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NFL 2012 -- Week 7, part 1

Seattle Seahawks (4-2) @ San Francisco 49ers (4-2)

なんと星が並んでの同地区対決。ただしシーホークスは地区内成績が芳しくなくここまで 0-2。フォーティナイナーズは 0-0 で、シーホークスはこれに敗れると実質ほぼ2ゲーム差つけられてしまうことになる。
どちらのチームもランを中心にじっくり攻め、前半はお互いタッチダウンに辿り着けず 6-3 でシーホークスがリードして折り返し。後半に入ってからフォーティナイナーズはショートパスを上手く使い始め、ゴアのランと絡めてじわじわとドライブを進めてついにこの試合初の、そして結果的には唯一のタッチダウンを挙げる。さらにその次のランでもレッドゾーンまで攻め入ったがそこでシーホークスディフェンスが踏ん張り、なんとかフィールドゴールにとどめて 6-13。
シーホークスはこの後も攻めきれず、最後はタイムアウトを使い切って自陣 11 ヤードから 1:36 のラストドライブ。4th & 17 からウィルソンが目の覚めるようなパスを投じたがファーストダウンにわずかに届かず、その瞬間に敗戦が決まった。フォーティナイナーズの堅い試合運びが光った試合だった。

  • 最後のプレイ、ウィルソンのパスの直後にイエローフラッグが飛び、シーホークスのチョップブロックの判定でウィルソンはエンドゾーンまで下がっていたためセイフティとなった。残り時間は 36 秒(後で 43 秒に戻された)。これで9点差になれば2ポゼッション差だから事実上勝負あった。……と思ったのだが、ハーボウはメジャーを要求した。そしてファーストダウンに届いていないことを確認すると、チョップブロックのペナルティをディクラインした。これには唸らされた。確かに9点差をタイムアウトなしの 43 秒で逆転するのはほぼ不可能だ。でも全く可能性がないわけではない。しかし、これをディクラインして攻撃権を奪い取れば、シーホークスの勝つ可能性は本当に全く無くなる。試合終了間際のあの状況でその判断を瞬時にできるのは大したものだと思った。
    • それはそれとして、GAORA の実況/解説陣からも指摘があったが、あれをチョップブロックととられるのはけっこう気の毒な気がした。オフェンスラインと競り合っているディフェンスを地面に押し倒す、いいブロックだったのだ。

Tennessee Titans (2-4) @ Buffalo Bills (3-3)

「なぜここでそれなのか」
GAORA 解説の濱田篤則氏はこの日フィッツパトリックが喫した唯一のインターセプトをそう評して悔やんだ。第4クオーター残り3分強、ビルズ自陣 39 ヤードから 3rd & 7 で投じられたボールは、ディフェンスの手にすっぽり収まった。28-34、ビルズのリードは6点で、タッチダウン1本で逆転される。
激しい試合だった。1Q から両チームがタッチダウンを2本ずつ取り、前半を終わって 21-20 となっていた。どちらもランがよかったが、それ以上にランディフェンスがさっぱり駄目だった。おたがいにタッチダウンを取り合う流れは後半も続いたが、3Q にフィッツパトリックがど真ん中へ投げ込んだタッチダウンパスでこの日初めてビルズがリードする。ここ 25 試合でインターセプトが1本以下だった試合では 10-4、2本以上インターセプトされた試合では 1-10 と極端な成績を残しているフィッツパトリック、今日は前者の試合になると思われた。思われたのに。
ハッセルベックは見事だった。取っても取っても取り返されるディフェンスの弱さにもめげず、ランを多用しながらドライブを運んだ。最後の最後、4th & 9、これが決まらなければ試合終了というパスを見事にヒットしてこの日初めてのタッチダウンパス。トライフォーポイントで逆転したタイタンズが、35-34 で乱打戦を制した。
「欲張らなければならない理由がひとつも無い場面で欲をかいてしまった」 フィッツパトリックは右サイドライン際のドナルド・ジョーンズへのパスを振り返って言った。「私の愚かな決断で投じた愚かなパスだ。サードダウンで、接戦にもかかわらず、(コーチの)チャン(・ゲイリー)は私にボールを託してくれた。それをインターセプトされてしまった。痛いミスだった」
ゲイリーはクオーターバックをかばった。
「確かにあれはまずいパスだった。だがあれを除けば彼は本当に本当によく投げた。たった1本のミスの責任を全部クオーターバックにかぶせていたら、クオーターバックをつとめる人間は居なくなってしまうよ」
フィッツパトリックのスタッツは 27/35-225yds-3TD-1INT。あれだけランが出ていればヤード数は小さくなるのは当然で、インターセプト以外は申し分のない数字と言える。だがそのインターセプトは、文字通り致命的なミスだった。

  • ハッセルベックは 22/33-205yds-1TD-0INT と上々の数字。先週に続いての逆転勝ちでタイタンズも意気上がるだろう。最後のパスは本当に見事だった。
  • C.J.スピラーは 12att-70yds-0TD と上々の数字。同僚のフレッド・ジャクソンも 71 ヤードとか走っていて、ふたりでディフェンスを切り裂いた。