黄昏通信社跡地処分推進室

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ティコ・ブラーエの超新星の話を今更知った。塵によって反射され、はるか 12000 光年(まあほんのご近所なのだろうが)以上を旅してきた光を捉えることができるようになった観測装置の性能向上と、Ia 型超新星がそのメカニズム上持っている「絶対光度がほぼ同じ」という性質と、肉眼観察に飛び抜けた能力を有していたティコ・ブラーエという男の存在とが、今になって結びついたというところにフィクションめいたドラマ性がある。
のだけど、やはりこの中で一番面白いのは Ia 型超新星の絶対光度がほぼ同じという部分だ。フェルミ縮退、パウリの排他律、といった量子的な現象が巨大な白色矮星の質量を規定するという事実、その規定があるゆえに超新星爆発を起こしたときの明るさがほぼ一定になるということ――そちらにむしろ、おれは心躍る。