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NFL 2012 -- NFC Wildcard Playoff (2)

Seattle Seahawks (#5/West-Wildcard) @ Washington Redskins (#4/East)

昨年の CIN @ HOU に続いて史上2試合目となったプレーオフのルーキー QB 対決。ウィルソン、グリフィン三世ともに機動力のあるクオーターバックで、あるいは NFL オフェンスの転換点となる時期が来つつあるのかも知れないという妄想をかきたてるような対戦になった。
試合の主導権を最初に握ったのはレッドスキンズ。ラン・パスのバランスもよく、あっという間に攻めあがってタッチダウン。返しのシーホークスのドライブをスリーアンドアウトに仕留めると、次のドライブでもタッチダウン。1Q で 14-0 となり、そこまでは一方的な展開だった。
しかしウィルソンは慌てない。次のドライブでフィールドゴールを返すと、その次のドライブではリンチとロビンソンをうまく使いながら自らのランも交えつつタッチダウンまでたどり着く。さらにフィールドゴールを1本決めて、13-14 として折り返した。
グリフィンは本人が大嫌いだというニーブレイスを着けて登場したが、やはり膝のコンディションはよくないようで、2Q 辺りから度々痛そうな様子を見せ始める。だが外科医の治療まで受けながらグリフィンはフィールドを去ろうとしない。
押せ押せだったシーホークスだが、後半最初のドライブで残り1ヤードまで攻め込みながらマーション・リンチがまさかのファンブルロストで手ぶらで帰る羽目になってしまう。しかしレッドスキンズも攻撃が続かず 3Q はお互い無得点。
そして 4Q 、とうとうシーホークスレッドスキンズを捕らえる。やはりこの人、マーション・リンチの右隅へのランで逆転タッチダウン。だったのだが、ここでのウィルソンのリードブロックが尋常じゃない速さで、内からリンチを置き去りにするほどのスピードで駆け上がっていて本当に驚かされた。
対照的にレッドスキンズはグリフィンが力尽きる。自らがこぼしたボールを拾おうとした瞬間、脚に力が入らず、右膝から下が外側にぐにゃりと曲がりその場に倒れこんだグリフィンは、もはやボールに手を伸ばすことすらできなかった。しかもこのボールをシーホークスにリカバーされてしまう。ここで事実上試合は終わっていた。代わって出てきたカズンズはシーホークスディフェンスのプレッシャーの前に殆どまともにパスを投げられず、力不足を露呈した。シーホークスが 24-14 で逆転勝ち。
シーホークスがシーズン後半の勢いをそのままに鮮やかな勝利を飾った。1Q ではグリフィンもモリスも止められず、どうしたことかと思わされたが、きっちり試合中にアジャストして終わってみれば失点は 1Q の2本だけ。攻撃陣も最初のスリーアンドアウトは歯が立たない印象すらあったのに終わってみればタッチダウン2本とって 24 点。シーホークスの思い通りの展開になったと言える。
レッドスキンズはやはりグリフィンの負傷が痛かった。カズンズでは足りないというのはわかっていたことなのだろう。ただそれでも無理をして欲しくないという気持ちは正直録画を見ている間中ずっとあった。これがスーパーボウルならともかく、まだワイルドカードレイオフなのであって、きみはルーキーなのだ。焦る必要はないではないか。……と、伝えたくなる程度には好きな選手なのだ。
レイオフに3人残ったルーキー QB のうち、生き残ったのはラッセル・ウィルソンただひとりということになった。ディヴィジョナルプレイオフでは NFC の第1シード、アトランタ・プレイオフではいまいち・ファルコンズと対戦することになる。面白い試合になりそうだ。