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むかしばなし:連想の法則

QMA(以下「初代」とする)の初期と QMA2(以下「2」とする)の初期には「順番当ての法則」と呼ばれる回答の規則性があった。初代と2では順番当ては四肢固定だったのだが、四肢だとあり得る回答は 24 通りになる。ところが、「法則」の存在した時期は、正答はそのうちの 12 通りしかなかった。具体的に書くと
ABCD、ACDB、ADBC、BADC、BCAD、BDCA、CABD、CBDA、CDAB、DACB、DBAC、DCBA
となる。見て判る通り、最初のふたつが決まればあとのふたつの後先が一意に決まる。選択肢自体も固定だから、実質的にはふたつ憶えればことが足りていた。
これらの共通点は「ABCD」という文字列から「任意のふたつを入れ替える」操作を2回(以上の偶数回)行うことによって作れる文字列だということだ。実際にそのように生成していた可能性はおそらく極めて低いが、結果的にはそうなっていた。
この「法則」は初代の稼働途中にアップデートによって消滅した。その後どういうわけか2の稼働開始時に復活していたのだが、春先にはやはりアップデートで消えている。当時最強の形式だった(一問多答も線結びも無かったのだ)順番当ての難度を下げることに一定の役割を果たしていたが、おかしな実装には違いなく、知らない人を著しく不利にさせるという点においてはかなり酷い不具合であったと思う。

ここからようやく本題。
初代ではどうやら(少なくとも)連想においては選択肢を並べ替えるのにやはりこの「2回入れ替える」方法が採られていたと思われる。
初代のアニメ&ゲーム連想の問題で、当時としては珍しく 3H まで共通するグラディウスのパワーアップを答えさせる問題があった。正答は「スピードアップ」になる問題と「ミサイル」になる問題があって、いずれも「レーザー」と「オプション」、それと正答でない方がダミーだった。当時は連想の選択肢は固定だったから、どちらの問題であっても「スピードアップ」「ミサイル」「オプション」「レーザー」の4つが必ず選択肢となっていた。
ところがこれは選択肢を見ただけで正答が押せたのだという。当時愛知の強豪「いか」氏がブログに書いていたというだけなので真偽のほどは定かではないが、ちょっと興味深いことが書かれていた。もうとっくにブログ(ちなみにiらんどだった)も存在しないのでうろ憶えもいいところなのだが、確か「順番当ての法則で、オプション→レーザーと来た場合の3番目を押す」ことで正答を選べる、というような内容だったと思う。
初代をやっていた人の中には悪名高い問題公募を憶えていらっしゃる方も居るだろうが、あれの投稿フォームを思い出して欲しい。入力窓が四段になっていて、一番上のフォームに正答を書いて、あと3つにダミーを入れるようになっていた筈だ。そのように問題データベースに格納されている選択肢を、「2回入れ替える」方式で並べ替えて出題するとしたら。
「スピードアップ」が正答の問題の選択肢は、こうなっているはずだ。

スピードアップ
ミサイル
オプション
レーザー

一方、「ミサイル」が正答の問題の方では、こう並んでいたに違いない。

ミサイル
スピードアップ
オプション
レーザー

これに対して任意の「2回入れ替え」を行えば、かならずオプション→レーザーと辿った3番目に正答が来る。どちらの問題でもそうなる。
いか氏は正答を選ぶ方法しか書いていなかったが、おそらく似たような仮説には辿り着いていたのではないだろうか(そうでなければちょっと気付けないようにも思う)。同様の方法で見切れる問題が他にもあったのかも知れない。いずれにしても今となっては全く何の役にも立たない情報だが、こんなふうに実装からシステムが透けて見える瞬間におれは妙な面白みを感じる。