黄昏通信社跡地処分推進室

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五藤光学のこと

http://ex.b-area.org/monologue/201309.html#entry_2013-09-25_Memo
ぶか氏(なんとお呼びすればよいのだろうか。“はじめ男爵”?)が五藤光学の本社が府中にあることに言及していたのでちょっと思い出を書いてみる。


何度も書いているがおれは大学時代天文部に入ってて、毎年学園祭の時にプラネタリウムの上映をやっていた。先輩たちが一から手作りした曲がりなりにもドーム式のプラネタリウムで(ドームも生地から作ったんだそうだ)、おれたちの代はそれを継承していただけだったのだけど、その投影に五藤光学の EX 電球を使っていた。リンク先に書かれている通り短いフィラメントで大光量を発するのが特長の電球で、こういう光源でないと星の形が綺麗に出ない。
で、文系の集団が手作りしたものだけに電球にも適当な電源をあてがっていて、おれが入る前は明らかに電圧が高すぎてしょっちゅう電球が切れていた*1。そのため天文部には毎年学園祭の前になると誰かしらが五藤光学まで電球を買い出しに行くというミッションがあった。
大学から自転車でたぶん 30〜50 分ぐらい、府中街道にぶつかったらそれに沿って府中本町を目指していけばまあ見つかるよ、みたいな感じでいつも行っていたと思う(おれたぶん3回ぐらい行った)。それなりに高いビルで上に「五藤光学」って書かれていたように憶えている。いよいよこの辺の記憶はあやふやだが。
ところでそこにあるのは本社ビルで、特にショップが併設されていたりはしない。おれたちは普通に入っていって受付のおねえさんに「EX 電球をください」という。と、少々お待ちくださいみたいに普通に言われて、応接セットみたいなところで座ってると、6〜7 分後にはおねえさんが紙の箱に入った EX 電球を持ってきてくれた。代金を払って領収書をもらい、それで買い物はおしまいだった。
どうもあれが正規の手続きだったのかわからない。当時から首をひねっていた憶えはあるのだけど、あんまり小売りやってる感じじゃなかったのだ。でも毎年受付では戸惑う様子もなく対応してくれたので、言われれば対応するルーチンはあったのだと思うし、おれたちだけが買いに来ていたということもなさそうにも思う。
とはいえもう 20 年近く前の話だから万が一これを読んで EX 電球を買おうと思った人が居ても真似しないで欲しい。上のリンク先に通販の方法が書かれてるからそちらに従ってください。


首尾よく電球を手に入れて、これでちょっとぐらい切れても大丈夫だ、などと同行者と話しながらのろのろと自転車を漕いで大学に向かう。戻ればいよいよ上映に向けて最後の準備をしなければならない。妙に高揚した、それでいてちょっとだけめんどくさいような、なんとも言えない気分だったことを思い出す。うむ、あの頃のおれは今思えばけっこう青春ぽいこともしていたな。戻りたいとは全く思わんのだが、手持ちの思い出としてはなかなかいいものであるようにも思うな。



ちょっと調べてみたらそもそも EX 電球の販売自体長らく非公式だったらしい(トピックス 12/09/18|株式会社五藤光学研究所)。そうだったのか。おれも先輩に連れられて行って「ここで売ってもらえる」って聞いてただけだったから知らなかった。

*1:でそれに対しておれがとった対策が「トランスをつけてセメント抵抗をかます」だったのだがあれが適切だったか今でもよくわかっていない。電球の切れる数は激減した。