黄昏通信社跡地処分推進室

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有頂天家族』読了。京都を舞台にした狸一家の暮らしと抗争をコミカルに描いている。森見登美彦は大仰な文体の中に可愛い形容詞を紛れ込ませるのが上手で、登場する狸も大変可愛く描かれている。個人的には4人きょうだいもので3番目が主人公というのも感情移入できてよかった。ランサムなら『ツバメの谷』の後半、ナルニアなら『朝びらき丸 東の海へ』辺りがそれにあたる。とはいえ一番いかしてるのは矢二郎だよな。
読み終わった妻が「黒田硫黄が漫画化すればいいのに」と言っていたのだけど、なるほど天狗漫画の第一人者がこれを漫画化するというのはありかも知れぬ。『茄子』の後半以降泣かず飛ばずで今やってる連載も第1話から特に面白くなりそうな気配もなかった上に完全に話に詰まって休載が続いている黒田硫黄にそんな余裕はなかろうけど。