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NFL 2014 -- Week 12

今週の BYE はスティーラーズ(7-4)とパンサーズ(3-7-1)。これで皆さんバイを消化し終えたので、あとは勝ち数のみ!

Kansas City Chiefs (7-4) @ Oakland Raiders (1-10)

サーズデイナイトフットボール
未勝利のチームにだって意地がある。ましてや全国放送、同地区対戦ならなおさらだ。今日こそ勝つ。レイダーズには悲壮なほどの決意がみなぎっていた。
特に目立っていたのが 17 年目の大ベテラン、チャールズ・ウッドソン。チーフスの最初の攻撃の3プレイ目、サードダウンでジャマール・チャールズにボールが渡った瞬間、突き刺さるようなタックルで一発で止めてみせる。いきなりのスリーアンドアウトにスタジアムは大きく湧いた。
攻撃陣も奮起する。最初のドライブはパントに終わったが、2本目のドライブは自陣 40 ヤードといういい場所からのスタートで、二度のサードダウンをいずれもカーがパスでコンヴァージョンして敵陣深くまで攻め入ると、最後は RB マレーが左のオープンサイドに走って 11 ヤードのタッチダウン。ラン攻撃に難を抱えるレイダーズが今季挙げた初めてのラッシングタッチダウンだった。
さらに 2Q、そのマレーがもう1本タッチダウンを挙げる。自陣の 10 ヤード地点からのランプレイ、正直陣地を多少稼いでエンドゾーンから遠ざかりたいぐらいのプレイコールだったと思うのだが、ど真ん中をぶち抜いて、DB も交わして独走。90 ヤードのタッチダウンとなった。これで 0-14。
このあとレイダーズは PR ムーアがパントをマフしてしまい、自陣 11 ヤード地点でチーフスにリカバーを許して大ピンチになるが、ディフェンスが頑張ってフィールドゴールの3点だけにとどめた。前半は 3-14 で折り返す。
2Q にマレーを脳震盪で失ったレイダーズは、それでも 3Q にフィールドゴールを挙げて後半も先に点を奪って 3-17 とするも、マクファッデンのランは相変わらず出ず、徐々に攻め手がせばまってゆく。
そしてチーフスが反撃開始。やっと攻撃が形になり始めると、アレックス・スミスが TE ファサーノへふわりと浮かせたいいタッチの 19 ヤードタッチダウンパスをヒットさせて 10-17。4Q に入ってすぐのドライブでは、ホールディング2回をものともせずスミスがパスを決めて前進し、最後はチャールズへの短いパスがランアフターキャッチでするすると抜けて 30 ヤードのタッチダウンレシーブとなり 17-17 の同点。返しのレイダーズのドライブはスリーアンドアウトであっという間に終わり、いいパントリターンがあって敵陣からの攻撃となったチーフスがフィールドゴールまで辿り着いて 17-20 ととうとう逆転した。
残り 9:03、レイダーズ自陣 20 ヤードからのドライブ。このひとつ前のドライブからレイダーズは RB にマクファッデンに代えて(おそらく本来フルバックの)リースを投入していたのだが、これが当たる。この結果的に長く続いたドライブの中で 9,7,4,4,1,5,4 ヤードとコンスタントにゲインして、カーの短いパスとの組み合わせでゆっくりゆっくり前進する。途中の 4th&1 はカーのスニークでなんとか更新し、敵陣 15 ヤード地点まで攻め入ったところでツーミニッツウォーニング。流石にチーフスもタイムアウトを使わざるを得ず、レイダーズはリースのランとカーのスニークで9ヤードまで進んでファーストダウンを更新する。チーフスは最後のタイムアウトを切って、残り 1:46。ここでのレイダーズのプレイコールはショットガンからのパス。カーはこの日ここぞというところで何度も取ってくれたジョーンズをエンドゾーン中央に見つけ、正確なボールを放り込む。20-24 と、再びレイダーズがリードした。
最後は残り 1:42 タイムアウト無しで自陣の 39 ヤード地点からチーフスの攻撃が開始。レイダーズは途中 4th&3 から反則でファーストダウンを与えてしまうなどしてもたついたが、次の 3rd&6 でムーアがスミスをサックしてほぼ勝負あり。4th&13 からのパスを、スミスは決めることができなかった。
というわけで、オークランドレイダーズ初勝利おめでとう。今日の内容だけ見てると「やっぱりマクファッデンがだめだったんじゃ……?」とか思ってしまうがいやいやそうではない。レイダーズの気迫と地元ファンの後押しがチーフスに勝ったのだ。
ウッドソンは最終的にタックル7サック1だった。途中からはパントリターナーも務めていた。パッカーズスーパーボウルリングまで手にした男がわざわざ古巣に戻ったのは単に現役を続けたいからだけではないだろう。

  • ところで最後のタッチダウンファーストダウンからパスをコールしてあっさり決めちゃったのだが、あそこまで行ったら時間を消費することを優先させた方がよかったように思う。せっかくタイムアウトを全部切らせたのだから、少なくともファーストダウンはランをコールして、エンドゾーンまで行けそうでも手前で止まる、という風にした方がよかった。最悪の最悪*1でもフィールドゴールを蹴れば同点なので、ここまで来ている時点でレギュラータイムでの負けはほぼないのだ。であれば、ダウンひとつ使って 40 秒減らす方がたぶんよい。2011-12 シーズンのスーパーボウルジャイアンツが逆転した状況とほぼ同じ。



最終スコア:KC 20-24 OAK

Cleveland Browns (7-4) @ Atlanta Falcons (4-7)

6-4 ながら AFC 北地区の最下位になってしまっているブラウンズと、4-6 ながら NFC 南地区の首位であるファルコンズの対戦。
ファルコンズが2回目のドライブでフリオ・ジョーンズのタッチダウンレシーブで先制するが、返しのドライブでブラウンズはクローウェルのタッチダウンランで同点に追いつく。その後ファルコンズインターセプトファンブルロストで2度自陣でのターンオーバーをやらかすが、どちらもブラウンズは攻めきれずフィールドゴール止まりで 13-7。2Q には逆にホイヤーがインターセプトを放り、ちょうどミッドフィールドからになった返しのドライブをファルコンズタッチダウンまで持っていって、13-14 で折り返し。
後半は再びブラウンズが流れをつかみ、最初のドライブでフィールドゴールの後、次の攻撃ではウェストのランが出まくってごりごり更新、最後だけクローウェルが決めて(とはいえ 26 ヤード走ったのだから大したものだ)23-14 と差を広げる。
ファルコンズはその次のドライブでライアンが短めのパスをびしびし通し、最後は RB ジャクソンが1ヤードをねじこんでタッチダウン。23-21 と食い下がる。ここからブラウンズは苦しんだ。返しのドライブも調子良く進んで敵陣6ヤードまで入ったのに、プレイが崩れて右へロールアウトしてからのホイヤーのパスにレシーバーのゴードンはプレイを止めていて対応できず、エンドゾーンでのインターセプトを許してしまう。その返しのドライブは止めてパントを蹴らせたのに、さらに次のドライブではホイヤーがゴードンの方へ向けただけの適当なパスを投じてまたしてもインターセプトを喰らう。
残り 2:42 からのファルコンズ自陣 45 ヤードからのドライブ、ファルコンズはじりじり進んで敵陣に入り、なんとかフィールドゴール圏内に辿り着くが、一度はタイムアウトを使ってしまい、最後も 3rd&2 からパスを投じて失敗になって、残り 0:49 でフィールドゴールを蹴ることになった。53 ヤードのフィールドゴールは K ブライアントがよく決めて、ファルコンズがとうとう 23-24 と逆転に成功する。
4Q 残り 0:44、ブラウンズは自陣 20 ヤード地点からの攻撃で、23-24 の1点ビハインド、タイムアウトはまるまる3回残っている。最初のプレイはパス失敗だったものの、その次からホイヤーは立て続けにパスを決める。オースティンへ 11 ヤード、ゴードンへ 24 ヤード、バーニッジへ 15 ヤード。これで敵陣 30 ヤード地点まで進んでいるが、タイムアウトを使い切って残り 16 秒。ホイヤーはフィールドに残っている。あと1プレイ、これが中央のオースティンへの短いパス、通る。整列して、スパイクして、残り5秒。ホイヤーはやれるだけのことをやって、あとを K ビリー・カンディフに託した。カンディフは 37 ヤードのフィールドゴールを難なく決めてタイムアップ。ブラウンズが劇的な逆転勝利をなしとげた。
ファルコンズは最後のドライブのクロックマネジメントミスが痛く、相手に時間を残し過ぎた。これで同地区 4-0 地区外 0-7 と極端な成績になっている。
ブラウンズはホイヤーのインターセプトの所為で逆転され、最後はそのホイヤーの素晴らしいドライブで再逆転した。そう思うとほめたもんだかどうなんだかわからないが、しかし取り返せる力を見せたのも確かだ。いい試合をやってのけた。地区内の争いは厳しいが、プレイオフまで行けるだろうか。



最終スコア:CLE 26-24 ATL

Detroit Lions (7-4) @ New England Patriots (9-2)

この試合の前までリーグ最少失点だったライオンズ守備をペイトリオッツ/ブレイディがずたずたにした。38/53-349yds-2TD-1INT だからそこまでのスタッツには見えないかも知れないが、イメージとしてはぼこぼこ。一方ライオンズは2試合連続でタッチダウンに辿り着けなけないなど詰めが甘く、この日はスタどんも 18/46-264yds と精彩を欠いた。これ 40% 届いてないから精彩を欠いたっつーかひどいな。
ペイトリオッツは先週大活躍した RB グレイが金曜日の練習に遅刻して干されて出場せず、代わりに今週スティーラーズからペイトリオッツに戻って来たばかりのブラウントが 12att-78yds と活躍。こういう謎の層の厚さがあるんだよなこのチーム。


最終スコア:DET 9-34 NE

Arizona Cardinals (9-2) @ Seattle Seahawks (7-4)

NFC 西の同地区対決。この日のシーホークスは昨季の強かったシーホークスを思い起こさせる堅さと早さで、パーマーを欠くカーディナルズを寄せつけなかった。とはいうものの攻撃ではなかなかタッチダウンを奪えず、前半はフィールドゴール3本だけ、後半もフィールドゴールを2本蹴って(1本成功、1本はブロック)、ようやく唯一のタッチダウンを挙げるという有様。カーディナルズは前半終了間際、3rd&Goal からスタントンのパスをエンドゾーンでワイドオープンの WR ジャロン・ブラウンがドロップしてしまう痛恨のミスがあり、流れを掴めなかった。あれを取りさえすれば 7-9 で折り返せていたので、また違っていただろうと思う。
これでカーディナルズシーホークスは2ゲーム差。シーホークスは調子を上げてきていて、一方パーマーを失ったカーディナルズはやはりオフェンスに難が見える。逆転は充分ありそうだ。


最終スコア:ARI 3-19 SEA

Miami Dolphins (6-5) @ Denver Broncos (8-3)

この試合は未見。ひょんなことで先に勝敗だけ知ってしまい、「そりゃブロンコス勝つわな、じゃあこの試合は見なくていっか」と思ってたらドルフィンズ超頑張ってたのでした。この下の試合とか見てる場合じゃなかった。まあブロンコス勝ったんだけどさ。


最終スコア:MIA 36-39 DEN

Baltimore Ravens (7-4) @ New Orleans Saints (4-7)

マンデーナイトフットボール。ブラウンズ対ファルコンズの項でも書いたが、今年は AFC 北と NFC 南の対戦になっているので、最高勝率のディヴィジョンと最低勝率のディヴィジョンの対戦がそこかしこで実現している。
試合はセインツがいきなりチャンスを掴むが、ゴール前1ヤードでギャンブルに失敗して手ぶらでお帰り。おたがいタッチダウンを1本ずつ取った後、今度はレイヴンズがゴール前1ヤードに迫りながらファンブルロストとなかなかにぐだぐだ。この後レイヴンズがタッチダウンを挙げたのに対してセインツはフィールドゴール止まりで、このまま折り返すかに思われたのだが残り2分を切ってからセインツオフェンスが本領発揮。タイムアウトはなかったが残り 1:51 あればブリーズには充分で、びしびしパスを通して敵陣に入るとそこからコルストンへ二連続のパス。19,26 ヤードと連続で決まって、あっという間に逆転のタッチダウンとなった。14-17 で折り返し。
後半はレイヴンズがフィールドゴールで同点に追いついた後、返しのドライブでブリーズが痛恨のインターセプト。これがリターンタッチダウンにされてしまい、24-17 と逆転される。このあとフィールドゴールを1本ずつ決めて 27-20 と1ポゼッション差に喰らいつくが、4Q に入ってからレイヴンズ RB フォーセットに 20 ヤードのタッチダウンランを決められて 34-20 となってこれでほぼ止め。セインツは最後残り2分を切ってからタッチダウンを返すも、オンサイドキックが決まらず試合終了。
セインツは相変わらずディフェンスのタックルが甘く、これは一昨年ぐらいから言われている気がするのだがいまいち改善されない。この日はそれもあってフォーセットに 22att-182yds とめちゃめちゃ走られた。これでは厳しい。オフェンスもブリーズが 35/45-420yds-3TD-1INT と投げまくったがヤーデイジの割には得点が少なく、唯一のインターセプトは致命的だった。
これでレイヴンズもセインツもそれぞれ地区2位になった。AFC 北はどうなるかまったくわからず、レイヴンズは残っている同地区戦が最終週のブラウンズ戦のみで、これが吉と出るか凶と出るか。一方セインツはファルコンズとまたしても星が並んでしまい、ファルコンズが同地区無双状態なので星でひとつ上回る必要がある。ここは勝ちたい試合ではあった。それはファルコンズも同じことだが。


最終スコア:BAL 34-27 NO

Other Games:生き残るベアーズ/タイタンズ滅多打ち/いつものジャグァーズ/復調ベンガルズヴァイキングズ脱落/リヴァーズも復調気配/渋く勝つナイナーズ/スーパーキャッチ!/大雪のバッファロー:全9試合

TB(2-9) 13-21 CHI(5-6):ベアーズ、なんとか生き残る。苦しいのは間違いないけど、ここで例えば 4-7 と 5-6 では全く違う。相変わらず攻撃が上手く行っているとは言えないが、守備は一応の立ち直りを見せているようだ。バッカニアーズはターンオーバー4つで自滅した。まあもう今季は諦めたというところか。
TEN(2-9) 24-43 PHI(8-3):イーグルズの圧勝。開幕のキックオフリターンでハフがタッチダウンを決めると、その後はタイタンズを滅多打ちにした。サンチェスもインターセプト2本でほめられたスタッツではないのだがこういう展開だと関係なかったか。イーグルズは今もっともスリリングな試合をするチームと言えよう。タイタンズはもうロッカーは切るだろうし、メッテンバーガーで行くかあらためてドラフトするか、というところになるのかな。
JAX(1-10) 3-23 IND(7-4):これはもはや書くことが見つからない。ジャグァーズはどこに勝ったんだっけ?*2
CIN(7-3-1) 22-13 HOU(5-6)テキサンズは前週からフィッツパトリックを下げてライアン・マレットを先発 QB に据えているが、この日は 21/45 と5割も決められず。ドルトンも 24/35-233yds と大したことなかったが、まあ 22 点取れたので勝ち。

  • マレットは試合の前に胸に痛みを感じていたが、4年ぶりの先発機会ということで押して出場。試合後に検査したところ胸筋断裂でシーズンアウトとなった。ずっとペイトリオッツでブレイディのバックアップとしてろくに出場機会もないまま過ごし、移籍してやっとつかんだチャンスだった。気の毒でならない。

GB(8-3) 27-24 MIN(4-7)ぐぬぬヴァイキングズ、地元とはいえこれ頑張ったけどな。最後はタッチダウンとツーポイントで3点差まで迫り、残り 3:23 で普通にキックオフを蹴ったが、全部レイシーのランでファーストダウンを2回取られて時間を全て費われた。パッカーズのラフィングザパサーで 50 ヤードからのキックオフだったので、オンサイドキックを蹴るべきだった、とはジマー HC の弁。これでヴァイキングズは今度こそプレイオフ争いから脱落した。
STL(4-7) 24-27 SD(7-4)チャージャーズ2連勝。今季のラムズはどんなチームにも勝てる力があって常に嫌な相手だが、なんとか振り切った。リヴァーズは 29/35-291yds-1TD-1INT とまあまあのスタッツで、だいぶ立て直してきたかなという感じ。

  • ラムズのヘッカーがまたフェイクパント決めてた。今季2本目? 3本目?

WAS(3-8) 13-17 SF(7-4)レッドスキンズ頑張ったというべきかフォーティナイナーズがもたついたというべきか。
DAL(8-3) 31-28 NYG(3-8):流石に同地区戦、ジャイアンツも頑張ったけど力尽きる。動画で見ただけだけどオデル・ベッカム・ジュニアのワンハンドキャッチはまじで凄くて一見の価値あり。しかし負けは負けで、ジャイアンツはこれで理論上も地区優勝がなくなり、事実上プレイオフもなくなった。カウボーイズはロモが 18/26-275yds-4TD-0INT と手のつけられない数字でイーグルズと並走している。まずはサンクスギヴィングに最初の直接対決だ。
NYJ(2-9) 3-38 BUF(6-5):この週バッファローではめちゃめちゃ雪が降って、ビルズは試合どころか練習もままならず、試合会場もデトロイト(フォード・フィールド)に移され、しかし試合は圧勝した。ジェッツはこの日前半ヴィックが投げて後半はスミスにスイッチ。そもそも上手く行っていないし、コーチの腹も据わってない、というところで、フットボール以前の問題という感じも。


(更新終了)

*1:最悪の最悪の最悪はターンオーバーで、それは即負けになる

*2:ブラウンズです