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関内関外日記プラス -- レトロニムとはしらなんだ
この記事を読んで、おれも初めてレトロニムという概念を知った。「ある言葉が時代とともに意味が変ってきた場合に後から付けられた名前」という説明はわかりづらいが、「固定電話」という例をひかれるとすぐに理解できた。多くの場合、近い意味を持つ後発の言葉がよく使われるようになって、それと区別するために旧来のものに違う名前をつける、という経緯で成立するようだ。
思いつく例は、まあこれは完全に死語になっているけど、「郵政省メール」という言葉があったと思う。PBM(当時の言葉で言えば「ネットゲーム」か)界で普通の郵便のことをこう呼んでいた……ように記憶しているのだが、もしかすると全然違ったかも知れない。→ぐぐってみたらパソコン通信界の用語?らしい。ほんとに全然違った。
あと、以前書いた「リアルマネートレーディング」の「リアルマネー」部分はレトロニムに近いように思われる。ヴァーチャルマネーに対する現実のお金、という意味だろうから。ここまで書いて気付いたけど、あえて「リアルなんとか」って云うときは割とレトロニムが多いかも知れない。リアルシャダイとか、リアルゴールドとか。
それはさておき、リンク先の記事にこのような記述があった。



もともと、立直は第一ツモ時しか行えなかったが、それ以外の時点でも宣言できる「途中立直」が普及した結果、そちらが立直と呼ばれるようになり、本来の立直に別な呼び名がついた。
ダブリーが先にあって、あとからリーチが生まれたとは。
これももちろん知らなかったのだが、たまたま読み返していた『麻雀放浪記(一)』にちょうどこんな一節が出てきた。

それまで私がやっていたのは本当のアールシアール麻雀で、リーチといえば、ダブルリーチのことを指すのが普通だった。途中で、リーチと叫ぶルールは全然知らない。
シンクロニシティ、というほど大したものではないのだけど、読むの4回目ぐらいなのにこのくだりのことは忘れていたし、レトロニムの話を読まなければ多分またすぐ忘れていただろう。問題はここで面白いと思ってこんなことを書きつけてもきっと半年もしないうちに忘れてしまうであろうところだが、その辺は仕方ないところかも知れぬ。