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高専ロボコン2008 -- 北海道地区大会

3年ぶりに見たら出場校が4校になっていた。札幌高専が出場していない。流石に技術的についていけなくなっていたからなあ……と勝手に思っていたのだが今調べてみたら札幌市立大学を開学して高専は来年3月に閉校になるのだそうだ。知らなかった。デザイン系の高専として高専ロボコンでは異色の存在で、毎年ここのロボットを見るのは秘かに結構楽しみだった。少し寂しい。最後を見届けなかったのは残念だ。
さて、ここは例年レベルでは他地区に及ばないことが多いのだが、5年に一度ぐらい凄いロボットが出てきて全国制覇してしまう、侮れない底力がある。確か旭川高専は全国制覇が2回あると思う。2003 年もその旭川高専が「untyred」を駆って全国制覇を達成したのは記憶に新しいところ(なのか?)。
しかし今年は残念ながら凡庸な方の年であるようで、大会の全7試合を通してゴールまで到達したのが釧路高専の1回だけ、その釧路高専も決勝はマシントラブルで敗れる、という結果だった。推薦では選ばれたので、優勝した函館高専と共に全国大会へ出場する。

「ソリューション」について。
これは言葉の使い方として合ってるかわからないんだけど、マジック・ザ・ギャザリングでいうところの「ソリューション」(参考→MTG Wiki -- ソリューション)を意識している。要するに、毎年の競技ってのは課題であって、その課題をいかに相手より上手くこなすかというのがロボコンの本質ではあるわけです。で、課題の正答はひとつではないんだけど、有力なアプローチは多分いくつかに絞られる。その中で最良と思われるアプローチをソリューションと呼んでいる。
例えば今年のルールだと大きい課題はふたつあって、多足歩行と二足歩行の方法になる。四つの地区大会を見る限りでは、多足歩行については多数の扇形の小さな足をクランクで回転させる、限りなくタイヤに近い足がおそらく最良で、二足歩行についてはふたつの足を「内側と外側」に配置するのが一番安定するし速い。で、小さな課題として「ハードルを越える」というのがあって、それは橋をかけるのが最も安定する。
だから、少し背の高い箱形の多足ロボットを作って、そこから橋を伸ばしてハードルを越え、同心円状にふたつの足を持つ小型の二足ロボットを送り込む、というのがソリューションということになる。ここまで見てきた中では小山高専が一番それに近い。
ただ、「ソリューション」から外れたマシンに勝機がないわけではない。違うアプローチでも性能が圧倒的に高ければ勝ち進むことは可能であり、往々にしてそういうマシンはより面白い。例年ロボコン大賞はその手のマシンに与えられることが多いように思う。これまで見た中にはそこまでのロボットはなさそうだけど、本番で大化けしてくるマシンもあるし、もちろん未見の地区が半分もある。全国大会で面白いマシンが――願わくばおれの考えるソリューションなんかとはまるで違うロボットが登場することを願う。
放送予定は以下の通り。


全国大会
2008年12月30日(火)午後9時15分〜午後10時24分 NHK総合テレビ
全国大会(全試合版)
2009年1月2日(金)午前10時15分〜午前11時44分 NHK BS-2
例年の傾向からすると全試合版がおすすめだぜ。