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ノーベル化学賞、翌日ぐぐってみるまで受賞者が3人だってことを知らなかった。おれが見たテレビのニュースでは殆ど触れていなかったような気がする。あと、どんな内容の研究なのかも、ニュースではさっぱりわからなかった。今年のは比較的説明しやすい方だったと思うのだが。というか、一般的に物理学賞よりも化学賞の方がずっと説明しやすいものが多い、というのはあるかな。

鈴木カップリングに関しては特許をとっていない、という話がニュースで出ていた。これについて


鈴木氏は「特許をとらなかったことで広く使われた面もあると思う」とおっしゃっていたが、特許取って大金持ちになってて欲しかった気もする。
ツイッターに投稿したところ、

基礎研究で特許取られちゃうと、それを応用する研究は厳しい。企業にとってはCP厳しすぎだし、アカデミーはスピードが決定的に遅い。

自分は青色ダイオード関連しか知らんけど、日亜が垂直フローとったから、応物学会ではシュージナカムラ以外みな水平フロー。サイエンスに限らず営利が絡むと難しいねえ。
というレスを頂いた。まあそりゃそうだよなあというところではある。だいたい、特許を取っていたら結果的にそれほど使われなかった可能性もあって、そうなっていたら大金持ちにすらなれないことになる。さらにその特許の所為でその分野の研究の進展が遅くなってしまうことも考えられ、文字通り誰得という事態になりかねない。そうはいっても研究だってただじゃねえんだぞというのはもはや避けがたい視点でもあり、難しいというのはまさにそこら辺であろう。
基礎研究が将来もたらすであろう利益を定量的に評価することって、まず不可能だと思う。多分今後はそういうものも数字数字になっていくのだろうけど、それを考えるコスト自体が基本無駄だと思うのだよな……。でっち上げでも説得するためには数字が必要、となるのだとすればしんどい話だ。逆に目をつぶって金を出す方針だと、金だけもらってやることが水準に届かない(結果的にではなくて内容的にね)研究者はやっぱり絶対出てくるだろう。それでも、そういうのを込みでお金を投下していくことを考えた方が、長い目で見ればいい結果につながるのではないだろうか。
ただ、自然科学そのものがもたらす効用(特に経済的な)ってのは多分逓減していくんだろうなあ、というようなことはぼんやりと思うので、結果につながったところでやっぱり元は取れないだろう、という気もしているのだけど。