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NFL 2014 -- Week 7

BYE はイーグルズ(5-1)、バッカニアーズ(1-5)。

New York Jets (1-6) @ New England Patriots (5-2)

サーズデイナイトフットボールAFC 東地区のライバル対決。状況は対照的とも言える両チームだが、意外なほどに面白い試合になった。
先制したのはペイトリオッツ。開始からわずか4プレイ目、右手奥に走り込んだ RB ヴァリーンにジェッツのディフェンスがついておらず、ワイドオープンになっているところにブレイディからのパスが通ってタッチダウンとなる。これはひどいボーンヘッドだった。
ジェッツもすかさず反撃し、ジーノ・スミスのパスとラン、それと RB クリス・ジョンソンのランを絡めて小刻みに前進。返しのドライブでフィールドゴールを返すと、ペイトリオッツをスリーアンドアウトに切ってとり、さらに返しのドライブでは今度は RB アイヴォリーを使ってもう1本フィールドゴールを返す。この日はランとパスのバランスがよく、スミスも無理をせず自らの機動力を上手く活かしてドライブを続けた。ただし前半は敵陣に攻め入ってからの詰めが甘く、得点は4本すべてフィールドゴールで、一時は逆転したものの再度タッチダウンを許し、残り 1:01 のドライブからフィールドゴールを追加されて 12-17 で折り返しとなった。
後半最初のドライブでジェッツはようやく初のタッチダウンをあげる。ここはスミスがサードダウンを2回更新する粘り強い攻撃で、最後はアイヴォリーの1ヤードのラン。これで 19-17 と逆転した。ペイトリオッツも返しのドライブでフィールドゴールを決め、19-20 とまたしても逆転する。
おたがいにパントを3本と2本蹴って少し膠着した後、4Q に試合が動く。ペイトリオッツのドライブは一旦ゴール前3ヤードまで進みながらロスタックル、フォルススタート、パスインターフィアランスと再三退げられて 19 ヤード地点で 3rd&Goal。こりゃさすがに無理だと思ったがそこはトム・ブレイディ、この日も殆ど存在感の無かったアメンドーラを見つけると、狭いところへ矢のようなパスを通す。アメンドーラもこれをよく取って(この日のレシーブはこれ1回)タッチダウンとした。19-27 と、この日ここまでで最大の点差になる。
ジェッツも諦めない。返しのシリーズは再びクリス・ジョンソンのランとスミスのパスで刻んで前進、最後は TE カンバーランドへの 10 ヤードのパスをスミスが鋭く決めてタッチダウン、25-27 と追い上げる。しかしツーポイントコンヴァージョンは決まらず、2点ビハインドでのキックオフはオンサイドキック。一瞬ペイトリオッツの選手の身体の下をボールが抜けるが、アメンドーラがリカバーして残念ながらこれも失敗。そこからディフェンスが意地のスリーアンドアウトをやってのけて、最後の最後の攻撃権がジェッツにめぐってくる。時間の無い中の攻撃でなんとかジェッツは敵陣に入り、40 ヤード地点から、58 ヤードの逆転フィールドゴールを狙う。だが低い弾道のキックはブロックされ、時間切れとなった。
とにかくジェッツの健闘が光った一戦だった。初戦以来どんどん機能しなくなっていたオフェンスが最強のライバルを相手に目を覚まし、あと一歩のところまで追い詰めた。ディフェンスも大崩れしなかった。それだけに最初のドライブの凡ミスが悔やまれる。あれがなければ、結果は逆転していてもおかしくなかった。
ペイトリオッツは流石の内容で、プレイオフまではこのまま行けそうだ。米国でブレイディを叩いてた人たちは今どんな顔してるんだろう。


最終スコア:NYJ 25-27 NE

Atlanta Falcons (2-5) @ Baltimore Ravens (5-2)

レイヴンズの守備がファルコンズを圧倒。ほんとうに素晴らしい守備で、ファルコンズに殆ど何もさせなかった。試合運びもかなりえげつなく、2Q にはファルコンズが残り1分を切ってから 57 ヤードのフィールドゴールを外したのに対し、わずか 37 秒で逆に自軍のフィールドゴール圏内にまでボールを持ってきて、それをきっちり決めて 0-17 で折り返した。後半も 3Q まで得点を許さず、4Q でようやく初のタッチダウンを許して 7-20 とされるが、その後ライアンをセイフティに追い込んで 7-22 としてほぼ勝利を確定させた。にもかかわらず、返しのドライブで試合時間残り 01:54 の 4th&9、フラッコがいきなりエンドゾーンにロングパスを放り込み、それをトリー・スミスがキャッチして完全に止めとなった。半ば死体蹴りみたいなプレイ選択で(たぶんプレイコールとしてはパスでファーストダウンを狙うところまでで、タッチダウンまでは意図してなかったと思う)、流石にそこまでせんでもという気がしないでもない。しかしまあともあれ快勝で、一昨年までのレイヴンズが戻ってきた感じが早くもある。厳しい地区ではあるがチームの力が高いことがあらためてわかった。
ファルコンズはどう考えてもここまでやられるチームではないのだが、現実に 2-5 なのでなんとかしなければならない。幸い地区首位ですらまだ 3-3-1 なので決して手が届かない数字ではない。


最終スコア:ATL 7-29 BAL

Kansas City Chiefs (3-3) @ San Diego Chargers (5-2)

AFC 西の同地区対決。
おたがいにパントを2本ほど蹴りあったあと、チャージャーズが3回目のドライブをテンポ良く進め、リヴァーズからフィリップスへの1ヤードのタッチダウンパスで先制する。返しのドライブ、チーフスはジャマール・チャールズが走りまくり、最後は右に左にステップを切って 16 ヤードのタッチダウンラン。6プレイ中5プレイがチャールズのランというすごいドライブですぐさま同点に追いついた。このあとチーフスはフィールドゴールを決めて 10-7 と逆転する。チャージャーズはスリーアンドアウトが続いて苦しかったが、残り1分を切ってから急にリヴァーズが目覚め、アントニオ・ゲイツに 27 ヤードのパスを2本続けて通してタッチダウン。このドライブは本当に素晴らしかった。10-14 で折り返す。
チーフスは後半に入ってからもドライブがよく続き、最初の2回の攻撃でフィールドゴールタッチダウンと続けて挙げて 14-20 と逆転するが、そのタッチダウンの時点で 4Q に突入するほど時間も消費していた。そこからチャージャーズは反撃するが、1回目は6ヤードまで迫りながらフィールドゴール、逆に2回目は 30 ヤード地点から 48 ヤードのフィールドゴールをノヴァックが決めて 20-20 の同点となる。残り 1:51、チーフスは自陣8ヤードと苦しい位置からの攻撃だったが、ここでスミスが冷静に空いているレシーバーを見つけてずばりずばりとパスを通す。チャージャーズ陣 30 ヤード地点でようやくチャージャーズはサードダウンを止めたが、カイロ・サントスが 48 ヤードのフィールドゴールを決めた。
最後は 21 秒残った状態でチャージャーズに攻撃権が回ってきたが、リヴァーズがやけくそ気味にロングパスを2本投げて、2本目がインターセプトされて乙。まあ、どうせ負けだったとは思うけど、負け方みたいなものはあるような気がした。
ともあれチャージャーズの連勝は5でストップ。プレッシャーは受けたにしてもこの日はリヴァーズのパフォーマンスが悪く、前半の最後に一瞬輝いたもののそれ以上は見せ場を作れなかった。まあこんな日もある、のだが、同地区の相手の地元での対戦には勝っておきたかったところだ。
一方チーフスは 3-3 として、なんとか地区優勝争いに踏みとどまった。強い相手でも粘り強く戦うのでまだわからないと思わせるところがあるし、ここが頑張ってくれると AFC がますます面白くなる。


最終スコア:KC 23-20 SD

New York Giants (3-4) @ Dallas Cowboys (6-1)

NFC 東のライバル対決はカウボーイズが快勝。1Q にロモから TE エスコバーへのタッチダウンパスでリードすると、2Q にロモのインターセプトを絡めて一瞬逆転されるもすぐに追いつき、14-14 で折り返し。後半も最初の攻撃権でロングパス2本を通してタッチダウンを挙げふたたびリードすると、その後はジャイアンツのファンブルロストなどもあって一度も並ばれることはないまま逃げ切った。RB ディマルコ・マレーは開幕から7試合連続 100 ヤード以上のランを記録し、これは NFL 新記録。パスもランもやりたいことをできている印象で、本当にこれはプレイオフぐらいは行きそう。ジャイアンツはマニングが立ち直り、3タッチダウンパスにインターセプトなしという成績だったので負けたとはいえ悪くない内容と思うが、なにせこの地区は 6-1 と 5-1 がいて厳しいのは確か。どこまで星を伸ばせるか。


最終スコア:NYG 21-31 DAL

San Francisco 49ers (4-3) @ Denver Broncos (5-1)

サンデーナイトフットボール。マニングの通算タッチダウンパスの NFL 記録更新がかかった試合だったが、実際なんというかマニングショウみたいな日になった。1Q のうちにタッチダウンパスを2本決めて記録に並ぶと、2Q で残り8ヤードの 3rd&Goal から右隅のデメアリアス・トーマスに真直ぐパスをヒットしてタッチダウン。これでスコアも 3-21 になり、かなり一方的な展開になる。フォーティナイナーズも1本返して 10-21 で折り返すが、後半に入ってからもブロンコスは 3Q だけでタッチダウンを3本重ね、試合を決めてしまった。最後はお互い先発 QB を下げてブレイン・ギャバート対ブロック・オズワイラーというマニアにはたまらない対決になっていた。
フォーティナイナーズ、もう少し頑張るかと思ったけど特に前半レシーバーのドロップがいくつかあって攻撃で波に乗れなかった。まあ 4-3 なので慌てるような成績ではないのだが、意外と伸びて来ないなという印象もあり。


最終スコア:SF 17-42 DEN

Houston Texans (3-4) @ Pittsburgh Steelers (4-3)

この試合、2Q 途中まで観たあとで間違えて消しちゃったんだけど、そこまで 13-0 だったからまあいっかと思ってたらまさに観たところの直後からスティーラーズが反撃を始めて、2Q だけで 24 点取ったらしいので消してしまったのが悔やまれる。フィールドゴール→スリーアンドアウト→タッチダウンファンブルロスト→タッチダウンインターセプトタッチダウン、という流れだった模様。テキサンズはフォスターのランが時間とともに出なくなっていき攻め手を欠いた。


最終スコア:HOU 23-30 PIT

Other games:ラムズ金星/止まらないロジャーズ/ベンガルズ完封負け/ドルフィンズ五分に戻す/カズンズついにベンチ/救世主つまづく/意外とやるオートン/セインツ取りこぼし/アリゾナ快進撃 全9試合

SEA(3-3) 26-28 STL(2-4):これはまさかのアップセット。ラムズスペシャルチームの大活躍でシーホークスを下した。カニンガムの 75 ヤードキックオフリターン、ベイリーの 90 ヤードパントリターンタッチダウン、そして 4Q 終盤のヘッカーのフェイクパント。フェイクパントは2点リードの残り 2:55、自陣 18 ヤードの 4th&3 という状況でやったらしく、なんとも肚の座ったプレイコールだ。そこまでしてこの僅差だからスタッツ的には圧倒されていたと言ってもいいけど、デイヴィスは 18/21-152yds-2TD-0INT と自分の仕事はきっちりこなしている。大きくリードしながら勝ちきれない試合が続いていた流れを断ち切ったことも含めて、ラムズにとっては嬉しい1勝になった。シーホークスはオフェンスが完封された先週とは逆に内容的には全然負けてなくて、でも結果は連敗で、中々フラストレイションの溜まるここ2週になっている。焦る必要は全くない時期だが。
CAR(3-3-1) 17-38 GB(5-2)パッカーズというか、ロジャーズもちょっとゾーン入ってきたって感じだ。19/22-255yds-3TD-0INT で6試合連続インターセプト無し、とのこと。ちょっと手がつけられない。前半だけで 3-28 とかなっててニュートンもなすすべなし。パンサーズは昨季ほどの勢いはない感じ。
CIN(3-2-1) 0-27 IND(5-2):うわ、これ完封か。なにがあったんだろう。ドルトンが 18/38-126yds-0TD-0INT。ランもバーナードが 7att-17yds と完璧に抑え込まれてしまった。1試合パント 11 回はチーム新記録とのこと。一方コルツはパスもランものびのびと、まあやりたい放題やったようだ。ここまで力の差があるとも思えないけどねえ。
MIA(3-3) 27-14 CHI(3-4)ドルフィンズが快勝。ロンドンでレイダーズに勝って以来調子が戻っているようだ。タネヒルは試合開始から 14 本連続パス成功、最終的にも 25/32 にまとめて 277yds-2TD-0INT とかなりのスタッツ。一方カトラーは 21/34-190yds-1TD-1INT と平凡で、この他にファンブルロストが1回あった。今季ベアーズはホームでまだ勝ちがない。
TEN(2-5) 17-19 WAS(2-5):とうとうカズンズが試合途中でベンチに下げられ、代わって三番手 QB コルト・マッコイが登場、これがまた 11/12-128yds-1TD-0INT と素晴らしいスタッツで、レッドスキンズが逆転勝ち。どちらもスターター QB を怪我で欠く苦しい布陣で、試合内容もどうもミスが多くて凡戦だったようだ。両チームの現状からしてこんなもんか。
CLE(3-3) 6-24 JAX(1-6):うわー、ブラウンズ、よりにもよってジャグァーズ相手にこれとは……。ランが 69 ヤードに抑え込まれ、ホイヤーは 16/41-215yds-0TD-1INT とぶっ壊れたピッチングマシンみたいなスタッツ(個人的な感覚だと 40% 切ると「全然決まんねーなこれ」って感じる)、さらにチームでファンブルロストふたつ、とまあ悪いところ全部出た感じなので負けるのはいたしかたない、こんな週もある、次行こう次、なのだけど、しかしよりによって一番弱いチーム相手にこれ出ちゃうのもなんとも。あと、ホイヤーはちょっと悪ければすぐにマンゼル出せって言われちゃう立場なのもつらいところ。うーん頑張れ。ジャグァーズはまともにドライブして取ったのは1本だけ、ボートルズもインターセプト3本と大荒れだったけど勝ちは勝ち。NFL 初勝利おめでとう、ブレイク・ボートルズ!
MIN(2-5) 16-17 BUF(4-3):うう、オートンにやられた……。残り1秒で2ヤードのタッチダウンパスを決めたとのこと。ほとんど手にしていた勝利を落としてしまった。まあ 17 点ならディフェンス頑張ってるってことだし、もう少し点が取れればもう少し勝てそう。ブリッジウォーターは15/26-157tds-1TD-2INT とひどい数字だった。もう少し頑張れ。RB マッキノンが 19att-103yds で 100 ヤード超えた。たぶんキャリア初かな。/C.J.スピラーはなんと鎖骨を骨折。8週間ぐらいは出られないらしい。残念でならない。
NO(2-4) 23-24 DET(5-2):セインツ、痛い逆転負け。4Q 残り5分半まで 23-10 とリードしていながら、スタフォードからテイトへの 73 ヤードのタッチダウンを許すと、返しのドライブでブリーズがまさかのインターセプトを喫して攻撃権を手放してしまう。そして残り 1:48 でスタフォードがフラーへのパスを通して逆転のタッチダウンとなった。実に勿体ない。ライオンズは負けていた試合を拾った恰好で、こういうのもチームの勢いか。
ARI(5-1) 24-13 OAK(0-6):カーソン・パーマーが古巣(とはいえ在籍は2年弱)相手に快勝。カーディナルズの 5-1 は 1976 年以来とのこと。一方レイダーズの 0-6 は 1962 年、かのアル・デイヴィスがオーナーとして参画する1年前のシーズンに 13 連敗して以来だそうだ。夜明けは近いと書いたが、中々すぐにはうまくいかないものだ。

  • ところで、シーホークスの WR パーシー・ハーヴィンがジェッツにトレードで移籍することが決まった。これにはかなり驚いた。昨季は殆ど活躍できなかったが、まあ怪我の所為だし、今季は WR/RB/KR と多様に使われ、スピードを如何なく発揮して大活躍しており、チームも本人もハッピーなのだと思っていた。が、このタイミングで移籍するとなるとそれぞれに不満があったのだろうとしか思えない。ハーヴィンは起用法に不満があり、もう少しダウンフィールドで勝負したかったというようなことを言っているようだ。チームからは直接コメントはないが、他の WR 陣と上手く行っていないふしはあったらしい。ヴァイキングズを出た時も微妙にトラブルっぽくなっていたし、そもそもがそういう人なのかも知れない。ジェッツで上手く行くかは見当もつかないが、ジェッツの方には失うものはあまりないので悪いトレードではないように思う。ハーヴィン本人はどこへいっても通用するいい選手であることは間違いないので、とにかく今後も大暴れしてくれればというところ。



(更新終了)