインヒル/母 Sabaah,1994) 輸出(アイルランド
アイルランドの二冠馬。種牡馬としてもオーストラリアの名牝マカイビーディーヴァなどを出している……のだが、日本に来てからの種牡馬成績はこれまでのところやや期待外れ。まあ 2005 年に産駒がデビューしたばかりなので見限るのだとすれば早過ぎるが、需要があって移動するのならいいタイミングだろう。それにしてもデインヒル、日本は鬼門だねえ。(決めつけ)
トウショウオリオン(父トウショウボーイ/母コーニストウショウ,1993) 用途変更
トウショウボーイのラストクロップの一頭にして、最後の重賞勝ち馬。平坦に強かった印象があるけど唯一の重賞勝ちは阪神で行われた北九州記念だった。そうか。シスタートウショウの全弟で、種牡馬にしたくなる気持ちはよくわかる。今のところ唯一の産駒は牝馬で、残念ながら競走馬にはなれなかったとのこと。トウショウボーイの父系は今度こそおしまいかな。
トウショウフリート(父トウショウペガサス/母リバーストウショウ,1988) 用途変更
おれの中では東京競馬場ダート 1400m の不動のレコードホルダー。実際 1.22.5 って相当速いし、更新されるまでに8年以上かかったのだからあながち個人的過ぎるイメージというわけでもないだろう。体質が弱く、休み休みながら 11 戦 7 勝という成績を残しているがとうとう重賞には出られなかった。種牡馬としてもごく細々と続けてきた中でシーイズトウショウの母の父になったのだから立派なものだ。18 歳まで供用されたのは恵まれているというべきなのだろう。ゆっくり休んで欲しい。トウショウペガサスの父系もここまでかな。
トップコマンダー(父コマンダーインチーフ/母ファーストセーラ,1997) 用途変更
コマンダーインチーフの、比較的初期の活躍馬。ていうかコマンダーインチーフ自身最初の3年に集中して活躍馬を出している。ある程度どんな種牡馬でもそうだろうけど、産駒が活躍すればまたいい繁殖牝馬が集まるので、そこで活躍馬を出せていないということにもなるのかも。さておき、この馬は3歳時には皐月賞菊花賞に出ているがそこでは足りず、4歳後半から本格化して明け5歳の日経新春杯ホットシークレットタップダンスシチーに勝った。それだけ書くと強そうだな。そこからは成績が急降下し、重賞勝ちはその一鞍だけに終わっている。種牡馬としては実質わずか2年間の供用。一応産駒は居るようだが、果たしてデビューできるか。そして、繁殖入りできるか。
トーホウキング(父 Fairy King/母 Rose Garland,1995) 用途変更
冠号の通り東豊物産の馬、なのだが不出走のまま種牡馬入り。従兄弟にドクターデヴィアスシンコウキングが居る良血で、特にシンコウキングとは 3/4 同血になる。種牡馬としては 1999 年から 2006 年まで供用されたが活躍馬は送り出せなかった。産駒は見事にトーホウの馬ばっかり。よほど期するところがあったのだろう。競馬の根源的な姿とも言えるかも。今日日こんな馬もいるのだなあ。

次回に続く。