黄昏通信社跡地処分推進室

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はつる・ばみる・オルグる

ハッシュタグの話に戻る。一番最近考えてたハッシュタグは「#部外者に説明する時言い換えが難しい動詞100」というので、これはほんとうにクールだと思う。とうとう自分で考えたハッシュタグが流行る日が来ちゃうと思う。200 ぐらいはツイートが集まるにちがいない。そこから 100 に絞らなきゃならないのだ。ああどうしよう。振りに使う動詞ももうふたつ考えてあって、「はつる」と「ばみる」だ。どちらも適度に知っている人は知っていて知らない人は知らないみたいな知名度じゃないだろうか。


「はつる」は石やコンクリートの表面を叩いて薄く砕き剥がすことだ。と書いてみてあらためてこの概念を知らない人に文章で説明する限界を感じてしまうが、まあそんなような行為を指すと思っていただけばよろしい(だいなし)。以前居た部署で行っていた業務で微妙に関係ある言葉だったので知っているのだが、まさに概念と言葉をダイレクトにセットにして知ったので、別の言葉に言い換えて伝えることがほんとうに難しい。
昨年職場の建物の耐震強度検査の説明で業者さんが来た時、説明資料に「コンクリート斫り」と書かれていた。もしかして、と思っていると業者さんがまさにそれを「はつり」と読んでいて、漢字があることを初めて知った。説明の後この字は初めて見ましたということをちょっと言ってみたら、本当は右側のオノに点がつくのが正しいんですがコンピュータだと出なくて、と教えてくれた。まあはつるという字を知っていても多分役に立てられることはないのだが、でもいいことを知ったと思った。


「ばみる」は芝居やダンスなどで舞台や広いスペースを使うときに、立ち位置や大道具・小道具などの適切な置き場所を把握するために床に目印をつけることだ。正確に言うとその「適切な置き場所を把握する」ことも含んでいる。いずれにしてもこっちは説明できる。どちらかというと難しいというよりは単に長くなる。とはいえひとことで言うのはやはり困難ではあり、実際にこの言葉が使われている現場では共通の文脈があるから通じている。つけた目印は「ばみり」という。ビニールテープや蓄光テープでつけることが多い。


部外者に説明するのが難しい言葉というのは、それなりの必要と共有されている前提があるから存在できる。その前提や必要性は部外者から見るとじつはちょっと面白いものだったりすることが多いんじゃないだろうか。だからもしこのタグが流行って自分の知らない言葉が出てきたら、え、それってどういうこと、と訊くことで結構面白い話が引き出せるような気がする。どう、クールなタグだと思わない?