黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

NFL 2013 -- Week 11, part 2

NFL では3人以上でサックしてもひとりあたり 0.5 ずつカウントするのね。「その場合チームのサック数と個人サック数の合計が合わなくなる」ってそりゃそうだろうよ。なんかその辺の大らかさはなんともアメリカっぽいな。日本だったらそもそも2人でも 0.5 ずつって考え方にならなさそう。

San Francisco 49ers (6-4) @ New Orleans Saints (8-2)

意外に点が入らない展開になった。1Q はパントの蹴り合いから入って、ようやく 1Q 終わり近くにセインツが 97 ヤードの長いドライブを成功させて 0-7 とリードする。しかしフォーティナイナーズは 2Q にパントのマフから労せずして同点に追いつくと、フィールドゴールで一度は逆転する。セインツはその後カデットの 86 ヤードのパントリターンからタッチダウンをあげて再逆転。10-14 で折り返し。
フォーティナイナーズは相変わらずというべきかキャパニックのパスがいまいちで、この日も最終的な数字が 17/31-127yds とまったくぱっとせず、またこの日はランも出せなかった。3Q の途中にブリーズが不用意に投げた中途半端に浮かせたパスをインターセプトしてタッチダウンにつなげたのと、4Q 頭にセインツが 4th ダウンギャンブルに失敗して得た攻撃権からフィールドゴールを決めるのが精一杯。それでも 20-14 とリードする。
セインツも後半はどうしてもタッチダウンまで届かず、4Q にはじりじりとフィールドゴールを返すのがやっと。一度などはブリーズがヒットを受けてボールを失いあわやファンブルロストかという場面があったが、首へのヒットという判定でパーソナルファウルとなり文字通り命拾いした。結局そのドライブで決めたこのクオーター2本目のフィールドゴールで同点に追いつくと、最後はフォーティナイナーズのパントがカバーチームによる不幸な反則のためにセインツにいいフィールドポジションを与えてしまい、時間切れと同時のフィールドゴールで幕切れとなった。なんだかんだ言っても勝つんだなーという感じに傍からは見えていたフォーティナイナーズはここへ来て2連敗となり、少し雲行きが怪しくなってきた。おかげで NFCワイルドカード争いは少し面白くなっている。

  • セインツは 2Q に DB のホワイトがキャパニックのパスをインターセプト、そのままサイドライン沿いを駆け上がったが、キャパニックが諦めずに追いすがってタックル、エンドゾーンのわずかに手前でボールを取り落としてファンブルしてしまい、そのままボールがエンドゾーン内のサイドラインから転がり出てタッチバック、という場面があった。素直にサイドラインから出ていればターンオーバーだったが、まあタッチダウンできそうなら行きたくなるのがフットボーラーというものだろうしあまり責めたくないプレイではある。むしろキャパニックが追いついたことをほめるべきかも知れない。

Kansas City Chiefs (9-1) @ Denver Broncos (9-1)

AFC 西の同地区対決にして NFL 全体でも勝率1位対2位の対決。そしてチーフスはこの試合の前まで失点がリーグ最少、ブロンコスは得点がリーグ最多、という対照的な両チームの対戦となった。
試合は終始ブロンコスが主導権を握る。フィールドゴールで先制すると、タッチダウンを追加して 0-10。ここでチーフスにとって痛かったのは、ブロンコスが自陣 27 ヤード地点でマニングのハンドオフミスでファンブルロストしたために得た攻撃権をすぐ次のプレイのファンブルで失ってしまったことで、強烈なタックルを受けたとはいえ勿体ないところだった。
チーフスは 2Q にこの日一番のドライブが出て最後はボウのタッチダウンレシーヴで 7-10 と追い上げるも、返しのドライブでまたタッチダウンまで持って行かれてしまい 7-17 。前半だけで早くも今季の最多失点に並んでしまった。まあそれは 17 点という数字がそもそも少なすぎるわけだが。10-17 で折り返し。
3Q に入ってからはお互い守り合ってパントが何回か続いたが、均衡を破ったのはやはりブロンコス。ボールのランとウェルカーへのパスだけでほとんど1本タッチダウンドライブを完成させてしまい、10-24 と差を広げる。この後ブロンコスは 4Q にフィールドゴールを1本追加しただけだったが、守備陣が好調だったブロンコスには 14 点あれば充分で、4Q にタッチダウンを1本返されたものの 17-27 で逃げ切り勝ち。そこまで点差は大きくなかったが常にリードを守り続け完勝という印象だった。両チームは2週間後に再度対戦する。

New England Patriots (7-3) @ Carolina Panthers (7-3)

マンデーナイト。AFC 東地区首位を走るペイトリオッツと、1-3 からまさかの5連勝で NFC 南地区首位のセインツに1ゲーム差でつけているパンサーズ。星だけ見れば1ゲーム差だけどまあブレイディとニュートンだしまあ、てなぐらいに試合前は思っていた。
しかしパンサーズがタッチダウンで先制すると前半はそのリードを保ったまま 3-10 で折り返し、3Q に追いつかれても返しのドライブですぐにまたタッチダウンを挙げて突き放す堂々たる戦いぶり。4Q についに逆転されたが、残り6分半からのドライブがキャム・ニュートンの真骨頂。特に自陣での 3rd&6 からスクランブルで走ったシーン、かなり下がって、しかも何度も捕まりそうになりながらするりするりと交わしてファーストダウンを奪ってしまったのだが、ディフェンスは心が折れるプレイだろうと思われた。最後は左サイドのテッド・ジンへの短いパスで、ジンらしいランアフターキャッチで左隅にタッチダウン。ジンはこの日唯一のレシーヴが値千金の逆転タッチダウンになった。
最後は残り 0:59 からのペイトリオッツのラストドライヴ、ブレイディはいきなり 4th&10 に追い込まれるが流石の落ち着きでまったく慌てるところもなく更新すると、0:03 からエンドゾーンのレシーバーへパスを投げるところまで持っていった。残念ながらボールはインターセプトされ、奥にいたグロンカウスキーへの接触に対するフラッグが出たが反則無しとの判定でそのまま試合終了となった。アンキャッチャブルであったため反則とはとらない、とのこと。ベリチックは怒っていたらしく、ブレイディも試合後フィールドから出ていく審判に並びかけてなにやら訊いている姿が抜かれていたが、プレスへのコメントでは「まあ素晴らしいパスってわけでもなかったし」と言ってたようでわりと納得していた様子。
ペイトリオッツは 7-3 となったがまあジェッツも負けて2ゲーム差は変わらないしこの1敗で焦ることは全くなさそう。一方パンサーズは 7-3 となってここまで来れば流石に本物とも言いたくなるところ。セインツと1ゲーム差にぴたりと付け、NFCワイルドカード争いでも暫定1位に躍り出た。チーフスに次ぐサプライズチームと言えるかも知れない。