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アフタヌーン 10 月号雑感

おおきく振りかぶって:流石に練習試合だから巻いてるなと思ったけど冷静に考えてみたらひと月で2イニングしか進んでねえ。面白いか面白くないかでいえば明らかに面白いのだが、とにかくどうするんだこの先、といつも思ってしまう。
ブレット・ザ・ウィザード:妻が「園田健一楽しそうだよね」と言っていたがまったくそうとしかいいようのない出来。ある意味大安定。最後のページのポーラの脚のアキレス腱の描き方とか脚フェチにはたまらんでしょうな。まあいつものノリだろうしめちゃめちゃ面白いものや新しいものも生まれないだろうとも思う。
からん:百合漫画としても柔道漫画としても素晴らしい展開。もともと絵は達者な人だが動きのある場面でも端正さを失っていないうえにスピード感もあって見事の一言。ハックス!(とナチュン)亡き今アフタヌーン最強漫画と言って差支えなかろう。ついに京の天才性が誰にでもわかるような形ではっきりして、さてどうなるという。ひたすら先が楽しみ。
BUTTER!:ちょっと意外な展開。端場くんがこんなに頑張る奴とは思ってなかった。見ている分には気持ちいいのだけど、オタククラスタとしては「おまえは向こう側の人間だったのか……」的な感想は抱かざるを得ない。とはいえ話数の割に作品内時間は結構経ってるから成長と解釈すべきなのかもな。全体の展開としてはよい。
よしだ家のちすじ:こういう漫画がアフタヌーンを底支えしているよなー、とか思ってたら次回最終回とのこと。残念。実にばかばかしい漫画であった。ユルヴァちゃんも次号で終わりらしいので、新連載攻勢でもあるのだろうか。
25時のバカンス:うむ素晴らしい。「人ならざるものがわずかなあいだ人と心を通わせる切なさ」みたいなものが市川春子作品に通底していると思うけど、同時に登場人物がみんなちょっととぼけたところがあって、深刻なムードになりきらない。それが最後の寂しさ/美しさをより際立たせているところがあると思う。これからもどんどん描いて欲しい。
四季賞:まとめて。「ヤングイコン」は気合いはこもってるけどテーマ自体は比較的ありきたりで、そのテーマに対しては終盤の展開がちょっとご都合過ぎるかと思う。「宇宙の恋人」は三作品の中では一番面白かったが、宇宙人があまりにも人間に外見が似ていることの説明はなんでもいいからあるとよかった。その理由次第ではふたりの関係にもっと深みが出たのではないだろうか。「ライカ ライカ」は導入だけで終わっている感じで、流石にもう少し起伏がないと言うべきことも見つからない。