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『借りぐらしのアリエッティ』 米林昌宏監督 スタジオジブリ,2010

というわけでまだまだ大盛況の本作だが、面白かった。心臓に重い病を持つ少年ショウと、床下で「借りぐらし」を営む小人の少女アリエッティの、ひと夏(というか5日間ぐらい)の交流を描く。
小人たちのくらしの描写に前半の多くを割いているのだけど、このパートはよかった。人間の家の中で冒険する、というシチュエイションはわくわくするし、いろいろな小道具が人間の使う小物でまかなわれているさまが楽しい。アリエッティもいかにもジブリアニメのヒロインという感じでひょいひょい動いて小気味いい。
ふたりの関係は実際には殆どディスコミュニケーションとも言える淡い、少しほろ苦い交わりに過ぎない。おたがいがほのかに抱く好意には疑いの余地がないのに、ふたりの出会った状況とそれぞれの抱える事情が深い関わりを許さない。全体にはさらりと描かれているけど、そこら辺は切ない後味だった。
90 分ちょっとという尺だが過不足なく描けていて短いとは感じない。楽しく面白い映画でした。