Syrup 16g に「(This is not just)Song for Me」という曲があるのだけど、このタイトルは中々妙だと思う。( ) 内をつけるのとつけないのとで意味が真逆になってしまうからだ。歌詞の中ではそのまま「This is not just song for me」というセンテンスで出てくる。が、どうもここでいう「song」は歌詞の別の部分に出てくる「昨日覚えたばかりの歌」を指しているようには思われる。その辺りがこのタイトルの由来なんじゃないかと考えついたのだが、流石にひねり過ぎだろうか。
真逆といえば、ブルーハーツの曲に「人にやさしく」というタイトルがあって、これを初めて聴いた時はちょっと驚いた。歌詞では「人にやさしく してもらえないんだね」という使われ方をしているからだ。こちらは全体としてはポジティヴな詞で、「人にやさしく」というタイトル自体はそう不思議ではないのだけど、切り出し方はとてもユニークで印象に残る。
( ) つきのタイトルといえば個人的にはなんと言ってもオアシスの「(It's Good) To Be Free」。これは『The Masterplan』に収録されていて、発売当時にロッキンオンに出てたインタビューでノエルが「時々(他の人が)タイトルに括弧使ってるの見かけるんだけどあれの意味がわかんねえんだよ。わかんねえから自分で使ってみたんだけど、やっぱりわかんなかったんだ。大体 ( ) なしだと『To Be Free』になっちまって意味がねえからな」みたいなことを言っていた。これ自体はもうノエルお得意の「ただ面白いこと言おうとするメソッド」で多分殆ど意味はないんだけど、それはそれとして変に心に残る物言いではある。曲自体は殆ど忘れてしまったが。