黄昏通信社跡地処分推進室

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古本屋でたまたま手に取った本の最後部を見ていたらその文庫の既刊の広告がどういうわけかずいぶんたっぷりページを使ってついていたのだけど、その中に『光車よ、まわれ!』が出ていて驚いてしまった。ポプラ文庫ピュアフルという文庫だった。ちくま文庫から切られたのか、と思って帰ってから調べてみたのだが、実際のところはちくまではとっくに絶版になっていて、復刊ドットコムで復刊され、その後改めてポプラ社で文庫になったということらしい。復刊ドットコムで出された作品が文庫に入るのはおそらく比較的珍しいパターンではないかと思われる。それで昔『光車よ、まわれ!』の感想を書いた筈だと思ってこの日記のログを検索したのだが出てこなかった。どうやら移転前(cgiboy の頃)書いたようだ。ぼんやりとした記憶ではかなり暗い雰囲気の話で、面白いのだけどやや理不尽な印象もあったような気がする。そしてそこはかとない不安を味わった。将来子どもたちが小学校高学年ぐらい――それこそ主人公たちと同じくらいの歳になったら読ませてみたい。

ところでその手に取った本は松樹剛史氏の『きみはジョッキー 勝利へのラストスパート』だったのだが、解説を赤見千尋氏が書いていてのっけから「競馬小説は面白くない」みたいな書き出しでのけぞってしまった。それやっちゃったらもう他の競馬小説の解説回ってこないじゃないですか(そんなことないんだろうけど)。あと「主人公には全然共感できなかった」とも書いててそれは面白かった。実際競馬サークルに居た人が言うとやはり説得力がちがう。『きみはジョッキー』(上の本の前作)は読んでみてもいいかな。