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中山大障害・プレヴュー

過去三年の中山大障害の成績を見てみると、2002 年生まれ世代の異常な強さに改めて感心せざるを得ない。3歳時からテイエムドラゴンメルシーエイタイムがワンツーを決め、4歳時と5歳時は3着までを独占している。そして今年も、昨年の1着〜3着馬が全馬出走してきた。
1番人気となるのは、一昨年の覇者マルカラスカルだろう。春は中山グランドジャンプを3ヶ月ぶりながら楽勝し、前走イルミネーションジャンプステークスでは2着を 4.6 秒ぶっちぎる文字通りの圧勝だった。ダビスタだったら画面の左側に消えていっちゃうところだ(※よく知りません)。陣営も順調さを強調しており、そう無様なレースはするまいと思われる。
昨年はしかし、メルシーエイタイムが勝った。昨年秋からは「平地を叩いて JG1」というパターンが定着していて、とうとう今年は4戦(うち障害2戦)しか走らないという「シンボリクリエンス状態」になってしまった。しかし成績は抜群に安定しており、グランドジャンプのコースよりも大障害のコースの方をやや得意にしていることでも知られる。軸に据えたい馬ということなら、やはりこの馬ではないだろうか。
昨年マルカラスカルを3着に沈めたのはキングジョイだ。気楽な立場ではあったにしろ、2頭に割って入ったのは見事という他ない。それ以後は順調に使えていないが、6ヶ月ぶりの東京ハイジャンプで2着、そこからまた5ヶ月空いた京都ハイジャンプで1着(コウエイトライを下している)、といずれも JG2 できっちり結果を出しているのは不気味な臨戦過程といえよう。才気あふれるキャリアで、まだ上積みがあるように思わせる。
6歳三騎を追う立場なのが5歳のテイエムエース。今年の中山グランドジャンプではあわやメルシーエイタイムを交わすかという3着に喰い込んだ。東京ハイジャンプでは相手が久々だったとはいえキングジョイをちぎって勝っていて、グランドジャンプがフロックでなかったことを示してみせた。京都ハイジャンプではキングジョイに逆にちぎられたが、久々だった上に斤量も 2kg 重かったことを考えれば悲観したものでもない。
6歳ながら三強には少し水を空けられた感があるのがエイシンニーザン中山グランドジャンプでは1番人気を背負ったが、明らかにかぶり過ぎではあった。そこから半年休んで、平地を一度叩いた後京都ハイジャンプに臨み、キングジョイ、コウエイトライに続く3着に入っている。有馬記念中山大障害の「大二冠」に挑む熊沢が乗るのは期待したいところだが、正直厳しいのは否めない。
出走馬中ただ1頭障害無敗のキャリアを誇るスプリングゲントは、その6戦6勝の戦績を全て一昨年に積み上げている。屈腱炎で1年 11ヶ月もの長期休養を余儀なくされたが、それでもターフに戻ってきた。平地を2回叩き、完全にここ一本に絞ってきたことには好感が持てるが、中山は3戦目の平場オープン以来2回目で、もちろん大障害コースは初めてだ。おそらくもはや残り長くないキャリアに終止符を打つためにここを選んできた、のではないだろうか。
あとは内枠から気になるところだけ簡単に。
10 歳になってもなおターフに立ち続けるクールジョイは、往年の力は残っていないように思われる。バローネフォンテンは8歳だが近況はなおひどく、完全に競争意欲を失ってしまっているようだ。ペネトレーターは未勝利勝ったばっかりなのに東スポでしるしが3つも回ってて結構謎なのだが、金子が乗ってるからだろうか。オープンガーデンはゴーカイ産駒。父が3回挑んでどうしても勝てなかった中山大障害をなんとか……とも思うが、なにせ1勝馬でオープンでは連対もない。東京ハイジャンプテイエムエースの3着に来たのがオープン唯一の良績で、流石にここでは厳しそう。テイエムトッパズレはこっそり昨年の7着馬で、むらはあって大駆けのあるタイプだが、好走する展開が思い浮かばないのが難点。
まとめよう。個人的な好みで、今回もメルシーエイタイムから入る。馬連が似合う軸馬ではあるし、素直に馬連マルカラスカル、キングジョイ、テイエムエースを相手にとろう。あまり手を広げないでいいレースと思うが、どうしてもという向きにはテイエムトッパズレを奨める。
明日は現地で観ます。