黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

最近ウェブのどこかで見かけた言葉で「無知が偏見を作るのではなく、半端な知識こそが偏見を作る」(大意)というのがあって、かなり腑に落ちた感じがした。これは多分その通りだ。無知というのは基本的に何も作りださない。本当に何も知らないものに対して先入観を抱くというのはそもそも原理的に不可能だ。
それで、ウェブに触れているとこの半端な知識という奴が膨大に転がっている。twitter とか tumblr とかが特に危ない。もちろんそういう雑多な知識や情報がごろごろしているところがウェブの面白さなんだけど、特に twittertumblr ではそれらの知識が断片化して文脈から切り離されていることが多い。それを見たり読んだりして楽しんでいると、本人はいかにそれが一過性のものだと思っていたとしても、脳の中には知らず知らずのうちにその知識の断片が蓄積されていく。それを組み合わせてより大きな知見に至る場合もないとは言えないだろうけど、まあどちらかといえば、小さな偏見の種がいっぱい溜まっている状態という方が適切な気がする。
だから、なにか知ってる気になっていることについても、自分を疑ってみる癖をつけなくちゃいけない。そのことについてなにか考えるとき、もし自分が持ち合わせているものが知識の断片の集まりでしかないのなら、それは全部振り払ってまっさらにしてから捉えなおさなくちゃいけない。それは多分簡単なことじゃないけれど、でもそれを意識するかしないかだけでもきっと違ってくるだろうと思う。