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[語れるほどは知らないんだけど (1)]心に残るゲームたち(番外編):『ラフレーサー』『エスケープキッズ』『ホットロッド』

今回は番外編。どう考えても1本分記事を書けるほどは知識が無いけどそれなりに心に残っているゲームについて、何本かまとめて記事にしようという。なんだろう、手抜き?

ラフレーサー(セガ/アーケード,1990)

セガの固定画面レースゲーム。案の定というかシステム 24 で、一画面におさまるコースをちまちま回る。確か3周だかするとクリアになるのかな。白い車がライバルで、それよりも先に3周しないとゲームオーバー。
操作系はパドル+ボタン2つで、アクセルとニトロ(みたいなの)だったはず。ニトロは一瞬だけど爆発的なスピードが出せて、遅れそうになった時に使う、あるいはゴール前で無理矢理白い車の前に出る、みたいな使い方ができた。各面の最初にはショップがあって、面クリアするごとに入るお金を使って買い物をする。確かニトロが買えた筈だけどあとは憶えてない。多分自車のパワーアップだったと思う。
で、ここまで読んで「あれ?」と思った人も居るかと思うけど、そう、『エスケープキッズ』とシステムが気持ち悪いほど似てるんだよね。発売はこちらの方が1年先で、おれはこっちの方が好きだったんだけど、ラフレーサーは秒で姿を消して、一方でエスケープキッズはわりと長いこと稼動してたから、なんだか釈然としない思いがちょっとあった。まあ、そうは言ってもラフレーサーもそんなにやってないし、エスケープキッズが生き残ったのには理由があるのだろうから、これはほんとに単なる個人的な恨みに近い。
あと、ショップの BGM が8小節ぐらいしかないんだけどやたらノリがよくて、メロディを今でも憶えている。面クリアしたときの短いジングルも、なんか妙に味があったなあ。

  • ちょっと調べたのだが、ラフレーサーは今稼動させようと思うとめちゃめちゃ大変らしい。ただでさえシステム 24 に FDD のソフト、という組み合わせの上に、セキュリティチップが必要らしく、それも電池が切れると死んでしまうのだとか。道理で見かけないはずだわ。というかこれは実機ではもはや一生遊べないレベルだ。参照→ROAD "Unidentified" -- 4年待ったゲーム。「ラフレーサー」が遂に動きました。

エスケープキッズ(コナミ/アーケード,1991)

というわけでエスケープキッズについても書いておこう。これも固定画面のレースゲームなんだけど、ちょっと面白いのはかけっこだったところで、生身の人間が色々なギミックのあるコースをひたすら走る。で、3周するとクリアで、黒い服の相手に先着されるとゲームオーバーになる。面クリアするごとに賞金がもらえて、ショップで買い物してパワーアップ。ボタンはランとジャンプに割り当てられてて、ランは走るときひたすら連打する、ジャンプは使用回数に制限があるけどびよーんとロングジャンプできて、地表のギミックは飛び越えられるし速度も走るより高い。
発売時期の差を考えると偶然企画がかぶったとも考えられるが、内容の似ている度合いを考えるとなんらかの影響は受けていると考えた方が自然にも思える。いずれにしてもとても似ているのは確かだと思う。
ここから先はより個人的な感想、かつ本質に関わりない部分になるが、エスケープキッズはラフレーサーと比べて圧倒的にセンスが悪かった。やたらぎざぎざしたグラフィック、原色の部屋着みたいな服を着て走るランナー、ごちゃっとしたレイアウトのコース。もちろんそれが味でもあったのだろうけど、ラフレーサーに対する思い入れもあったおかげで、どうしても好きになれなかった。
とはいえあの、面クリア時にすげー高い塔の上にある便器の上でみんなで踊ってて、1位の奴がひも引くと黒い服の奴とそれ以下の順位の奴がみんな流されちゃう、っていう演出だけは頭おかしくて好きだったな。

  • かなり稼動期間が長かったゲームで、上手い人は延々とプレイしている印象があったから、ネットでも語っている人が多いんじゃないかなと思ったけど、ちょっと検索した限りでは全然見つけられなかった。おれが思っていたよりも知名度の低いゲームなのかも知れない。

ホットロッド(セガ/アーケード,1988)

順番が前後したけど、セガの俯瞰視点4人同時プレイレースゲームというとこっちの方が相対的には有名であろう。このゲームはシステム 24 のローンチタイトルで、それなりには出回っていたと思うが、わりとあっという間に姿を消した印象もある。
ちっこい車がちまちまコースを進んでいくのだが、ちょっと面白いのはお互いの車の当たり判定がないことで、それぞれ半透明に重ねて表示される。専用のアップライト筐体が発売されており、それは中央に平置きのモニタが一台あってその周囲4方向にハンドルがついているという思い切ったデザインだった。で、アクセルとブレーキは足元のペダルで操作する。もちろんテーブル筐体にも入れられて、その場合はハンドルの代わりにパドル、ペダルの代わりに普通のボタン、という操作系になる。
4人で筐体を囲む形でプレイするわけだから当然だが、プレイヤーから見て進む方向が一定していない。ちょっと記憶が曖昧だが、確かひとりでやっていても上に進んだり右に進んだりということになっていた筈だ。当然ハンドルは相対的に切らなければいけないので、そこが慣れるまでは難しい。あとはスピード感がかなり独特で、画面上では大した速度が出ていなくても不用意にハンドルを切ると滑りまくる。
面クリアごとに賞金がもらえて、お店に入って買い物ができるんだけど(今回こればっかりだな)、このゲームでは車の追加パーツを買いたしていくことになって、それはちょっと楽しかった。なんかウイングとかバンパーとかあって、模型自動車みたいな面白さ。
あまり上手くなれないうちに諦めてしまったのだけど、友人でひとりめちゃめちゃ上手い奴が居て、そいつはほんとに1コインで3時間とかやってた。結構面数は多いがエンドレスらしく、気力と体力の続く限りいくらでも進めるとか。アップライト筐体だから立ちっぱなしの筈で、かなり辛かったんじゃないかと思うのだが。90 年代後半ぐらいに渋谷会館の5階で延々とホットロッドやってる奴を見たことがある人、それはおれの友人かも知れません。まあライバル居るって言ってたけど。

  • 上のリンク先によると、ホットロッドのアップライト筐体にラフレーサーを入れることができたらしい。特殊筐体を売ったらその筐体に対応したタイトルを CVT 用にリリースするのは常套手段だけど、あのでかい筐体で固定画面のラフレーサーをちまちまやるかと思うとそれだけでおもろい。しかし、流石に実際に入ってるのは見たことなかった。
  • このゲームのショップの BGM は『ファンタジーゾーン』と同じ曲で、キーとテンポだけ変わっている。いかにも「おかいものー」という曲で、とても好き。