黄昏通信社跡地処分推進室

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ズヴィの四つ星 -- モーニングタイド:黒

原文はこちら→http://thezvi.livejournal.com/134009.html

婆の密告者 / Auntie's Snitch
(2)(B)
クリーチャー -- ゴブリン・ならず者
婆の密告者ではブロックできない。
徘徊(1)(B)
あなたがコントロールするゴブリンかならず者がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを
与えるたび、婆の密告者があなたの墓地にある場合、あなたは婆の密告者をあなたの手札
に戻してもよい。
3/1

ダメージを通しさえすれば《婆の密告者》は2マナで場に戻すことができる。もちろん1ターン目の《モグの狂信者》や《顔投げ》に続いて2ターン目に出すクリーチャーとしても素晴らしい。ゲームの終盤になれば、こいつのおかげで全てのクリーチャーが相手に対する厳しいクロックになってくれる。さらにリスクもコストも低い。大抵の場合は2マナでプレイできるし、たとえ3マナかかったとしても高いとは言えない。
唯一やっかいなのは、1マナクリーチャーを出し損ねたゲームではこいつが2ターン目に出せなくなることだ。だから、このカードが初手に来た時はそれを頭に入れてマリガンするかどうかを決めなければならない。個人的には《婆の密告者》が長期的にもたらす効用はこのささいな罠程度のことは充分埋め合わせられる強さだと思うが、それはそれとしてデッキ構築の際にはこのカードを純粋な2マナ域として数えてはいけない。ちょうど「マッドネス」デッキにおいて《尊大なワーム》を純粋な3マナ域に入れなかったように。このカードが充分活きる程度にゲームが長引く可能性は低くなく、おそらくそのメリットは上で書いたマナカーヴの微妙な歪みがもたらすデメリットを上回る。
また、手札から繰り返しこのカードを捨ててなにかをするようなデッキすら、ことによると組めるかも知れない。

苦花 / Bitterblossom
(1)(B) 
部族・エンチャント -- フェアリー
あなたのアップキープの開始時に、あなたは1点のライフを失い、飛行を持つ
黒の1/1のフェアリー・ならず者・クリーチャー・トークンを1体場に出す。

このカードは速効性がないし、かなり痛い。ここまでが悪いニュース。いいニュースは、対戦するデッキ次第では考えられる限り最強のカードであるということ。例えば青単「ガイル」デッキは、基本的に《苦花》に対して何もできない。ガイル相手に先手2ターン目にこれを出せればそれだけで殆ど勝ったようなものだ。《砂漠》があるから厳密には即勝ちが決まるわけではなく、ガイル側にも勝機は残る。しかし歴伝呪文をプレイしたわけでもないのだから、大した問題ではない。
他のコントロールデッキも似たようなものだ。このカードを出されて、少しの間対処できなければ、それだけで負けてしまう。したがって、《苦花》を使う側がデッキの残りの部分で相手に対処を許さないような構造になっていれば、それで勝てる。トークンはブロックにも回れるから、仮に相手のクリーチャーが殴ってきたとしても、チャンプブロックを繰り返せば失うライフはこのカード自身のライフロス分だけで済む。
こちらが《苦花》スタートを切って、相手が序盤から素早く攻めて来るのはかなり悪い展開だ。だがそれだって最悪というほどではない。2ターン目に何も出せずに相手が序盤から素早く攻めてくるよりはずっといい。もっと悲惨な展開は《苦花》を引くのが遅れて、このカードで優位を築く時間が無くなっていてしまったり、ライフが危険域まで減ってしまっていたりすることだ。直接火力を持つ相手に対してはこの両方が起こり得る。
《苦花》は勝つまでに何ターンかかかるカードだし、その間相手はそれを遅らせようとしてくるし自分のライフも減ってしまう。それでも私としては好きなカードだ。このカードをプレイして、あとは対戦相手と1対1のリソース交換を繰り返していればそれで勝ててしまうのだから。
ともあれコントロール・デッキに対して2ターン目に通したいカードとしては、私がこれまで見た歴代のカードの中でも最強だろう。

メモ

青は四つ星が1枚もないのでスキップした。青の原文はこちらにあり→http://thezvi.livejournal.com/133859.html
《遠くの旋律》《否認》《賢人の消火》《ヴェンディリオン三人衆》が三つ星。リストと星だけでも全カード分つければいいんだろうけど、誰かやってくださらないでしょうか。
次回は赤の予定。4枚あるし2回に分けるかも。