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海岸線の長さの話

QMA で「日本の都道府県で、海岸線がもっとも短い県はどこ?」という問題が出る(まあ少なくとも出た)のだけど、あれを見るたびにもやもやしていた。だって、海岸線の長さってどうやって測るんだ。
干潮とか満潮とかはこの際措く。満潮に統一しようじゃないか。波の影響も無視できるとしよう。どんな断崖でも、物理的な測量にいっさい支障はないものとしてくれていい。それでもなお疑問は残る。
海岸はふつう、砂とか岩とかでできてる。岩の海岸を考えてみよう。たぶん、でこぼこしている。そのでこぼこはどこまで追求して測るんだろう。まさか数センチのでこぼこまでは測るまい。50 センチ? 1メートル? どこまで大きくなったらでこぼこは地図に反映されるんだろう。そういうのって決まってるんだろうか。日本全国、どこへ行ってもその基準は徹底されてるだろうか。「海岸線の長さ」を算出する時に使うべき基準は決まっているのだろうか。そうは思えない。
仮に「曲線をスキャンしたら長さを自動計算してくれるソフトウェア」みたいなものがあったとして、それに各都道府県の全海岸線沿いの地図を放り込んで海岸線の長さを出す、みたいな方法をとることを考える。そのとき、どの縮尺の地図を放り込むのか、によって多分結果は変わるだろう。大縮尺*1の地図を使うなら、より細かい起伏が多い県が有利だが、縮尺が小さくなればそういう細かい起伏はならされてしまい、むしろもう少し大きな起伏がある方が有利になるだろう。
おれはあの問題を見るたびに、そういうことを想像していた。細部の形と全体の長さ。些末なことだ。でもクイズとか海岸線の長さとかってのはそもそも些末なことなんだ。だからそれをおろそかにしちゃいけないって気がずっとしていた。あの問題はまだあるんだろうか。正答は岩手県だったと記憶しているが、今や海岸線の形も変わっているだろう。

  • 追記岩手県ってこたねーやな。山形県が正しい。あと2位とは一応 7km 差とかあるみたい。

*1:念のため書いておくと、縮尺の数値が大きい地図が「大縮尺」である。だから、1万分の1の地図と5万分の1の地図では1万分の1の地図の方がより大縮尺ということになる。