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『俺たちフィギュアスケーター』 ジョシュ・ゴードン/ウィル・スペック監督 ドリームワークス,2007 字幕:李静華

恵比寿に行った時に妻がチラシを取ってきて、気にはなっていた映画。フィギュアスケートの一流選手でライバル同士だったふたりの主人公が、ある大会で乱闘騒ぎを起こし永久追放されてしまう。失意の日々を送るふたりだったが、「永久追放」はその種目、つまり「男子シングルス」にしか適用されない、ということが判明して、ペアを組んで復帰する……という、ストーリーを書くだけでバカ映画だと判るような話。
しかしそのバカぶりと可笑しさが徹底していて、非常に面白かった。細かいところまで全く手を抜かず、少しでも面白くだけしようと作られている。例えば、ふたりの乱闘シーンで松明の火がマスコットの着ぐるみに燃え移ってしまうシーンがあるのだけど、手前でふたりが乱闘をしている時に奥の方に小さく客席に走って行って消火器で消火されるマスコットがずっと映り続けているのだ。なんかそういうところがもういちいち可笑しくて、声を上げて笑ってしまう場面もしばしばだった。
主人公ふたりを演じる役者も絶妙で、どちらも初見だったのだけど、それぞれに違う面白さというかキモさというかが(おそらくほぼ先天的に)備わっていて、いい組み合わせと感じた。ウィル・フェレル(チャズ)の腹のぶよぶよ具合は見てるだけで笑っちゃうし、ジョン・ヘダー(ジミー)の口の半開きぶりはシリアスなシーンでもそこはかとなく駄目なムードを醸し出してくれる。
競技のシーンはリアルさについては完全に諦めていて、まあこういう映画だからそこら辺は突っ込みっこ無し。最後まで技のあり得なさが加速し続けて行く辺りを笑い飛ばせばいい。
とにかく 90 分「ばっかでー、この映画」と思いっぱなしだった。そういう映画は、多分意外に少ないんじゃないかと思う。

ヒロインのケイティが中々可愛くて、帰ってから調べてみたらジェナ・フィッシャーって役者だったんだけど、なんと同い年だった。ジョン・ヘダーより年上なのだ。これは普通にびっくり。